1700年前の「聖女アガタ」の頭蓋骨に口づけ! バチカンによる聖遺物の異様な儀式が波紋

文=webムー編集部

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    1700年前、信仰を貫き殉教した聖女の頭蓋骨に唇を重ねる怪儀式。これは聖人への“崇敬”か、それとも一線を超えた禁断の“偶像崇拝”なのか――!?

    1700年前の聖女の頭蓋骨

     8月17日、イタリア・シチリア島のカターニア大聖堂で、異例ともいえる儀式が執り行われた。登場したのは、3世紀のキリスト教殉教者、聖アガタ(シチリアのアガタ)の頭蓋骨である。

     アガタは西暦231年頃にカターニアで生まれ、生涯を神に捧げた女性と伝えられる。当時、彼女との結婚を望んだ男性から信仰を捨てるよう迫られたものの、これを拒否。そのため投獄され、乳房を切り取られるなどの凄惨な拷問を受け、251年頃に獄中で命を落としたという。

    聖アガタ(フランシスコ・デ・スルバラン画) 画像は「Wikipedia」より引用

     死後、アガタは殉教者として崇敬され、カターニアの守護聖人となった。彼女の遺骨は数世紀後にコンスタンティノープル(現在のトルコ・イスタンブール)へ移されたが、地元の伝承によれば1040年に持ち去られた後、86年後に2人の兵士によって取り戻されたという。そして1126年8月17日、故郷カターニアへと返還された。

     今回の式典は、その「帰還」から900年を迎える節目を記念したものだ。修復作業のため一時的に聖遺物箱から取り出されていた頭蓋骨が、夜明け前の巡礼で信者たちに伴われて大聖堂へと運ばれ、群衆に披露された。

    胸像型の聖遺物箱に収められる聖アガタの頭蓋骨 画像は「Daily Mail」より引用

     その後、頭蓋骨は14世紀から伝わる華麗な胸像型の聖遺物箱「ブスト・レリキアリオ」の内部へと再び安置された。アガタのその他の遺骨は、「スクリニョ」と呼ばれる別の聖遺物箱に収められている。

    頭蓋骨への口づけは“偶像崇拝”か

     式典のハイライトの一つとなったのが、バチカンの国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿による行為だ。教皇レオ14世の公式代表として式典に出席した枢機卿は、聖アガタの聖遺物箱に冠を戴せた後、身をかがめて頭蓋骨に口づけした。

     この印象的な光景はSNSを通じて瞬く間に拡散。「なぜ遺骨に口づけするのか」と疑問を抱く声が相次ぎ、キリスト教徒の間でも議論を呼んだ。非カトリックの立場からは、キリスト教では禁じられている(物質や像を神として崇める)偶像崇拝に当たるのではないかと批判も出ている。

     しかし、カトリック教会側は聖遺物へのこうした行為を、神そのものに対する崇拝とは別物であると主張。神にのみ捧げられる「崇拝」に対し、聖人への敬意を示す「崇敬」の行為と位置づけているというのだ。

     聖遺物は、単なる古い骨ではない。カトリック信者にとっては、初期キリスト教の聖人との具体的なつながりを示すものであり、その生涯や殉教を思い起こさせる存在でもある。聖遺物の前で祈り、聖人との取り次ぎを神に願うことも、長い伝統として受け継がれてきた。

     1700年以上の時を越え、今再び人々の前に姿を現した聖女の頭蓋骨。そこに宿るのは、殉教者への敬意だけなのか――。古代から受け継がれてきた聖遺物への崇敬は、信仰と偶像崇拝の境界という、キリスト教が長く抱えてきた問いを現代に突きつけている。

    【参考】
    https://www.dailymail.com/sciencetech/article-16067213/vatican-cardinal-kisses-saint-agatha-skull-catania.html

    webムー編集部

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