空から魚やカエルが降ってくる! ファフロツキーズ現象の謎/ムーペディア
毎回、「ムー」的な視点から、世界中にあふれる不可思議な事象や謎めいた事件を振り返っていくムーペディア。 今回は、魚やカエルから、金属や石、巨大な氷塊まで、ありえないものが空から降ってくる超常現象につい
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「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2024年7月号、第483回目の内容です。
世界的に大ヒッした映画『スターウォーズ』の熱烈ファンを自負する人なら、主人公ルーク・スカイウォーカーの故郷惑星が、銀河系の辺境に位置する赤と白の2重星(連星)の太陽を公転するタトゥイーンという砂漠惑星だったのは、もちろんご記憶のはず。
従来の天文学ではそのような2重星を公転する惑星は、実際には軌道が不安定すぎるため、そこで生命が誕生して進化する可能性はきわめて低いとされてきた。
だが、このほど発表された米天文学者グループによる4000通りに及ぶコンピューターシミュレーションの最終結果では、連星太陽系の惑星8個につき1個は、不安定になって星系からはじき出されたものの、残り7個は安定軌道に落ち着き、さらにその10個につき1個は、生命進化が潜在的に可能なゾーン内に軌道をとった。
研究チームがシミュレーションした惑星4000個のうち、ざっと500個前後が、存在時間中の少なくとも80パーセントは〝ハビタブルゾーン〟(生命存在可能領域——すなわち岩石惑星の表面に液体の水が存在可能で、暑すぎず寒すぎない適度な温度環境下にある公転軌道領域)に存在した。
つまりタトゥイーンのような連星系の惑星のほうがむしろ生命を育むのには適しており、われわれの太陽系外に生命存在が可能な惑星を捜す探索対象として、連星はきわめて有望な天体であることが裏づけられたという。
2023年1月24日付「サイエンスニュース・オリジナル」によれば、ペンシルヴェニア州立大の天体物理学者ジェイソン・ライトは、このシミュレーションに関して次のようにコメントする。
「従来、この種の惑星に対する調査研究はあまり進められてはこなかった。だが、進めてはいけない理由なんてどこにもない。このような研究こそはおそらく挑戦する価値が立派にあると、いずれ証明される時がくるだろう!」
マレーシアの首都クアラルンプールで、生まれてまだ2週間たらずの犬の赤ちゃんが何者かに盗まれ、行方知れずになった。
飼い主のビンティ・ハッサンさん(仮名)は、心を痛めて警察に届け出たが、幸いにも盗まれた赤ちゃん犬は、その3日後、ハッサンの元に無事戻ってきた。
赤ちゃん犬を盗んだ犯人は人間ではなく、近所の家で飼われていた雌猿で、盗んだ赤ちゃん犬を抱きしめたまま樹上に攀じ登ったきり、降りてこようとしなかった。
だが3日も過ぎると、空腹に耐えきれなくなったのか、とうとう降参して地上に降り立つと、抱えていた仔犬を素直に引き渡した。赤ちゃん犬はぐったりとしていたが、どこにも怪我はなかった。
まったくの偶然ながら、この赤ちゃん犬のほうもまた〝サル〟という名前だった。
イギリス・ワイト島出身のパラグライダーパイロット、アーロン・ホール君(23歳)は、トルコのオルデニズ沖合いで、900メートルの高さからパラシュート降下中、運悪く紐が絡む事故が発生して、海中に転落してしまった。
2022年6月9日付「メトロ」紙によれば、幸いすぐさま救命ボートが駆けつけて命は助かったものの、ホールにとってはこれがパラグライダー初体験で、せっかく自信と度胸をつけるための初飛行だったのに、すべてが裏目に出てしまい、自信を完全喪失した。
超自然現象マニアなら飛び上がって喜びそうな不可思議な〝魚の雨〟が、今回はアメリカのテキサス州とアーカンソー州に跨る都市テキサーカナに降り注いだ。
2021年の暮れも押し詰まった12月29日の昼下がり、市内の広い範囲にわたって、体長18センチ前後の小魚が、数分間にわたってバラバラと降り注いだのだ!
サマーヒル通りでタイヤ卸売り店を経営するティム・ブリガム氏は、地元の「テキサーカナ」紙の記者に驚きの表情で語った。
「竜巻は見当たらないのに、急に霰か雹みたいなのが降りだした。そしたらなぜか、小ぶりな魚も一緒にどんどん降ってきたんだ!」
小魚の正体はシャッド(大西洋やアメリカの河川に棲むニシン科の魚。ニシンダマシとも)とすぐに判明したが、どの個体も頭部が激しく割れていて、相当な高所から落下してコンクリートの路上に激突したことを物語っていた。
ほぼ同時刻、ブリガム店のご近所のカーディーラー、ジェームズ・オーディルシュ氏と同僚のブラッド・プラット氏も、激しい魚の雨を浴びた。こちらの魚はみんなまだ若いホワイトバス(北米東岸やカナダのセントローレンス川流域に棲息)ばかりだった。
「雷鳴が聞こえたんで、戸締まりをしようと外を見たら、とたんに猛雨が降りだして、地面がみるみる魚の死骸で埋め尽くされた!」
そこから2キロ半離れたタイガースタジアムでは、豪雨から逃げようと物陰に逃げ込むテキサス高校サッカーチームの選手たちが、雨に混じってあたり一面に降ってくる小魚にびっくり仰天した。
一方、はるかに離れた市街地のアーカンソー側では、住民のメリッサ・カリー夫人が、庭一面の小魚を発見して唖然とした。
「でも、金魚みたいなちっちゃな魚ばかりだわ。どうせなら、もっとおいしそうな食用魚に降ってもらいたかったわね!」
だが他方では、国立気象局(ルイジアナ州)のゲーリー・シャトリアン博士など保守的な学者たちが、例によって〝小魚は最寄りの湖中から竜巻が掬い上げて降らした〟式の説明を持ち出した。
それでもなお、世界中どこでもこのだれも目撃していない〝見えない竜巻〟がなぜか掬い上げるのは決まって〝1種類の魚〟だけで、決してほかの種類の魚や生き物や川藻や塵屑などまで一緒くたに拾い上げることはなく、またそんな〝器用な〟竜巻を目撃した人間もひとりもいないのだ。
ポーランドのバルト海側にはヘル(地獄)という名の町があり、そこに通うバス路線の番号は、なんと666(悪魔)となっている。
南山宏
作家、翻訳家。怪奇現象研究家。「ムー」にて連載「ちょっと不思議な話」「南山宏の綺想科学論」を連載。
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