UFOの町・羽咋を舞台にワレワレを見つめ直すーー映画『地球星人は空想する』の問いかけ

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    「我々は、地球人である前に宇宙人だ。」

    製作費は100万円! 羽咋市を舞台にした映画が公開

     日々不本意なネタばかりを担当させられる雑誌記者・宇藤は、上司のゴリ押しで「UFOによる大学生アブダクション」というこれまた不本意なネタを取材させられることに。事件現場だという石川県羽咋市(はくいし)で取材を進めると、そこには江戸時代から伝わるUFO飛来やエイリアン信仰集団の伝説など、奇妙な影が見え隠れする。そして、取材中に出会った少女、乃愛(のあ)にまつわるある秘密が、宇藤の運命をさらに謎めいた方向へと導いていく……。

     ご存じUFOの街・羽咋を舞台にしたミステリアスな映画が5月11日より公開となる。エイリアンアブダクション事件と、主人公のひとりである乃愛が抱える秘密をめぐってめまぐるしく展開するストーリーには、探偵モノ、推理サスペンスのような興奮がたっぷり。
     しかし同時に、作品を観進めるほどに「“事実”ってなんだろう」「自分は本当に地球人なんだろうか……」といった哲学的な問いを噛み締めてしまう独特な世界観をもった映画。ストーリーの核心部には言及できないが、「我々は、地球人である前に宇宙人だ。」というキャッチコピーを胸に刻みつつ劇場に向かおう、とだけお伝えしておきたい。

     ところで本作は、製作費100万円、監督含めメインスタッフたった3名で撮影されたのだとか。そんな環境でこれだけのものができてしまうことがミステリーでは? と思えるような深みある作品である。

    コスモアイル羽咋でおなじみの「サンダーくん」も登場。

    『地球星人は空想する』
    監督・脚本・編集:松本佳樹
    出演:田中佑吉、山田なつき、アライジン ほか
    2023/99分/シネマスコープ

    5月11日(土)より新宿K’s cinemaほか順次公開
    https://aliens-daydream.amebaownd.com/

    webムー編集部

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