povo×Peachが極秘裏に募集する「世界青年電波隊員」の知られざる実態! 潜入取材で見えたヤバすぎる最終目的

取材・文=webムー編集部 写真=橋本美花

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    「世界青年電波隊員」を世界に送り込むという謎の計画が立ち上がり、極秘裏に若者の選抜が行われているらしい――!

     ある日、そんな怪しい情報を入手したムー編集部。なんでも、計画を主導するのはpovoとPeachだという。povoといえばKDDIのオンライン専用プラン、一方のPeachは日本初のLCCと、どちらも若者に馴染みのあるブランドだ。その両者が手を組んで「世界青年電波隊員」なる謎すぎる人材を求めるとは、いったい何を企んでいるのか? 公にできない裏稼業か、それとも背後に秘密結社が? すさまじい陰謀の予感!

    ――ということで、実態を探るべく編集部は「世界青年電波隊員」の選抜面接が極秘裏に行われるという会場へと潜り込むことを決定! そこにはいったいどんな若者が集い、彼らは何のために「世界青年電波隊員」を目指すのか? 直撃取材で見えてきた、それぞれの深い事情とクレイジーな野望とは……!?

    怪しい面接会場に潜入!

     11月某日、独自ルートから入手した情報を頼りに、大阪某所へとやって来た編集部。まずは通りすがりを装い、面接が行われるという建物の前を偵察。

     入口のガラス扉には、「若者よ! 日本を飛び出し冒険せよ!」と謳った小さなポスターが1枚貼ってあるのみ。異様に明るい色調、楽しそうにはしゃぐ若者の写真がこれでもかとあしらわれたデザインは、一見したところ旅行会社や留学斡旋のポスターを想起させるが、それが余計に「世界青年電波隊員」という言葉の奇怪さを際立たせている。あまりにも怪しい!

     まさか、世界旅行ができると見せかけて若者を釣り、極秘任務に従事するスパイに仕立て上げる計画か……!? この陰謀を広く世に知らしめなければという使命感に燃えつつ、いざ内部に潜入だ!

    ――バサッ!!

     意を決して建物に足を踏み入れた編集部の前に突然、謎の男たちの背中が立ちふさがった!

     ムーが潜入を試みているという情報が事前に漏れていたことを悟る。無駄な取り繕いを諦め、促されるままにビルの中とは到底思えない怪しすぎる教室へと連れて行かれる編集部。

     腰掛けた謎の男たちは、物々しい雰囲気で何やら話し合っている。おそらく彼らは「世界青年電波隊員」の選抜に関わる面接官、povoやPeachの担当者だろうが、見れば見るほど一癖ありそうな面々だ。

     これは面倒なことになったが、「世界青年電波隊員」の実態を掴むまでは絶対に帰れない!

    穏やかな紳士の裏の顔

     すると、ガラガラとドアが開いて1人目の「世界青年電波隊員」候補が入ってきた。

     なかなか温和そうな紳士だが、きびきびとスケッチブックを取り出すと、雄弁にプレゼンテーションを開始。

     これまで登山や旅に関するいくつものコミュニティを主催してきたというこの男性。日本人にとって人気の旅先である台湾だが、実は富士山を上回る標高の最高峰・玉山(3,952m)など、日本人にとってまだまだポピュラーとは言えない登山スポットにあふれていると訴える。

     そこで今回、彼は「世界青年電波隊員」として台湾の沿岸部から歩き、現地の人々と交流しながら台北市の最高峰である七星山(1,120m)を制覇したいのだという。面接後、個別に話を聞くと

    「何歳らしくとか、考えることを一切やめました。私は永遠の26歳だと思っています!」

     こう即答する男性の目は尋常ではない輝きに満ちているのだった――!

    復讐を誓った青年

     次に面接にやって来たのは、打って変わってラフなストリートファッションの青年だ。なにやら大きな荷物を抱えている。

    「リベンジしたいんです」

     突然の復讐宣言か……! と一瞬衝撃が走るも、聞けばこの青年、ヒューマンビートボックスの使い手で、学生時代にオーストラリアでバスキング(路上ライブ)の一人旅を敢行したが、いつの間にか投げ銭を稼ぐことに意識が向いてしまい、純粋に人々との交流を楽しめなかったのだとか。

     そこで今回、彼は「世界青年電波隊員」としてもう一度同じ街へと向かい、ヒューマンビートボックスで様々な人とつながる喜びを再確認したいという。

     彼が持参した大きな荷物は、ヒューマンビートボックス用のマイクとスピーカーだった。圧巻のパフォーマンスも披露し、面接官も思わず仕事を忘れて体を揺らしている。

     YOSAKOIチームの運営にも携わるという多才な好青年。全身から滲み出ているポジティブなオーラがとにかく眩しい!

    世界を掌握する踊り

     3人目の候補者は、浴衣をまとった女性。日本三大盆踊りに数えられ、ユネスコ無形文化遺産にも登録された岐阜県の「郡上踊り」の素晴らしさを世界に発信する野望を抱いているという。

     そこで彼女は「世界青年電波隊員」としてタイに向かい、バンコク・カオサン通りで世界中から集まる観光客を前にして「郡上踊り」を披露し、一緒に踊ることで仲良くなりたいと訴える。

     さらに華麗な踊りも実演し、面接官の心を一気に掴みにかかる!

     以前は自分の殻に閉じこもりがちだったという女性。見ず知らずの他人に声をかけて一緒に踊るなど、これまで想像もできなかったが、そんな自分が大きく変わった姿を見せることで、少しでも誰かを勇気づけることができたらと微笑んだ。

    秘湯を目指す男の野望

     次に現れたのは、これまた個性的な出で立ちの男性だ。なんと写真家としての仕事の傍ら、某サウナ協会の理事を務めているという。

     しかし、彼がサウナ関係の仕事に情熱を傾けている真の理由は、直近5年で閉業が相次いでいる銭湯を守りたいから。「温冷交互浴」という究極の入浴法を広めることで銭湯・温泉仲間の輪を広げ、もっと入浴を文化として認知してもらいたいと熱く語る。

     そこで彼は、タオル片手に「世界青年電波隊員」となって、辿り着くのも困難な台湾随一の秘湯・栗松温泉へと向かい、サウナブームに沸く日本社会に「サウナは前菜に過ぎない」こと、「入浴にこそ健康の極意と真の奥深さがある」ことを知らしめたいという。

     野湯に関する独自の文化をもつ台湾への憧れから、中国語まで学びはじめたらしい。

    「大阪といえば末広温泉! この後も立ち寄って帰りますよ!」

     そう言って会場を後にした男性。面接が終わった瞬間から、もはや彼の意識は完全に温泉へと向いていた。

    ただひたすらに追い求める刺激

     続く5人目の候補者は、はるばる海外からの参加……と勘違いしそうな華麗な衣装に身を包んだ女性だ。

     彼女はカレーに魅了され、「マレーシアのカレーこそが世界一美味しい」という自身の仮説を立証するため現地へ行き、レシピを習得してきたいのだという。なるほど、女性の衣装は自らの冒険コンセプトをイメージしたものだったということか。

     多民族社会であるマレーシアのカレーは、イスラム風・中華風・インド風など各地の要素をいいとこ取りした絶妙なバランスで成り立っていると熱弁。マレーシア各地を回りながらひたすらカレーを食べまくり、その素晴らしさを発信したいと意気込む。

     海外経験も豊富だが、子供の時からカレーばかり食べてきたという女性。会社員としての日常生活では発揮する機会が限られる“カレー愛”を、思う存分に爆発させるチャンスとして「世界青年電波隊員」に応募したようだ。

     本当に好きなことが、好きなだけできる――女性の表情と口調からは、そんな期待が満ちあふれている。

    無意識下の使命に導かれて

     そして最後に現れたのは、そこはかとなくミステリアスな雰囲気を醸し出す女性だ。

     学生時代に物理学を専攻していたという彼女は、コミュニケーションの力やマインドの変容など、人間が秘めた潜在能力を試すため(!?)ずっと気になっていたという中国の少数民族のもとを訪ねると宣言。

     しかも最近、パンダへのこだわりが自分の中でどんどん強くなっており、その理由について考えてみると、大戦中に中国にいたという祖父の話が無意識下に刷り込まれ、それが今になって「なんとなく中国が気になる」という形で表出しているのかもしれないと語る。

     近頃は頻繁にデジャヴにも見舞われているという彼女の中で、何らかの重要な変化が起きつつあるのではないか? 話を聞いていると、そんな気がしてならなかった。

    隊員に求められる素質

     この日、面接にやって来た6人全員の話を聞いて、どうやら危惧していたほど「世界青年電波隊員」が陰謀めいた募集ではないとわかって一安心だ。

     しかしそれにしても、あまりにもキャラの濃い面々だ。普段それぞれの人間が心の底にしまっていた妄想と情熱が爆発したような、聞いているだけでも目眩がしてくる冒険プランの数々……!

     この中から、いったい誰がどのような基準で「世界青年電波隊員」に選ばれるのか? 面接官にしっかり問いただしておく必要があるだろう!

    ――「世界青年電波隊員」を募集する真意とは!? いったい何を企んでいるのですか?

    面接官  今回、povoとPeachがコラボレーションするに当たって、まずは自称若者の夢を応援する企画にしたいと考えました。近年のコロナ禍も相まって、若者たちに「冒険」が足りなくなってきているのではないか、アグレッシブに世界に出て、多様な経験をして、もっと社会に発信してほしい――そんな思いが両社の間で合致し、楽しい冒険プランを持っている人にそれを実現させるための航空券・通信手段・冒険代をお渡ししようとなったのです。

    ――なるほど、飛び抜けたプランと熱意がある人を応援したいと。

    面接官  真剣にふざけることができるのが自称若者の特権ですから、単純な旅行ではなく、やはり冒険してきてもらいたい。アウェーな場所で、今まで誰もやったことがないような経験をしてほしいですね。我々も、ふざけているようで真剣に夢を後押ししているんだということが伝わればと思っています。

     臆することなく未知への旅へと飛び出し、その旅先から想いを届ける――その両方に関わってくるのがpovoとPeachということで、これはまさにタッグを組んだ意義にもつながるものです。

    ――なかなかエモい意図が秘められていたのですね。みなさん、もしかして面接官という立場でなければ自分も応募したい企画として「世界青年電波隊員」を立ち上げた?

    面接官  そういう願望はちょっとありますよね。コロナ禍を経てさまざまな物事がオンラインで済んだり簡単に手に入るようになったり、そこには良い面もあるのですが、やはり実際の場所に身を置いて、人と直接触れ合うことで得られる刺激があると思うんです。ですから、予定調和なものではなく心がざわつくような冒険を見てみたいというか。我々も、冒険者から大いに刺激をもらいたいと思っています!

    ――すでに飛び抜けて個性的な候補者ばかりですが、「世界青年電波隊員」には冒険を経てどのように変わってほしいのですか?

    面接官  人生が一変するとか、そこまで大きなことではなくても、今回の冒険がちょっとした分岐点になったり、それを通して何か新たな気づきを得てくれたり、周囲にも影響を与えるような人になってくれたら嬉しいですね!

    選ばれし3名の冒険者たち

    「世界青年電波隊員」は陰謀どころか、若者の夢とチャレンジを応援する、なかなか堅気な構想だったようだ。好奇心の赴くままに世界の謎とミステリーを追い求め、決してありふれたニュースでは満たされない『ムー』読者にも共感できる姿勢ではないだろうか。

     その後、「世界青年電波隊員」の面接は東京でも実施され、入念な審査を経てついに3名の冒険者が選出された。

     大阪会場からは、台湾の秘湯を目指す写真家の男性、そしてマレーシアのカレーが世界一美味しいことを証明したい女性に決定! さらにもう1名は、東京会場から選出された“世界の奇食マニア”だという。

     今後、彼らの冒険の模様とその後の変貌ぶりは、SNSや動画を通して発信されることが決まっている。果たして、自らの夢を叶えようと世界に飛び立つ冒険者たちをどんな出来事が待ち受けているのか!? 続報を待て!

    povo
    Peach
    世界青年電波隊員

    webムー編集部

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