禁断の呪物? 京都で鵺の手のミイラが発見された! オカルトコレクター田中俊行の呪物コレクション
YouTuber、オカルトコレクターとしても活動する田中俊行氏が、京都の骨董品店から譲り受けたという“鵺ぬえの手のミイラ”。はたして、このミイラは“縁起物”なのか、それとも……?
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京都府と近県につたわる妖怪話や伝承をマンガで紹介したコミックスが発売に。その制作裏話を監修者に聞いた。
京都新聞出版センターから大判コミックス『マンガ 京・妖怪絵巻』の第2巻が発売された。京都府や近県に出現したとされる妖怪の伝承をコミカライズした作品で、1巻につづき100話の妖怪譚が収録されている。
各話はすべて1ページで完結していて、オールカラー。主に小・中学生をターゲットに「京都新聞ジュニアタイムス」に連載されていた作品をまとめた本だが、「酒呑童子」などのメジャーどころから、「目が五つの女」「ババメ」「ホモラ」などマニアックな妖怪まで幅広くとりあげられていて、大人でも、コアな妖怪ファンでもじゅうぶんに楽しめる構成になっている。
京都周辺というおおまかなくくりはあるにしても、これだけの話をあつめてマンガにするとなるとかなりの労力。本書の監修者である應矢泰紀(おおややすのり)さんに、制作の裏話や読みどころを教えてもらった。
「マンガ 京・妖怪絵巻」は2020年4月から「京都新聞ジュニアタイムス」で連載されている作品で、現在までに210以上の妖怪譚がマンガ化されている。その全てのシナリオ制作・監修をおこなっているのが應矢さん。京都国際マンガミュージアム学芸室に勤めるアニメの研究者であり、根っからの妖怪好きでもある。
應矢さんは子供の頃に「まんが日本昔ばなし」に親しんだ世代。今の子供たちにもあのアニメのようなテイストで民話、昔話に触れる経験をしてもらいたいと思いながら構成をまとめているそうだ。出典も多岐にわたり、古典からインターネットまでさまざまな媒体から“ネタ”を収集しているが、ネットでチェックしたものは近年の創作でないことを確認するため、原典をつきとめて内容の確認を行なっている。
また監修にあたっては、出典のチェックだけでなくできるかぎり伝承の現場にいって取材をおこなうのもモットーで、現地の写真を撮影し、作画の漫画家さんにも見てもらって物語のイメージを共有している。こうしたルポルタージュ的手法をベースに、独自の考察を加えた「新説」や、オリジナリティある物語として発表しているのが『マンガ 京・妖怪絵巻』シリーズなのだ。
これまでに多数の“妖怪スポット”に足を運んでいる應矢さん、「ムー」としては何か怪現象に遭遇しなかったのか気になるところだが、じつは何度か不思議な体験をしたことがあるという。そのひとつが、1巻に収録された京都市下京区の若一神社(にゃくいちじんじゃ)でのできごとだ。
若一神社は平清盛の屋敷跡に建ち、太政大臣にまで栄達した清盛にあやかって出世のご利益でも知られる神社だが、「座敷童子がいる神社」としても有名。もし神社で座敷童子を見たり撮ったりすることができたら幸運が訪れる、と伝わっている。
應矢さんは若一神社の座敷童子譚を作品にするため、宮司さんとの打ち合わせに何度も神社を訪れたのだが、不思議なことに神社にいくときはなぜか決まって雨が降る。そして、取材の帰りに鳥居から出ようとすると、必ず傘を持つ腕をぎゅっとつかまれるような軽い痛みを感じたのだという。
訪問のたびにそんなことが起こり、不思議に思って神社でその話をすると、宮司さんはひとこと「それは座敷童子が引っ張ってるのかもしれないね」。その後本作の書籍化が決定するなどうれしいニュースが重なり、應矢さんは座敷わらしが幸福を呼んでくれたのかな……と思っているそうだ。さらに後日、スウェーデンの博物館の妖怪調査隊を若一神社に案内する機会があったのだが、この日もやはり雨だったとか。
さまざまな資料を調べるうちに、珍しいパターンの伝承にであうこともある。たとえば人間の心を読む妖怪「さとり」の話は全国各地にあるが、京丹後市に伝わる民話では、「さとり」がきれいな娘の姿で人間の前に出現したとされている。一般的に「さとり」は猿のような毛むくじゃらの妖怪と言い伝えられるものが多く、わっぱ姿はレア。
おそらく色々な伝承が組み合わさってこうした民話ができたものと考えられるそうだが、マンガ化する際には美少女版「さとり」がうまく表現できるよう、イマジネーションをふくらませたそうだ。
本書では、物語・伝承のある場所が地図にまとめられているのも特徴。この本を手に、京都の妖怪・伝説スポットを探訪するという楽しみ方もできるのだ。マンガを読んだ現地の人から「うちにこんな伝説があるなんて知らなかった」と言われたこともあるという。
應矢さんのおすすめスポットのひとつが、1巻収録の「かにが坂」。その昔、鈴鹿山のふもと(現在の滋賀県甲賀市)に住み着いていた人喰い巨大ガニがお坊さんの説法で退治されたという伝説があるのだが、ご当地ではこの伝説に由来した「かにが坂飴」というお菓子が名物になっている。妖怪の伝承地にはゆかりの名物がある場所も多いので、現地を訪れたら、ぜひ物語の風景を目で、ご当地グルメを舌で楽しんでほしい、とのこと。
ちょうど紅葉もきれいになっていくこの時期、妖怪マンガを読みながら伝説に思いを馳せつつ京都観光、という新しい(?)旅のスタイルを楽しむのはいかがだろうか。
『マンガ京・妖怪絵巻』1、2
制作・京都精華大学(京都国際マンガミュージアム)事業推進室、京都新聞出版センター刊
監修・應矢泰紀、マンガ・青柳恵太、こまだまこ、髙橋玲香、濵田咲乃、ホリグチイツ
税込1,870円
webムー編集部
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