怪談プレーヤーの拡大は豊穣か混沌か? 実話怪談の2023年トピック/吉田悠軌
怪談研究家吉田悠軌さんが、2023年の実話怪談・呪物の界隈を振り返る。
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古今の怪談を紹介・解説する、王道にして異色の怪談本、登場!
目次
「四谷怪談」のお岩さんと「皿屋敷」のお菊さんがすれ違っていた? 語ってはいけない「牛の首」と秘すべき因習の関係は? 有名怪談「廃病院のカルテ」や「裏拍手」の知られざる淵源とは?
古事記の「イザナミ」の呪いから、TikTokで話題の「バックルーム」まで、怪談研究の第一人者が、古今の名作怪談や都市伝説から「最恐」を厳選する新刊が誕生する。歴史的背景や恐怖の根幹を解説する「怪談教養」の入門書にして、読み応えのある名作怪談集である。読んでいくと、多くの怪談・都市伝説のパターンやルーツが絡み合うことがわかり、怖い話が人類の歴史の中で関わりあい、連鎖しながら語り伝えられてきた事実に震えるだろう。
レジェンド怪談・稲川淳二「生き人形」も含めた珠玉の怪談41編を収録している。
第一章 母子
イザナミ、ウブメ、こんな晩、ザシキワラシ、コインロッカーベイビー、コトリバコ
第二章 巨女
安義橋の鬼、丑の刻参り、カシマさん、口裂け女、八尺様・アクロバティックサラサラ、窓から覗く顔
第三章 江戸
四谷怪談、牡丹灯籠、皿屋敷、累
第四章 禁忌
死体を喰う話、田中河内介の最期、牛の首、将門の首塚、運ばされた箱
第五章 真相
雪女、ドッペルゲンガー、海での写真、廃病院のカルテ
第六章 異界
タクシー怪談、ターボ婆ちゃん、ホオノキの祟り、小坪トンネル、きさらぎ駅
第七章 実話
生き人形、隙間の女、山の牧場、迎賓館、裏拍手、くるりんぱ
第八章 伝染
便所の怪、テケテケ、海亀のスープ、MOMOチャレンジ、バックルーム
『教養としての最恐怪談 古事記からTikTokまで』
吉田悠軌・著/四六版244ページ/本体価格1600円+税/2024年7月18日発売予定/発行:ワン・パブリッシング
https://www.amazon.co.jp/dp/465120452X/
https://books.rakuten.co.jp/rb/17830430/
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784651204529
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refBook=978-4-651-20452-9
本書の発売を記念して、古今の怪談文化について、気鋭の怪談作家が語り合うトークイベントを開催! 歴史や文学、都市伝説、そしてSNSまでを覆う怪談の魅力と恐怖とは?
https://eventregist.com/e/6oB3AVhN1xTS
出演者:吉田悠軌/蛙坂須美
【日時】
2024年7月27日(土)18時30分~20時30分
※開場時間:18時00分
※本イベントは「ムー」編集部の取材が入ります。
イベント時間中、出演者をメインとした動画撮影を予定しております。
予めご了承いただけますようお願いいたします。
※トークは20時頃終了予定、その後サイン会を開催します。
【会場】
西武池袋本店 別館8階=池袋コミュニティ・カレッジ
※三省堂書店池袋本店 別館地下1階Aゾーン横エレベーターから直通
【参加チケット代】1,100円(税込)
チケット販売開始:2024年7月2日(火)17:00開始
チケット販売終了:2024年7月27日(土)17:00終了
※先着順で受付をし、定員に達し場合は受付を終了いたします。
※チケットの番号順に会場内にご案内いたします。
ご案内後、会場内ではお好きな席にお座りいただけます。
※お時間になりましたら会場入口までお越し下さいませ。
各回入場開始後は、お越しいただいた順にご案内いたします。
※チケットの販売はイベントレジスト経由のみとなっております。
【来場者特典】
トーク終了後、吉田悠軌さんのサイン会を実施します。
7月18日頃発売予定の新刊「教養としての最恐怪談」(ワン・パブリッシング ¥1,760)ご持参の方を対象に、『吉田悠軌さんに関連するものならなんでも』サインを入れていただきます。
※三省堂書店池袋本店以外でご購入の「教養としての最恐怪談」も対象です。
書籍以外へのサインの場合、ご希望のものにサインが書ける筆記具をご用意ください。
ただし、会場や他のお客様への配慮のため、持ち込みやサイン入れをお断りすることがございます。
ご了承ください。
【問合せ先】三省堂書店池袋本店 03-6864-8900(10:00~22:00)
そして、大阪・梅田ラテラルでも発売記念イベントを実施! なんと7月22日の月曜、平日の午前。怪談のために生きる人は、来てほしい。
『教養としての最恐怪談』発売記念 吉田悠軌の実話怪談講座・朝から始まる0時限目
7/22 9:30開場、10時開始
出演:吉田悠軌、田辺青蛙、はやせやすひろ
吉田 悠軌(よしだ ゆうき)
作家。怪談・都市伝説研究家。1980年東京都八王子市出身。
早稲田大学卒業後、ライター・ 編集活動。怪談サークル「とうもろこしの会」の会長をつとめ、 オカルトや怪談の研究をライフワークとする。実話怪談の語り手としてイベントやメディアに出演するほか、テレビ番組「クレイジージャーニー」では禁足地や信仰文化を案内している。
「ムー」にて実話怪談、都市伝説の考察記事をレギュラー執筆する。
筆者からのコメント
Q:どんな基準、視点で怪談を選びましたか?
まずはとにかく、自分がこれまで聞いてきた怪談の中で特に「怖い」話をチョイスしました。
その怖さを多くの人に紹介したいのと同時に、なぜその怪談が怖いのかを考えてみることで、怪談の持つ奥深さもまた伝えられるのではないかという狙いです。
また本書の裏テーマとしては、怪談の歴史をざっと眺められる入門書という側面もあります。
なので古代、中世、江戸時代、近代から現代へと繋がっていく怪談史の関係性がわかるような話、
またその後の怪談に影響を与えたような歴史的意義がある話などを選んでみました。
Q:この中で「これは絶対知っておいてほしい!」怪談は?
まずはやはり『古事記』に書かれた「黄泉国のイザナミ」の物語です。
広い意味で捉えるなら、その後の日本怪談に登場するテーマやモチーフが、この短いストーリーの中に詰まっています。
Q:この中で「筆者個人的にいちばん恐い!怪談」は?
そう聞かれたら、やはり自分の「くるりんぱ」を選ばざるをえません。
いちおう私の怪談レパートリーの中でも最も人気があり、自分自身としてもかなり思い入れがある怪談です。
また、私が以前から調べている「北海道は現代怪談誕生のホットスポットなのではないか?」というテーマと、実はリンクする怪談ではないかという可能性も生じています。
怪談活動にはしばしばこうした奇妙な偶然が起こるのですが。
自分の意思で怪談を集めたり調べたりしているつもりでいて、実は怪談の方に動かされているだけなのではないか……。そんなワクワクするような恐怖を感じてしまいます。
Q:怪談の紹介、解説でこだわった部分は?
怪談初心者の人でも、怖さや面白さが伝わるように工夫したつもりです。
前提となる知識がなくてもわかるようにしたり、抽象的ではなくなるべく具体的なポイントを述べるようにしました。
Q:どんな読者に手に取ってほしいですか?
怪談マニアでも怪談をよく知らない人でも、若い人でも大人でも楽しめるように、
それぞれが満足できるような多層構造にしたつもりではあります。
ただ特に挙げるなら、漫画やアニメ、映画や小説や演劇など、他のジャンルの文化に親しんでいる人、しかし怪談についてはこれまで興味がなかった人、極端な言い方をすると、それらに比べれば怪談なんて低レベルなものだよねという「怪談をバカにしているような人」にこそ是非とも読んでもらいたいです。
「怪談って意外と素晴らしいものじゃん」という新しい驚きが得られると思います。
webムー編集部
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