新・将門塚での神事に注目の「神田祭」ほか5月の奇祭・希祭

    5月、ゴールデンウィークの最中にも全国でさまざまな祭礼が行われる。

    5月に行われる全国の奇祭・希祭

    春まっさかりの5月の奇祭。全国で豊作祈願や疫病よけなどさまざまな神事が行われる。

    将門塚リニューアル後、はじめての「神田祭」

    5月11日〜17日/東京都千代田区

     2年に一度、そろそろ汗ばむ陽気の5月なかごろに執り行われる神田祭。かつては神輿が江戸城内に入り将軍の謁見を許されたことから「天下祭り」とも呼ばれ、日枝神社の山王祭、富岡八幡宮の深川八幡祭とあわせて江戸三大祭りのひとつにも数えられる、お江戸・東京を代表する祭りだ。
     本来は2021年にもおこなわれるはずだったが、コロナ禍のために中止となり、今年は2019年以来4年ぶりの開催となる。

     この4年の間での神田神社にまつわるトピックといえば、なんといっても大手町に鎮座する将門塚の大規模リニューアルだろう。見違えるように改修された将門塚で神田祭の神事が執り行われるのは、今年が初めてということになる。

     4年分のパワーを溜めこんだ神田祭と、リニューアル将門塚のマリアージュ。今年の神田祭は例年以上にアツいお祭りになるかもしれない!

    前回2019年の神田祭祭礼行列の様子
    前回の神田祭時、リニューアル前のなつかしい将門塚。

    神vs神の大バトルが由来「老神温泉大蛇まつり」

    5月第2金土(2023年は12,13日)/群馬県沼田市

     関東の温泉県、群馬県には温泉の起源を説明するおもしろい開湯伝説がのこされている。

     むかしむかし、赤城山の神と二荒山(日光)の神はたいへん仲が悪く、あるとき領地をめぐる争いがこじれてついに大戦さをはじめてしまった。二荒山の神は大蛇に、赤城山の神は大ムカデに姿を変え激しい戦いを繰り広げたが、ムカデ神はヘビ神に加勢する猿麻呂という男が放った矢に射抜かれて深い手傷を追ってしまう。

     ムカデ神が命からがら逃げのびた先で地面をほると、不思議なことにそこから温泉が湧出し、神はその湯に癒されて傷を治した、という。

    この温泉が老神温泉で、神を追ったから「追い神」がなまって老神といわれるようになった……という伝説なのがだ、ふしぎなことに老神温泉ではこの神のポジションが逆転し、赤城の神がヘビ、日光の神がムカデで、温泉を掘ったのはヘビの神さまだということになっている。

    そのヘビ神さまへの感謝からはじまったのが老神温泉大蛇まつりで、祭礼中には20メートルをこえる巨大なヘビの神輿が温泉街を練り歩く。なかでも12年に一度、巳年にだけ登場する大蛇神輿は全長108メートルというビッグサイズだ。次の巳年は再来年、2025年。

    老神温泉大蛇まつり 沼田市公式サイト

    https://www.city.numata.gunma.jp/event/tone/1008273.html

    巨大なヘビが練り歩く「間々田のじゃがまいた」

    5月5日/栃木県小山市

    栃木県小山市間々田に伝わる祭礼で、町内会ごとにわらや藤づるなどを使って大きなヘビをつくり、地区を練り歩きながら間々田八幡宮を目指す「蛇祭り」と呼ばれる伝統文化。じゃがまいたという不思議な名前は「蛇が参った」あるいは「蛇が巻いた」からきているといわれ、ヘビを担ぐ人たちは「じゃーがまいた、じゃがまいた」と口々に叫びながら行進していく。

    間々田の町内会は7つあり、それぞれに少しずつつくりの異なる7体のヘビが神社に集合する「蛇よせ」、集まったヘビが池に入って水を飲む「水飲みの儀」など盛り上がる場面も多い。

    わらなどを使って大きなヘビをつくる伝統は各地にあり、千葉県市川市国府台の「辻切り」では、わらでなったヘビを集落の四隅の木にすえつけて、疫病や悪事の侵入をふせぐ魔除けとする。

    日本各地で行われていたこうした行事も、わらを入手することが困難になったり、時代の変化の影響を受けたりして数を減らしている。間々田のじゃがまいたはその貴重さから2019年に国の重要無形民俗文化財に指定された。

    2023年には規模を縮小して開催するが、一般の観覧はできる限り遠慮を、とのこと。

    写真は「じゃがまいた」ではなく、市川の「国府台の辻切り」のわらへび。集落の四隅の木にくくりつけられたわらへびは1年間外部からの悪霊侵入をふせぐのだ。

    ほかにもある全国5月の奇祭・希祭

    オホホ祭り(酔笑人神事)( 5月4日/ 愛知県名古屋市)

    名古屋市の熱田神宮でおこなわれる神事。5月4日の晩、すべてのあかりを消し真っ暗闇となった熱田神宮の境内を、神職たちが「オホホ」と喜びの笑い声を発しながら進行する。天智天皇の時代、神宝草薙剣が盗難にあったが無事に戻りふたたび神宮に納められることになったのを喜んだことがはじまり、といわれる歴史ある神事だ。

    化け物祭り( 5月24、25日/山形県鶴岡市)

    鶴岡天満宮でおこなわれる、男も女も長襦袢に帯締め姿、顔を隠して無言で酒を振る舞うという祭礼。罪びととして太宰府に左遷された菅原道真を慕う人々が変装して道真公へのおもいを伝えたことが発祥といわれる。

    鍋冠祭り (5月3日 /滋賀県米原町)

    日本三奇祭のひとつともいわれる米原市筑摩神社のお祭り。数え年8歳になる少女が狩衣姿で頭に鍋をかぶり、神社までの道を練り歩く。ユニークなビジュアルの「映える」お祭りだが、その歴史は1000年以上さかのぼることができるという古式ゆかしいもの。

    釜鳴神事 (5月15日 /東京都港区)

    東京のどまんなか、港区の御田八幡神社(慶應大学三田キャンパスのすぐ近く)で年に二度、1月と5月の15日におこなわれる特殊神事。神社のなかに設えられたかまどに釜をのせ、湯のわく音で吉凶を占う。

    webムー編集部

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