南アフリカのシャーマンが宇宙人に見せられた「終焉」とは? 世界が赤い泥に飲まれる戦慄のヴィジョンを語る/遠野そら
南アフリカの精神的指導者が宇宙人との遭遇体験を語る。彼らが見た恐怖の光景は未来の地球なのか?
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宇宙人と遭遇した体験を持つ人々は、その時に意外なニオイがしたと語るケースが多い。いったいどんな香りがするのか、科学的な分析結果は!?
『霊臭』という言葉がある。霊が近くに居るときや、霊などから攻撃を受けている場合などに感じるニオイだという。
それは、例えば独特な金属臭、生臭い匂い、焦げ臭い二オィなどで、霊が現れる前に線香の匂いがしたなどと怪談で聞いたことがある人も多いだろう。霊体が生成するニオイなのか、それとも人間が感じる「幻臭」の類いなのかはわからないが、興味をそそられる話である。
ならば、地球外からやって来たとされる宇宙人と接触した人々は、宇宙人について一体どんなニオイがしたと語っているのだろう? 調べてみると、意外な事実が判明した。基本的に宇宙人は「臭い」ことが多いのだ。
例えば、1996年にブラジルで起きたヴァルジーニャ事件で目撃された宇宙人は「スカンクの匂いを10万倍にしたような」と語られている。また、3メートルの宇宙人ことフラットウッズ・モンスターも異臭を放っていたのは有名な話だ。ニューメキシコのダルシー地下秘密基地でグレイと戦闘したフィル・シュナイダーも、生ゴミのような臭いを嗅いだという。他にも宇宙人との遭遇事例を見ていくと、アンモニア臭、アセトン、硫黄、腐敗臭……と刺激臭が多いことがわかる。一方、少ないながらもシナモンやレモンといった芳しい報告も存在する。
ならば、本当に宇宙人が存在したとして、彼らと対面した場合、そのニオイはどのようなものだろう?
この疑問の答えになるかもしれない論文が、マサチューセッツ工科大学(MIT) でアストロバイオロジーを研究する科学者達によって2019年に発表されている。『Phosphine as a Biosignature Gas in Exoplanet Atmospheres(系外惑星大気中の生命存在指標としてのホスフィン) 』と題されたこの論文では、やはり異星人が”臭い” 可能性が示唆されているのだ。
この論文によると、タイトルにある”ホスフィン”というガスが宇宙人の存在と密接な関係があるとされている。このガスが地球から遠くの太陽系外の惑星に生息する生命体を探す際の手掛かりになるというのだ。このホスフィンは呼吸に酸素を必要とする地球上の生物にとって極めて有毒で、しかも強烈に臭い。一部の生物の糞や腸内、沼地で発生する物質ということで、どんなニオイかは想像に容易いだろう。
惑星の大気にホスフィンが一定量含まれていると、特徴的な光のパターンが発生する。ホスフィンは増殖する際に酸素を必要としない嫌気性の生物 (例えば細菌や微生物) によってのみ生成される物質だ。つまり、宇宙望遠鏡などで惑星を観測し、ホスフィンの含まれた大気の光のパターンを見つけられれば、自ずとその星には生命の存在が認められるというのだ。
「酸素を好むあらゆるものにとって、ホスフィンは有毒です。しかし酸素を好まない生命にとっては、非常に有用なようです」と論文の筆頭著者クララ・ソウザ・シルバ氏は述べ、さらにこう続けている。「いつか、これら(系外惑星の) 大気のいずれかでホスフィンが検出されるかもしれません。そこは私たちにとって楽しめる環境ではありません。率直に言えば、私たちにとっては不快でしょう。一方、この惑星の住人も、おそらく私たちに嫌悪感を抱くはずで、これは、惑星間での外交の克服すべき問題なのです」
また、イギリスのジャーナリスト、エリック・スピッツナーゲル氏の8歳の息子は、NASAが打ち上げた火星探査機キュリオシティが火星表面で検出した大気の分析結果を見て、こんな疑問を口にした――「火星に宇宙人が存在するなら、オナラのような臭いがするはずだ」
聡明な彼は硫化ジメチル、メタンチオールといった”臭い” 有機分子が火星の大気に多く含まれていることに気がついたのだ。この見解に前述のクララ・ソウザ氏は「息子さんの推論は完全に正しいです」と応えている。
火星の大気内の硫化ジメチルやメタンが火星人の体内で生成されており、彼ら自身が臭っている、という訳ではないだろう。しかし、宇宙人が地球人のように酸素に依存していると考えるのは間違いだ。むしろ、この広い宇宙では、我々にとって有毒な気体を体内に取り入れて生きている生命体の方が多いのかもしれない。どうあれ火星に生命が存在するならば「オナラのような臭いを嗅いでいる可能性がかなり高い」とクララ・ソウザ氏は考えている。
「もし宇宙人を見つけたなら、ひどい臭いがする可能性が高いと私は信じています。科学界がその鼻先を追う価値はあるかもしれません」
宇宙人には会ってみたい。だが、あまりに臭いのならば、ちょっと遠慮したくもなる。残念なことに宇宙人にまつわるニオイについて、アカデミックな方面からの研究は、それを裏付ける予想となってしまった。だが考えようによっては、それは宇宙人がすでに地球を訪れているという説に反しないだろう。ヴァルジーニャ事件のエイリアンやフラットウッズ・モンスターが臭かったのであれば、話はむしろ現実味を帯びてくる、という捉えかたもできる。
しかし今回、いくつかの宇宙人遭遇事件を調べていて気になったのは、「友好的な振る舞いをする宇宙人だが臭かった」という記述があまり見つけられなかったことだ。
地球人にとって良い匂いがするのならば、それは良い宇宙人なのだろうか? 逆に臭い場合、それは人類にとって有害な存在なのか?
たしかに友好的であるならば自らのニオイにも気を使い、地球人が好む香水のひとつでも研究開発してから訪れるのかもしれない……などと考えをめぐらせていると、あることに気がついた。実は香水の原料として使われるインドールやスカトールといった香料は、希釈するとスミレやジャスミンに似た良い香りとなるが、高濃度の場合はいわゆる糞便の匂いがするという。つまり、メタンやホスフィンの臭いと一致するのである。
やはり、宇宙人は臭いのかもしれない。
【参考】
https://news.mit.edu/2019/phosphine-aliens-stink-1218
https://www.popularmechanics.com/space/deep-space/a29932234/what-would-aliens-smell-like/
https://blogs.scientificamerican.com/observations/when-we-finally-find-aliens-they-might-smell-terrible/
オオタケン
イーグルリバー事件のパンケーキを自作したこともあるユーフォロジスト。2005年に発足したUFOサークル「Spファイル友の会」が年一回発行している同人誌『UFO手帖』の寄稿者。
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