タイムトラベルが人体にもたらす驚くべき“副作用”を数学者が指摘! 頻繁に起きているが、誰も覚えていないだけ?

文=webムー編集部

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    SF作品のジャンルとして確立しているように、誰もが一度は夢見る「タイムトラベル」。しかし、それが実現した暁には人体にとんでもない“副作用”がもたらされることが発覚したという。

    物理法則に支配されるタイムトラベル

     時空を超越するタイムトラベルは、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などでも描かれたように人類の想像力を大いに掻き立ててきた。絵空事と思われるかもしれないが、技術が確立していないだけで理論上は可能とされている。しかし、最近の研究によってタイムトラベラーが直面する深刻な“副作用”も明るみになってきた。過去から現在に戻ってきた際、なんとタイムトラベルの記憶が消えてしまう可能性があるというのだ。

    イメージ画像:「Adobe Stock」

     海外メディア「Interesting Engineering」が報じた内容によると、驚くべき主張を展開しているのは米ヴァンダービルト大学の博士研究員で数学者のロレンゾ・ガヴァッシーノ氏。タイムトラベル後の副作用は、アインシュタインの一般相対性理論の特徴「閉じた時間的曲線(CTC)」の概念に関連しているという。

     そもそもタイムトラベルは一直線上の時間の流れに対し、特定の条件下で時空がループすることで実現するといわれている。つまり、決して再現性のない超常現象というわけではなく、物理法則によって支配されることに注意しなければならない。

     ここで重要になるのが「エントロピー」と呼ばれる“無秩序の度合い”を示す概念だ。熱力学の第二法則に従って、エントロピーは時間の経過とともに増加する。たとえば、ミルクにコーヒー粉を混ぜるとコーヒーの粒子がミルクにどんどん広がる=無秩序の増加=エントロピーの増大という考え方だが、簡単にプロセスが逆転することはなく、現状では宇宙で自然に発生することもないとされている。

     ガヴァッシーノ氏は、人がCTCに沿って時空を現在 → 過去 → 現在と移動した場合、エントロピーはまず増加して、ピークに達した後に元のレベルへ戻ると推測。現在に戻ってくると無秩序が減少し始めて「記憶の形成や老化などの生物学的プロセスを含む、すべての熱力学的プロセスが逆転する」ため、タイムトラベル中の記憶が消されてしまうという。

    タイムトラベルは物質にも影響を及ぼす

     タイムトラベルの思い出を記憶できないなら、写真や動画などで記録に残せばいいと考える人もいるだろう。しかし、エントロピーの作用はそれほど単純な話ではなく、熱力学の第二法則は生物に限らず機械やその他の無生物にも適用されると考えられている。つまり、タイムトラベル中にいくらデータを保存しても(エントロピーの増大)、旅の終わりに消去されてしまう(エントロピーの減少)かもしれないのだ。

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     また、ガヴァッシーノ氏は、時間と同じように直線的に進むようにしか設計されていない腕時計などがタイムトラベルを経ると不正確に動くようになるかもしれないと指摘。原子や分子の振動にも熱力学の第二法則が当てはまるため、時間を遡ると「物質の自然な動作」が完全に乱れる可能性があるという。

     残念ながら現時点でタイムトラベルは実現していないため、ガヴァッシーノ氏の主張を証明するのは不可能だ。しかし、タイムトラベルを経験をしてもそのことを記憶できないとしたら、この宇宙において、実は未知の原因により予期せぬタイムトラベル現象が発生しているが、それを多くの人は覚えていないだけ、(そして、なんらかの原因によってそのことを思い出すことができる人もいる)という可能性が生じてきそうだ。

    【参考】
    https://interestingengineering.com/science/someone-time-travels-may-not-remember

    webムー編集部

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