だれもが実践魔術師になれてしまう「モダンマジック」/ムー民のためのブックガイド
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Future Publishing 編
ヴィジュアル重視のフルカラー呪術史
これはまた、何とも喜ばしい魔術入門書が登場したものだ(本書では「呪術」と訳されているが、原文ではmagicやspellであり、まさに「魔術」あるいは「魔法」である。決して「呪い」の本ではない)。
標題には「呪術史」とあるが、本書には、単に呪術の「歴史」のみならず、その「理論」、そして具体的な12種類の呪術の「実践」に至るまで、必要にして十分、ときにマニアックな情報が、ふんだんに盛り込まれている。この手の本に「実践」が収録されているのは珍しく、これだけでも買いである。そして編者は、「呪術は超自然の神秘的な奥義だが、しっかりと学んで真剣に取り組めば、マスターして実践することができる」と断言しているのだ。実に嬉しい話ではないか。
本書の最大の特徴は、ともかくヴィジュアル重視であること。フルカラーの美しい図版がこれでもかと掲載されていて、その迫力には圧倒される。文字を追わなくとも、この図版を眺めているだけで、呪術の深遠な世界に参入できよう。
一方で文字情報は、図版に押されて、限られたスペースにギチギチに詰め込まれているが、相当なテキスト量がある。この文字量が災いし、項目によっては、活字が小さすぎて正直、老眼には少々厳しいものがある。
注目したいのはその価格。これだけの図版が満載された立派な本が税別1900円。いったいどんな呪術が使われているのかと訝るほどである。
(月刊ムー 2024年2月号掲載)
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