言霊が導く祈りと呪いと未来予知! 短歌の呪術世界/笹公人・大塚寅彦
日本の伝統文化、短歌。どこか敷居が高いイメージもあるが、短歌は古来「目に見えない鬼神をも泣かせる」ほどの強力な霊力を秘めるといわれ、オカルトとは非常に親和性が高い文化だ。 大塚寅彦氏、笹公人氏という短
記事を読む

日本人ならだれもがよく知る「いろは歌」。そこに秘められた謎めくメッセージを読み解いていくと、ユダヤ秘教のエッセンスが盛り込まれていた! この記事を三上編集長がMUTubeで解説。
日本人ならだれもが知っている「いろは歌」は、音の異なる47文字を、1字も重複することなくすべて収め、しかも情緒ある文にしている優れた歌である。
昔から習字の手習いや、「いろは」順の辞書その他に使われてきた。作者は不明だが、10世紀末から11世紀半ばの間に成立したといわれている。
「いろは歌」には、古来、議論を呼んだ「隠し言葉」(暗号文)が含まれている。
「いろは歌」は昔から7文字ずつに区切って記された。「いろはにほへと」で区切り、次に「ちりぬるをわか」……といった具合である。
しかし7字ずつ区切るのは、文の流れからいって、きわめて不自然だ。にもかかわらず、7字ずつに区切って記されてきた。文献上最古、1079年ごろ成立の『金光明最勝王経音義』に記された「いろは歌」も、7字ずつに区切られ、7行で記されている。つまり「いろは歌」は、もともと7字ずつの区切りで作られた、と考えられる。
7字ずつに区切ったその「いろは歌」の最下段の文字を拾って読むと、「とかなくてしす」、つまり「咎なくて死す」と読める(清音と濁音は区別されない)。「罪がなくて死んだ」の意味である。一方、最上段の文字を拾って読めば「いちよらやあゑ」と読める。いったいこれは何を意味しているのか?
たとえば紀貫之の歌に、「小倉山峯立ち鳴らし なく鹿の へにけむ秋を 知る人ぞなき」(『古今和歌集』巻10)というのがある。これには別の意味の言葉が隠されている。それは次のように五七調に区切るとわかる。
「を0 ぐらやま/ み0 ねたちならし/ なくしかの/ へにけむあきを/ しるひとぞなき」
この各句の頭の文字(傍点箇所)を読むと、「をみなへし」つまり女郎花となる。「秋の七草」のひとつの名になる。
何か重大な用件を「隠し言葉」として組み込むといったものではないが、このように文の中に花の名や鳥の名を折り込み、雅やかな遊びとして愛好されてきた。
これを「折句」という。
また、「隠し言葉」を最上段に置くことを「冠」、末尾に置くことを「沓」といった。さらに、頭と末尾の双方に折り込むことは「沓冠」と呼ばれた。「沓冠」のおもしろい例として、次のようなものがある。
「よもすずし/ ねざめのかりほ/ たまくらも/ まそでも秋に/ へだてなきかぜ」
これは、兼好法師が友人の頓阿法師に送ったもので、頭(傍点箇所)で
「米たまえ(コメをください)」、末尾(傍線箇所を和歌の末尾から読む)で「銭も欲し(お金もちょうだい!)」と述べている。
これに対する頓阿法師の答えは、「よるもうし/ ねたく我せこ/ はては来ず/ なほざりにだに/ しばし問ひませ」であった。
「米は無し」「銭少し」という答えだ。
当時の人々はこのように、しばしば歌の中に別のメッセージを入れて、楽しんだのである。
(文=久保有政)
続きは本誌(電子版)で。
webムー編集部
ランキング
RANKING
おすすめ記事
PICK UP
関連記事
言霊が導く祈りと呪いと未来予知! 短歌の呪術世界/笹公人・大塚寅彦
日本の伝統文化、短歌。どこか敷居が高いイメージもあるが、短歌は古来「目に見えない鬼神をも泣かせる」ほどの強力な霊力を秘めるといわれ、オカルトとは非常に親和性が高い文化だ。 大塚寅彦氏、笹公人氏という短
記事を読む
和歌が運命を示すお告げとなる! 書物で占う「せいめい歌占」体験レポート
江戸時代に大流行した占いを現代によみがえらせる!中世文学の研究者が復活にとりくむ日本古来の「和歌占い」とは?
記事を読む
失われた反重力「アパジー」の秘密/MUTube&特集紹介 2026年6月号
19世紀アメリカの空を飛んだ未確認飛行船の謎について三上編集長がMUTubeで解説。
記事を読む
無数の墓石がずらりと並ぶ「墓の墓場」を訪問! コンクリ観音像にまつわる深い歴史に接触
珍スポ巡って25年の古参マニアによる全国屈指の“珍寺”紹介! 今回は愛知県豊田市の妙楽寺をレポート! 2万を超える墓石が集った「墓の墓場」に衝撃!
記事を読む
おすすめ記事