「湯屋守様」をお焚き上げ! 「昼神の御湯」で送られる異形の神々/奇祭巡り・影市マオ
神々が憩う「昼神の御湯」レポート後編。霜月祭を踏まえた現代神事は、盛大な湯屋守様のお焚き上げでクライマックスを迎える。
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松原タニシの超人化計画、今回追うのは「癒し」の超人たち。日本人が大好きなあのレジャースポットを発見したのは、伝説の超人たちだった!?
松原タニシが超人の足跡を追い超人になることを目指す「超人化計画」。今回はまず、この写真から。
こちらの女性、医療系ポップスシンガーの松原美穂さんだ。弥勒像を連想させる菩薩顔と、どこかで聞き覚えのある苗字……松原タニシの姉ちゃんです。
「医療系ポップス」って? という話もあるが、本物のお医者さんが作詞した持ち歌「治してあげる」という曲を聞いてもらえばわかるかも。
松原美穂さんの歌のすごいのは、この令和の時代に、聴衆を昭和にいざなってしまうこと。これはもう超人の能力じゃないだろうか。しかも美穂さん、なぜか歳をとらず、一時は弟のタニシが姉の年齢に追いついてしまうという謎現象が発生したこともある。いつのまにか現象は解消されていたのだが、時間をとめてしまう、時の流れを超越するすごい超人なのだ。
超人は、人知を超えた力で人を癒すこともある。ということでここからが本題、今回メインで追ったのは、城崎温泉で出会った治癒系の超人だ。
城崎温泉といえば、志賀直哉の小説『城の崎にて』の舞台にもなったことでおなじみの日本有数の温泉地。日本海に面する兵庫県豊岡市にあり、温泉街にあるななつの外湯を巡って楽しむことができる。なかでもここ、まんだら湯がめちゃくちゃアツい。
まんだら湯は城崎温泉発祥の地といわれていて、これを見つけたのが今回の超人、道智上人(どうちしょうにん)だ。今から1300年前、道智上人がまんだら湯を開き、そこから続々と別の湯も発見されてななつの外湯ができたといわれているのだ。
ところで、お坊さんが見つけた温泉というとタニシは他にもいったことがあった。
これは別府の鉄輪温泉に入ったときの写真。この鉄輪温泉をみつけたのは、踊り念仏の時宗開祖として有名なあの一遍上人だといわれているのだ。
一遍上人がここにくる前、別府は硫黄がたちこめるそれこそ地獄のような場所だったらしい。温泉も出ているものの、湯気が熱すぎて人が住むこともできない。このあたりに一遍さんがやってきたとき、村人はそのことを訴えたのだそうだ。
「これこれこんな状態で、どうにかなりませんか」と村人の悩みを聞いた一遍さん。どうしたものかと思案していると、長い白髪をたくわえた老人に出会う。
そのおじいさんは、一遍さんにむかって「ここは地獄のようだが、救う方法がある。一切経の経文をひとつの石に一文字ずつ書いて、湯の湧き出ているところに埋めていけ」と告げたのだ。
一遍上人は、その謎の老人のいった通りに何千という数の写経した石を地獄に埋めていく。するとそのたびに湧き出る湯が鎮められていき、おおかたは終わったのだが、最後にどうしても石を埋めても湯気の勢いのおさまらないところがある。どうしたものかと思っていると、そこにまたあの白髪老人が登場。
そして「一遍よ、よくやった。でもここだけは無理だから、四方を石で囲んでみよ。そうしたらここに新しい気持ちのいいレジャー施設ができるから」的なことをおっしゃる。
そこでまた老人のいう通りに石を積み、なかに入ってみると……湯気がなんとも気持ちがいい。と、こうして生まれたのが、日本初のサウナだったのだ!
日本で初めて蒸し風呂を発明したのが一遍上人ですよ、その発祥の地が鉄輪温泉ですよ、というのがご当地別府で語られる伝説なのである。やがてうわさを聞きつけた人々が集まるようになり経済も潤い、別府は温泉地として栄えるようになりました、となっていくわけだが、まさか日本のサウナ発明者が一遍上人だったとは……。
別府には一遍上人ゆかりの温泉山永福寺というお寺もある。
こちらはそのご住職で、踊り念仏ならぬシンガーソング住職。一遍上人伝説の説明とともに、「お寺は鉄輪〜」という歌詞が耳に残る「オンセンサイドテンプル」という曲を披露してくれた。
松原タニシ
心理的瑕疵のある物件に住み、その生活をレポートする“事故物件住みます芸人”。死と生活が隣接しつづけることで死生観がバグっている。著書『恐い間取り』『恐い旅』『死る旅』で累計33万部突破している。
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