異星人接近遭遇「甲府事件」と現場に残されたUFOの残留物質の謎/並木伸一郎
1975年、夕闇迫る山梨県甲府市で、ふたりの少年がUFOを目撃した。後に「甲府事件」と称されることとなったこの出来事を驚愕発見とともに振り返る。
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1975年、山梨県甲府市にUFOが飛来し、宇宙人が出現したーー。伝説の「甲府UFO事件」を振り返るイベントが現地で開催。当事者の告白も含めて、その模様をお届けする。
1975年2月23日、日暮れ時。山梨県甲府市にて、いとこ同士の小学生2人がUFOと宇宙人を目撃したーー。これが日本でも有数のUFO事件「甲府事件」である。
この小学生2人は夕方6時ごろ、帰宅途中にオレンジ色に光るUFOを目撃した。UFOが追いかけてくるように飛行したため、驚いた2人は物陰に隠れるとUFOを見失ってしまう。
その後『ぶどう畑』に降りたUFOを再度発見すると、その機体の中から茶色で皺だらけの顔をした宇宙人が降りてきた。児童のうち1人が宇宙人に肩を叩かれ、恐怖のあまりその場にへたり込んでしまうが、もう1人が家族を呼びに家に走った。
そして家族が駆けつけた頃には、すでに宇宙人の姿はなく、ぶどう畑には燃えるような物体が残るのみだったのだ。
事件が起こった当日、UFOを目撃したのは2人の小学生だけではなく、現場からそう離れていない甲府市環境センターの管理人も光る物体を見たと証言している。
これが「甲府事件」のあらましだが、この事件からちょうど48年が経った今年(2023年)2月23日、甲府市内においてあるイベントが開催された。
『UFOで山梨を盛り上げよう~甲府UFO事件50周年にむけて~』と名付けられたクラウドファンディングの企画のひとつとして開催された規格である。
今回はこのイベントのリポートをお送りしたいと思う。
甲府事件が有名なUFO事件といっても、実際には地元でもこの出来事を知らない人は多い。事件当時の現場はぶどう畑が多い地域だったのだが、現在は大きな道路が走り、近くには県内でも最大級のスポーツ公園もできてしまった。当時の風景は失われており、忘れ去られるのも、当然といえば当然かもしれない。
日本各地には、地域の伝承や伝説を活用し、これを観光資源とする試みは数多く見られる。海外を見てみれば、「ロズウェル」の観光地化が良い例だろう。
そこで立案されたのが「甲府事件をテーマにし山梨県を盛り上げる」というこの企画だった。
実際のところ48周年という中途半端な数字になっていたわけだが、これは50周年というキリの良い年数に向けて準備が始まったということ。今回のクラウドファンディングのプロジェクトにも掲載されていたのだが、ここで集まった資金を基に、甲府星人(甲府事件で目撃された宇宙人の通称)の着ぐるみを製作し、地元のイベントや動画配信を行い、50周年を盛り上げる計画なのだ。
イベント当日、会場時間より少し早めに到着したのだが、すでに10名近い人が入口に列を作っていた。正直かなり小規模なイベントだと思っていたのだが、これだけでもUFOに対する関心の高さが伺える。
会場の時間か近づくにつれて続々と人が集まり、イベント開始前には会場は満員となった。そしていよいよ、実行委員のひとりFM FUJIというラジオ局で『妖怪TALK』という番組も担当する徳タケ喜一氏の司会でイベントが始まった。
否が応でも気分は高まりワクワクしていると、まずはザクレスホビー氏による甲府事件の詳しい解説が始まる。氏は甲府事件の宇宙人『甲府星人』のソフビ人形も製作しており、今回のクラウドファンディングのリターンの目玉の一つとして、オリジナルカラーのソフビも提供している。甲府事件に関しては物凄い綿密な調査を行なっており、当時の週刊誌などに載っていた宇宙人のイラストなど貴重な資料を見ることができた。
実は甲府事件の宇宙人にはこれまで名称がなかったのだが、『甲府事件の宇宙人』という名前では長すぎるために『甲府星人』と命名したのはザクレスホビー氏である。また、甲府星人の着ぐるみの監修もザクレスホビー氏が担うという。ザクレスホビー氏も甲府事件のポテンシャルには期待を持っており、県外在住者であるにも関わらずUFOで山梨県を盛り上げようと尽力している。これには私も氏のUFO愛を感じた。
ザクレスホビー氏に続いて登場したのが、甲府事件で宇宙人に肩を叩かれた少年「Y君」。当然、現在は成人しているためにY氏とお呼びするが、私が話を聞くのを楽しみにしていた人物でもある。事件当時の状況を本人から聞くことができる機会などそうそう無いだろう。
甲府事件というものは様々な書籍で語られているために、自分でも詳細は知っているつもりだった。しかし、Y氏が語る当時の様子はそのどれもが生の声のため、今まで語られていなかったような話も沢山語られた。クローズドイベントでの講演だったため詳細がお伝えできないのが心苦しいのだが、話せる範囲で言うとしたら、『UFOは飛び去るのではなく、その場で消えた』といった描写はとても興味深い。
実はY氏はこの事件以降、UFOを頻繁に目撃するようになったという。講演ではこれまで撮影したUFOの映像の数々を公開していたが、その中には確かに『未確認飛行物体』らしきものが収められていた。
そして、Y氏自身も甲府事件の当事者として、『事件が色褪せないこと』『山梨を盛り上げること』に尽力している。実際にUFO、宇宙人と遭遇するという非日常的体験をしたY氏がこの事件を語り継ぐということはUFOの研究にとっても大きなプラスになるだろう。
今回行われたイベントだが、遠くは島根県から来県した人もいた。UFOに興味がある人の中では、「甲府事件」がそれだけ関心の高い出来事だったということだろう。
「UFOによる町おこし」というと商業的に見えるためそれを否定する人も少なからずいるかもしれない。しかし地元に住んでいる人間としては、こうした企画によって街や県が活性化するのは嬉しいものだ。
しかし大前提として嘘偽りなく伝えるということありきだと考えている。UFOや宇宙人というものは100%真実だとも言い切れないし、100%嘘だとも言い切れないものである。甲府事件だけではなくどんなUFO事件でも、さらにいえば個人レベルの話でも『信じる』『信じない』は人それぞれだということだ。
しかし、せっかく日本でも指折りのUFO事件が起きた舞台となった県であるのなら、良い意味でそれを利用しない手はないと思うのも正直なところである。現在回復の兆しはあるものの、コロナ禍によって落ち込んだ観光を復活させるための目玉のひとつとして、「甲府事件」が一つの起爆剤になってくれることを期待したい。2025年の「甲府事件50周年」に向け、私自身も活動に携わりたいと思う。
山梨奇譚
山梨県の不思議な場所、変わった物、伝説・伝承などを紹介するYouTube「山梨奇譚」。ロケ動画を中心に、山梨の変わった魅力を発信する。
世界の歴史、神話、宗教を解説するYouTube「世界ミステリーch」も運営する。
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