人間の暗部をえぐる名作ヒトコワ映画がなぜか快感…? 「胸騒ぎ」するヒューマンホラー映画・5選
ヒトコワ映画「胸騒ぎ」への助走になるヒューマンホラー映画名作を紹介!
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あのサイコロジカルホラー名作「サイレントヒル2」がリメイクされた。進化した恐怖の味わいも気になるが、ムーとして気になるのは、UFOの存在なのである……。
2024年10月8日にプレイステーション5とSteamで発売された、KONAMIの名作ホラー『SILENT HILL 2』(以下、『サイレントヒル 2』)。23年前のオリジナル版を最新の技術で現代に蘇らせた本作は、発売するやいなや世界中で圧倒的な高評価を獲得し、100万本を超える大ヒットを生んでいる。
そんな本作だが、じつは「サイレントヒル」シリーズには、ムー民なら見逃すことのできない“隠されたエンディング”が歴代作品に仕込まれてきた。
そのもうひとつの結末は……通称“UFOエンド”と呼ばれるもの。その内容たるや、さまざまな苦難を乗り越え、いろいろと謎めく物語を進めてきた主人公が、なんと最終盤で突如宇宙から飛来した未確認飛行物体から現れた地球外生命体と第四種接近遭遇を果たす――つまるところアブダクションされてしまうというエンディングである。
繊細に丹念に恐怖と謎を描いてきたホラーゲームでありながら、いきなりアブダくられて宇宙の果てに連れ去られるというUFOエンドの結末は衝撃的だった。急にトーンが変わり、往年のUFO映画のようなモノクロの演出とテクノポップなBGMになるという作りこみは、ホラーゲームファンに強烈なトラウマを植え付けたといっても過言ではないだろう。
そんなUFOエンドだが、「サイレントヒル」シリーズでは、1999年にプレイステーションで発売された初代作から代々隠しエンディングとして仕込まれてきたのである。
どうしてだ。なぜそこまで趣旨とはほぼ関係のない内容のUFO譚が、毎回毎回隠されてきたのか?
ともあれ、そんなもはやシリーズの伝統といった感のあるUFOエンドだが、ここで興味深い事実が存在する。じつは、23年前に作られたオリジナル版の『サイレントヒル 2』には、UFOエンドは存在しない。
熱心なファンの方なら、『サイレントヒル 2』の主人公ジェイムスが登場するUFOエンドが存在することはご存じだろうが、それは後に発売された『サイレントヒル 2 最期の詩』で追加されたもの。オリジナル版の時点では『2』のUFOエンドはなかったのである。
KONAMIの「サイレントヒル」シリーズプロデューサーの岡本基氏のインタビューなどによれば、23年の時を経て蘇った現代版の『サイレントヒル 2』は、あくまでもオリジナル版のリメイクとしての位置づけとのこと。ヒロインのマリアの物語を体験できた『サイレントヒル 2 最期の詩』の要素などは入っていないと語っている。
だが、発売から1か月を過ぎた今……リメイク版の『サイレントヒル 2』にも、隠しエンディングとして「UFOエンドを目撃した!」という報告が後を絶たないのである。
現代では、未確認飛行物体=UFO(Unidentified Flying Object)という呼称は、UAP=未確認異常現象(Unidentified Anomalous Phenomena)と呼ばれ、アメリカでは専門の調査機関AAROが発足している。2022年10月にNASAに設立された“UAPIST”こと“未確認異常現象独立研究チーム”によれば、UAPは既知の自然現象として特定不能な大気・宇宙での現象ということになるなど、これまで絵空事のようなUFOは、実在を前提としたものとなった。
トランプ氏が大統領に就任することで、さらにかつての未確認飛行物体に関する情報が開示されるのではないかとのうわさもちらほらと耳にする。まさに現代は、未確認異常現象と真っ向から対峙すべき機運が高まっているのである。
だからこそ、23年前のオリジナル版『サイレントヒル 2』には存在しなかったはずの「UFOエンド」を現代のリメイク版で目撃した! という報告が後を絶たないのではないだろうか?
ちなみに『サイレントヒル 2』の舞台は2000年ごろと考えられている。また、初めてUFOエンドが登場した初代『サイレントヒル』の発売は1999年。そしてリメイク版が発売された2024年。1990年代ごろから2024年に至るまでのUFO研究の歴史を眺めてみることで、より作中での第四種接近遭遇の背景に深い思いを馳せることができるかもしれない。
とくに注目したいのは、やはり1987年にアメリカで公開されたことで大いに世間を騒がせることとなった「MJ-12文書」の存在が大きいだろう。アメリカ政府が秘密裏にUFO調査をすべく、選ばれた12人の識者たちにより設立されたという「マジェスティック12」。彼らが長年の調査結果を記した驚くべき「MJ-12文書」には、1947年のロズウェル事件をはじめとした宇宙人に関する膨大な情報が、現在に至るまで1000ページ以上も公開されている。
そんな中、気になるのは1977年のスピルバーグ監督『未知との遭遇』や、同じく1982年の『E.T.』といった「宇宙人を題材にしたエンターテインメント作品」がMJ-12による大衆への宇宙人についての啓蒙やイメージの刷り込みだったとの言及も混じっている点だろう。
こうしたMJ-12文書が露見させた政府によるUFO調査の隠蔽や情報操作は、90年代のアメリカの大衆文化において「アメリカ政府とUFOの関連」というテーマを一般化させていくこととなった。
1993年からは大人気となった特殊捜査官によるSFドラマシリーズ『X-FILE』が始まり、1996年には宇宙人の侵略にアメリカ政府が対抗するSF映画『インデペンデンス・デイ』が、翌1997年には宇宙人専門の最高機密機関MIBの奮闘を描く『メン・イン・ブラック』も封切られて話題を博している。
つまり、MJ-12文書が詳らかにした“政府のUFO情報隠蔽”という背景のもとで、1999年に発売された初代『サイレントヒル』でも、最初のUFOエンドは、まさに隠蔽された=“隠し”エンディングとして仕込まれることとなったと考えると、感慨深いものがある。未確認飛行物体の真偽を問うミステリーは、エンターテインメントの世界でも興味は尽きないテーマのひとつになっていたのである。
それから23年。現代では、UFOは人類にとって公然のミステリーである“UAP(Unidentified Anomalous Phenomena)”として再定義され、UFO研究はさらに科学的で真摯な議論の対象となっている。なにしろコロナ禍の2020年には、アメリカ国防総省に“UAPタスクフォース”が設立。翌2021年に、アメリカ政府がUAPに関する公式報告書を発表。
そして2022年には、ペンタゴンことアメリカ国防総省に設立された、“ARRO(全領域異常解決局)”が、1996年から2023年にかけてアジアの西日本〜中国にかけた一帯を多数のUAPが確認されたホットスポットとして、徹底調査を行っていたのだから。
リメイク版の『サイレントヒル 2』で、オリジナル版には存在しなかったUFOエンドを見た! との世界中のゲーマーたちからの報告が相次ぐのも、まさに現代で再び蘇ったUFOことUAPのミステリーを追い求める、人類の好奇心と呼応していると言えるのではないだろうか。
ちなみに、『サイレントヒル 2』にUFOエンドが存在しているとの目撃情報を確かめるべく、ムー編集部でも検証プレイの実施を始めている。
ゲームをクリアまで進めた中では、それらしきものは見当たらなかった。だが……ゲームをクリアした後に楽しめるようになった「NewGame+」のモードをあらためて進めていたときのことだ。
なんと、サイレントヒルのサウスヴェイル地区の市街地にある宝石店で、おそらくUFOエンドとなんらかの関係があると思われるアイテムを入手したのである!
こちらがその“青い宝石”だ。
サファイアかラピスラズリのようなアクセサリーだが……よくご覧いただきたい。この石に刻まれた文様は、“ウンモ・シンボル”そのものではないか。
ウンモ・シンボルは乙女座の方角、地球からは約14.4光年の距離にある天体“惑星イウンマ”こと、天体“ウォルフ424”からやってきたウンモ星人が用いたマークである。
漢字の「王」を横にしたようなこのマークはUFO研究家は有名で、ウンモ星人はこのマークが刻まれたUFOに乗って、70年以上前に地球に飛来したという。
そうなると気になってくるのは、ウンモ星人の外見は地球の北欧系ヨーロッパ人によく似ていて、比較的背が高く、体色は明るく、金髪だという点。
『サイレントヒル 2』の主人公ジェイムスは、まさに金髪で比較的背の高い北欧系ヨーロッパ人という特徴に近いと言えば近いのではないか。ーーもしや、ジェイムスはそもそも地球人ではなく、ウンモ星人だった可能性も浮上する。
まだ青い宝石を入手したばかりだが、この衝撃の疑惑を解明すべく、ひきつづき、『サイレントヒル2』の「NewGame+」のモードの調査を進めたい。
『サイレントヒル 2』
©Konami Digital Entertainment
公式サイト
https://www.konami.com/games/silenthill/2r/jp/ja
藤川Q
ファミ通の怪人編集者。妖怪・オカルト担当という謎のポジションで、ムーにも協力。
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