頭塔に塚に祟る石……古都のいわくつき建造物! 奈良妖怪新聞・ピラミッド厳選
通算100号を迎えた『奈良妖怪新聞』から、選りすぐりの奈良伝説を紹介する当記事も今回でフィニッシュ。第5回は特に「ムー」的な、古都の不思議な塚&石ミステリー!
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多くの古寺や歴史的旧跡が残る奈良市。その市街地に、巨大な土のピラミッドが現存している。
その名を「頭塔」という。
1辺が32メートルの正方形を基壇に、高さ10メートルまで7段の階段を積んだピラミッド状構造。表面は石でおおわれているが、内部は土、つまり土の塔だ。
地元の伝承では、聖武天皇の信が篤かった法相宗の僧侶・玄昉の墓=首塚と見なされてきた。だが『東大寺要録』によれば、神護景雲元(767)年に、実忠という僧侶によって造られたものということだ。
いわゆる「仏塔」であり、かつては東西南北各面に計44体の石仏が配置されていた。
昭和の研究では、「奈良時代末期においてインドの新様式を取り入れた最先端な仏塔」と結論づけられている。まさに貴重なものである。
こうした巨大な土塔は日本では珍しく、ほかには大阪府堺市に1辺53メートルの塔が復元されているだけだ。

1986年からは、奈良文化財研究所による発掘調査が行われ、現在は北の半分が復元されており、建設当時の様子をうかがい知ることができる。
また同研究所による2001年発行の「史跡頭塔発掘調査報告」には、調査前の写真も掲載されており、一時は小さな古墳のようだったことがわかる。
調査が進むにつれ、さらなる発見もあった。
現在の頭塔の下層から、もう少し古い三重の土塔が発見されたのだ。こちらは天平宝字4(760)年に造営されたもので、土台として6世紀の古墳が利用されていたことも判明している。
見学は可能だが、現地管理人の許可を得る必要がある。


ただ、かつては周囲が建物に囲まれていたものの、現在では隣接するホテルの取り壊しによって、離れた場所からも全体を見ることができる状態になっている。
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(月刊ムー 2026年04月号)
中村友紀
「ムー」制作に35年以上かかわるベテラン編集記者。「地球の歩き方ムー」にもムー側のメインライターとして参加。
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