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悪魔ゲーム「Faith: The Unholy Trinity」日本版お披露目となったステージにムー参戦! なんと「悪魔祓い」を実践することに……?
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ゲーム雑誌「ファミ通」とのコラボでムー的ゲームをお届け! 今回は拡大版で「FAITH」を掘る!
リリースされるやいなや、レトロなビジュアルと悪魔祓い文化の表現の秀逸さが海外で話題となった現代のカルト・ホラーゲーム『FAITH』。シリーズ作品は3部作で描かれるが、その3タイトルを余すことなく収録しただけでなく、日本語翻訳+日本語音声に対応した『FAITH: The Unholy rinity』が、2025年に本邦に上陸する。
『FAITH: The Unholy Trinity』は3部作全編を通じて、1970-80年代のAtari2600やApple IIのような、8ビットゲーム特有のビジュアルを採用。また、同時代のおもちゃなどでも使われていた合成の機械音声も印象深いが、じつのところ、こうした表現は奇をてらったり、レトロファンに向けてアピールしたりすべく採用されたものではなかった。
作中の舞台は、1986年の米コネチカット州スターリング近郊。プレーヤーはエクソシストのジョン・ウォード司祭を操作して、少女エイミーの悪魔祓いに挑むことになるのだが、まさに1970-80年代こそは、メディアを中心に悪魔祓いに注目が集まっていた時期なのである。
1973年には『エクソシスト』が、1981年には『死霊のはらわた』が封切りとなって大ヒットを記録するなど、悪魔と悪魔祓いがエンターテインメントの題材として広く認知されていた。さらに1976年のドイツでは、前年に悪魔祓いの儀式を受けたミシェルという少女が飢餓状態で死亡するといった、悪魔祓いの恐ろしさを実感するような奇怪な事件も発生している。
つまり本作は、現実でこうした悪魔祓いへの恐怖や不安が立ち込めていた"時代そのもの"を描くべく、作中の舞台だけでなく表現までも実際に1970-80年代にあった技術で描くことで、ゲームの構成要素すべてを悪魔祓い全盛時代に統一しているのである。
そうした時代の空気を閉じ込めたかのような本作をあなたがプレイしたとするならば、きっと1986年のアメリカ、すなわちキリスト教圏において"悪魔"という概念がいかに恐ろしいものだったのかを思い知らされるだろう。平和な家族や神の恩寵とともに暮らす穏やかな日々を理想とする社会だからこそ、白く無垢な少女を依り代として地の底より這いででくるアンチキリスト、サタンの眷属によって死と血で穢され、破滅を迎える……この恐怖感。
だが、『FAITH: The Unholy Trinity』では、そのタイトルにあるように"FAITH=信仰"こそが悪魔に抗い祓うための唯一にして絶対のもの。『ローマ・ミサ典礼書』には、憑依された者に聖水を振りかけたのち、苦しみはじめたところを見計らって十字架を掲げる、という方法が悪魔祓いの正式な手順と記されている。徹底して1980年代の悪魔祓いを描かんとする本作において、ゲーム中で悪魔に対抗する手段は、この手順の最後のくだりである十字架を掲げるという方法のみ。
悪魔の仕業と思しきあらゆる超常現象は、すべてその忌まわしき対象に向かい十字架を掲げることによって、聖なる力で祓うのである。
だが、少女エイミーに憑依したのはかつてない強力な悪魔。十字架は何度も掲げなくては祓うことはできない。
こういった要素も、いかにも強力なボス敵との対決パートでゲームらしいと思うかもしれない。しかし『ローマ・ミサ典礼書』によれば、悪魔に憑かれたものの中にいるのが強力な悪魔だった場合は、忍耐強く何度となく繰り返し十字架を掲げねばならないとされる。
ちなみに、webムーの記事『現役エクソシスト神父が震えた3つの最恐憑依事件とは!? 想像を絶する"悪魔との対峙"』でも、悪魔に憑依された妻を悪魔祓いするには、なんと8回も儀式を敢行せねばならなかったという話が掲載されている。
『Faith: The Unholy Trinity』は、悪魔祓いで悪魔と対峙するその緊迫感と困難さえも、当時のレトロなゲームデザインを通じて余すことなく描いてみせるというかつてない"悪魔祓い時代シミュレーター"とでも呼ぶべき異様な佇まいを醸しだしているのだ。まさに悪魔祓いゲームの傑作といえるだろう。
(本作のムー民度 ★★★★☆)
FAITH:The Unholy Trinity
Nintendo Switch用
パッケージ版:4,180円(税込)
ダウンロード版:1,700円(税込)
ジャンル:ホラーアドベンチャー
CERO:D
公式サイト:https://faith.happinet-games.com/
© New Blood Interactive © Airdorf Games. Licensed to and Published in Japan by HAPPINET CORPORATION.
Nintendo Switchのロゴ・Nintendo Switchは任天堂の商標です。
藤川Q
ファミ通の怪人編集者。妖怪・オカルト担当という謎のポジションで、ムーにも協力。
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