無意識に働きかける「催眠術」の秘密/世界ミステリー入門
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私たちの日常的な意思決定は、そのほとんどが潜在意識によって無意識的かつ自動的に行われている!? であれば、潜在意識とうまくつき合うことこそが、人生を好転させるカギとなるはずだ。そのためのノウハウとは? 波動とメンタルをベースにコンサルティングを展開し、多くの経営者を成功へと導いてきた桑名正典氏が指南する。
「今日何をする?」 「何を食べる?」 「今からどこに行く?」
私たちは、毎日そんな意思決定をたくさん行い、さまざまな行動をしています。そうしたひとつひとつの行動が、結果として現実をつくります。つまり、意思決定こそが現実をつくる要となっているのですが、その意思決定のほとんどが無意識的に、自動的に行われていることにお気づきですか?
「いやいや、自分の意思で決めているよ」と反論する方がいるかもしれません。もちろん意識的に意思決定していることはありますが、それはごくわずかで、ほとんどのことが無意識的に、自動的に行われています。
たとえば、毎日の出勤ルートをどのように決めていますか。通勤途中で別の用事があるとき以外は、無意識的に決めているでしょう。自転車に乗るときも同じです。手足をどう動かすかをいちいち決めたりしないで、無意識的に操縦しているはずです。
最新の脳科学では、意識の領域は0.01〜0.1パーセントくらいで、無意識の領域は99.9パーセント以上といわれています。この数字が示すように、無意識の領域はとても広く、その力は大きいのです。
ここでいう無意識の領域とは、潜在意識のことです。人間の精神の中で非常に大きな領域を占める潜在意識が、現実をつくっているのです。潜在意識が変われば人生が変わる——『眠りながら成功する』の著者で、潜在意識の法則を提唱したジョセフ・マーフィー(1898〜1981年)の言葉です。これはまったくそのとおりで、潜在意識こそが人生のカギを握っています。
この潜在意識の正体とは「記憶」です。過去に経験したことや学んだこと。自分に対して思ったことやいわれたこと。そうした記憶が性格や意思決定に影響を与えています。私たちの脳は、潜在意識に入っている記憶をもとにして、現実の出来事に反応するからです。
普段からポジティブ思考の人は、潜在意識の中に成功体験などの前向きな記憶が多いため、自然に前向きな意思決定ができます。一方、ネガティブ思考の人は、ネガティブな記憶が多いため、挑戦などを回避するような意思決定をしがちです。
潜在意識の中にある記憶は、私たちの意思決定や行動にどう作用するのでしょうか。
たとえば、だれかが自分に向かってほほ笑んだとします。すると私たちの脳は、「ほほ笑みかけられた」という体験によく似た記憶を潜在意識から引っぱりだしてきます。そこに肯定的な記憶が多ければ相手を「いい人だ」と解釈しますが、否定的な記憶があれば「笑われた」と判断し、その相手を「失礼なヤツだ」と解釈したりします。
このように私たちの脳は、現実に何か起こると、潜在意識の中にある「それに似たような過去の記憶」を引っぱりだして、現実に対処しているのです。
そして、記憶のベースになるのは、現実に起こった出来事です。
脳は、眠っている間に一日の記憶を整理します。起こった出来事を「必要な記憶」と「いらない記憶」に分け、必要な記憶は潜在意識に格納し、いらない記憶は消去していきます。この「必要な記憶と判断されたもの」が潜在意識に蓄積し、私たちの人生に影響を与えます。
潜在意識に蓄積されやすい記憶は、次の3つです。
①とくに印象的な記憶
②感情が揺れた記憶
③繰り返し入ってくる記憶
ここで、衝撃の事実をふたつお伝えしなくてはなりません。
ひとつ目。潜在意識に入った記憶はなくなりません。
ふたつ目。潜在意識が書き換わることはありません。
では、巷でよくいわれる潜在意識の書き換えとは、何を意味するのでしょうか。
それは、「あるシチュエーションにおいて、今までは潜在意識からマイナスの記憶が出てきたけれど、プラスの記憶が出てきて反応するようになる」という状態を指します。 要するに、マイナスの記憶ではなく、プラスの記憶を脳が選択するようになる、ということです。選択するものが変わっただけで、マイナスの記憶が消去されるわけではありません。
その証拠に、さまざまな場面でプラスの記憶が出るようになり、前向きに対処できるように変わったとしても、ある条件が整ったらマイナスの記憶が出てくることもあります。
つまり、本稿でお伝えする「超潜在意識書き換え術」とは、マイナスの記憶を消してプラスの記憶に変える方法ではなく、マイナスの記憶が優位にならないようにその影響を少なくし、プラスの記憶を増やして優位にしていく方法なのです。
マイナスの記憶の影響を少なし、プラスの影響を増やすコツは以下のとおりです。
◆感情のケアをする
潜在意識に残りやすい記憶のひとつは、前述したとおり「感情が揺れた記憶」です。この記憶は、そのときの感情がくっついた状態で潜在意識に格納されています。さらにいうと、マイナスの感情にはかなり強い力があるため、マイナスの記憶が優位になりやすいのです。 したがって、その影響をなくすには、マイナスの記憶とセットになったマイナスの感情をケアしていくことが大事です。
◆自分への「ゆるし」
マイナスの記憶の中には、「自分はダメな人間だ」「情けない」といった自己否定につながるものがあります。それを放置していると、自分はダメだと思う➡自分はダメだと思える出来事を経験する➡やっぱり自分はダメだと思う➡やっぱり自分はダメだと思える出来事を経験する、という、いわばネガティブの無限ループにはまります。それを止めるのが「ゆるし」です。漢字で書くと「赦し」で、受け入れるという意味を持っています。自分のダメな部分を克服するのではなく、その部分がある自分を受け入れ、そのままですばらしく、価値があり、愛され、認められていると、とらえ直していくことです。
◆よい現実を経験する
潜在意識にプラスの記憶を増やすには、自分の心身やエネルギー、環境などを整えることが大事です。そうすることで素敵な出来事が増えていきます。
◆理想の未来を記憶する
理想的な未来が実現するよう、潜在意識に「理想の記憶」を入れ込んでいくこともできます。まだ体験していない理想の出来事を潜在意識に記憶させていけば、現実でそれが起こるようになります。
次回は、開運して現実を変えるための具体的なノウハウを述べていきましょう。
桑名正典
株式会社パーソンズリンク代表取締役。経営コンサルタント/エナジーフルネス提唱者。波動とメンタルをベースに、企業のコンサルティングや起業家を支援するビジネスアカデミーなどを展開。会員数1500名超のオンラインサロン「波動倶楽部」の主宰者でもある。
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