古代飛騨王朝が築かれた日玉国の大宮 岐阜県「位山」ピラミッド

文=中村友紀

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    列島各地に存在するピラミッドと超古代文明の謎を徹底ガイド!

    「日の神の皇太子の居る大宮」

     岐阜県高山市にある位山くらいやまは、飛騨一宮水無神社の御神体であり、日本二百名山のひとつにも数えられている。

     ところが『竹内文書』によると、位山はピラミッドであるだけでなく、神話世界においてもきわめて重要な聖地なのだ。
     天孫降臨神話をご存じだろう。
     天孫・邇邇藝命ににぎのみことが、葦原中津国あしはらのなかつくにを治めるために高天原から地上へ降り立つという、あの物語だ。ところが『竹内文書』によれば、この天孫降臨は複数回行われていたとされる。しかも降臨の地について、こう記している。

    「天越根日玉国狭依国越中国は、天国の柱国、天皇天神仙洞大宮の国、久久野山大宮舟山宮天神霊ませる」

    「天越根」は日本を指している。「日玉国」は「ヒダマ=ヒダ=飛騨」だ。「狭依国」は不明だが、「越中国」は現在の富山県だから、狭依国もこのあたりにあるはずだ。つまり岐阜県や富山県周辺は天孫が降臨し、宮を築いた地だというのである。
     そして環境が整い、天界から神々が完全に降臨したとき、支配権は完全に地上、すなわちこの地方に移される。中心となったのは、位山だった。

    「位山に、日の神の皇太子の居る大宮を日玉国と云ふ」

     この大宮こそ、位山なのだ。日本最初の王朝(飛騨王朝)は、位山に築かれたのである。

    位山に建てられた、超古代王朝・太陽御神殿のモニュメント。

    祭壇石などの巨石遺構が物語る歴史

     その位山ピラミッドだが、注目はやはり祭壇石と呼ばれる巨大な平面の岩だ。位山中腹の刈安峠の近く、山頂を望む位置にあるのだが、どう見てもピラミッドの祭壇そのものなのだ。
     また、山頂へ至る登山道周辺にも、無数の巨石が配置されている。おそらく当時は、この山全体が巨大なエネルギー施設として機能していたのだろう。

    位山の山中に残された、超古代の祭壇と思しき巨石。

     頂上から北へ500メートルほど下ったところには、ふたつの巨石で構成される「天の岩戸」もある。入り口付近には高さ4.5メートルもの巨岩が倒れているが、これは太陽石の役割をはたしていたに違いない。

     付け加えるならば、位山の近くには日輪にちりん神社というきわめて珍しい神社もある。祭神は天照皇大御神で、まさに太陽神を祀る太陽の神社だ。
     祀られた山も、かなり鋭角的で見事なピラミッド形をしており、裏山には太陽石も確認されている。

    位山の近くにある、太陽神を祀った日輪神社。
    天孫降臨の舞台となったとされる位山。

    (月刊ムー 2024年5月号)

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