コロナ禍に100年前へタイムスリップした男! 過去の世界線にウイルスを持ち込んだ可能性を告白
過去あるいは未来の別の時空を訪れた場合、時間軸を越えたウイルス感染は起こり得るのだろうか。世界を混乱に陥れたコロナ禍の2020年に100年以上前の時代にタイムスリップしてしまったホームレス男性の逸話が
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ありふれた日常生活の中で、束の間のタイムスリップは考えられている以上に頻繁に起きているのかもしれない。身近な場所でわずかな時間に起きた不思議なタイムスリップ体験が報告されている。
イギリス・マージーサイド州バーケンヘッド郊外の町、オクストン在住の42歳の女性、ヘレンは2009年8月、アパートを出て休日のひと時を楽しむために近所の馴染みのパブへと歩いて行った。
この時、ヘレンは2年間付き合ったボーイフレンドのマイクと別れたばかりで少し落ち込んでおり、パブのテラス席でラガービールのジョッキを傾けながら常連客と雑談を交わしつつ気を紛らわせていた。ドリンク2杯をゆっくりと楽しみ、常連客との会話もひと段落したところで、まだ明るいうちに帰ろうとヘレンは店を後にした。
ヘレンがパブの駐車場から歩いて出ようとしたところ、通りで減速中の車がクラクションを鳴らした。車を見ると、その車はかなり旧式のモデル(フォード・コルセア)であった。
コルセアはヘレンのすぐ横で停車し、スカーフをかぶってサングラスをかけた20代半ばの女性ドライバーがヘレンに向けて何かを叫んでいた。
立ち止まってドライバーを見ると、再び彼女は 「インガスター裁判所に案内してもらえませんか?」とよく通る声で口にした。ヘレンは女性ドライバーに対して(そこから遠くない)地方裁判所への道順を口頭で説明したのだが、彼女は「さしつかえなければ助手席に乗って案内してくれないか」と言う。
女性に何ら怪しいところはなかったため、ヘレンは快諾して車に乗り込むと車は再び走り出した。
助手席でフロントウィンドウ越しに通りを眺めたヘレンだが、奇妙な光景に驚かされた。行き来するすべての車が1960年代から1970年代くらいの車種であったのだ。自転車を漕いでいる警察官も見かけたが、彼は(現代のイギリスの警察が身につけている)目立つ黄色いジャケットや自転車用ヘルメットを着用していなかった。
ヘレンの道案内に従いながら車を運転していた女性は、「裁判所のマクドナルド夫人を訪問する用件がある」と説明した。ヘレンは子供の頃にマクドナルド夫人のことを知っていたが、不幸なことに1974年に彼女は自動車事故で亡くなっていたはずだ。
ヘレンの疑問もそのままに、車が裁判所に着くとそこに駐車されている車はやはり古めかしいビンテージカーばかりであった。駐車場に車を停めた女性がお礼を述べると、ヘレンは車を降りて歩いてアパートへと帰ることにした。
車を眺めながら駐車場を歩いていたところ、ヘレンは駐車している1台の車のフロントウィンドウに貼られた自動車税ステッカーに「67年12月」と書かれているのを認めた。1967年はヘレンが生まれた年である。この車はステッカーを何十年も貼りっぱなしにしているというのだろうか。
歩いてアパートに戻って来たヘレンが自室のドアを開けようとすると、どうやら鍵が合わないようで何度やってもドアを開けることができなかった。
試しにドアベルを押してみると、ドアが開いてメガネをかけた女性が出てきた。
驚くしかなかったヘレンであったが、女性のほうも当惑した顔を見せており、ヘレンをジロジロと見た次の瞬間、ドアを勢いよく閉めたのだった。
ヘレンはいったんアパートを出てゆっくり歩くと、どういうわけか自分が生まれた年、つまり1967年にタイムスリップしたことをゆっくりと理解しはじめたのだった。ポケットからスマホを取り出して母親に電話してみようとしたが、スマホは電波をまったく拾っていなかった。
通り過ぎる車のクラクションの音が聞こえ、ヘレンがスマホ画面から顔を上げると、あのコルセアを走らせる彼女が運転席からこちらを向いて手を振っているのが見えた。その助手席には別の女性がいた。
そして、コルセアが走り去って行った次の瞬間、通りを走る車が今のモデルになっていることに気づいた。2009年の世界に戻ってきたと確信したヘレンは、アパートに戻ると、今度は部屋のドアを開けることができたのだった。もちろん、メガネの女性の姿はどこにもなかった。ヘレンはそれまで超常現象にはまったく興味がなかったが、この不気味な体験には衝撃を受けるしかなかった。
翌日もパブに行くと、とある常連客から昨日、ヘレンが駐車場で姿を消した瞬間を見たと聞かされたのだった。
このように、日常生活における奇妙なタイムスリップ体験談がもう一つある。
2022年8月のある午後、イングランド・ウォラシー在住のロイという65歳の男性は、娘の家に歩いて向かう途中で「ゲップス(Gepps)」というホームセンターの前を通りかかった。
ロイはこれに困惑した。ずっと地元に住んでいる彼は、ゲップスをこの地区で見たことがなかったからだ。遠目に店を見ると、ユニフォーム姿の店員が見え、ロイの視線に気づいた彼は手招きして来店を促した。入ってみたい気にもなったが、午後3時に娘のもとへ行かなければならず断念して歩き続けた。
その後、ロイが娘にホームセンターのことを話すと彼女は困惑し、ゲップスは2008年頃に閉店したので、それは何かの見間違いだと説明した。
「またオープンしたんだよ」とロイは言い、時間があったので娘を連れ出してゲップスのある場所まで案内したのだった。
娘の説明は正しかった。そこにゲップスの店はなかったのだ。その代わりに美容院があり、 2つのアパートが建っていた。
それでもロイは確かにこの場所に店があったのだと食い下がった。娘はこの父親が何らかの神経疾患の兆候を示しているのではないかとさえ思ったが、犬を連れた女性がロイと娘のそばを通りかかり話に割って入ってきた。
この女性は2人に「すみません、あなたが見たものを私も見ました。神に誓って見たのです。店は全部白く塗られていて、看板の上には青い時計がありました」と語り、続けて女性は胸の前で十字を切ってこう付け加えた。
「そして振り返ってみると、もう消えていました」
思わぬ援軍にロイは目を輝かせて「そう! 私もその看板の上にその時計を見ました」と返した。そして彼は娘に向かって「2人とも幻覚を見たというのかい?」と言ったのだ。
この場所で2人とも束の間のタイプスリップを体験していたのだろうか。本件については、いわゆる「マンデラ効果」と深い関係性を見出すこともできそうだが……。いずれにしても、同地で他にも目撃証言が出てくるのか気になる話である。
【参考】
https://anomalien.com/beyond-the-time-barrier-timeslip-in-oxton-england/
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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