怪異は4時44分に現れる! 四時ババアと四次元ババアは4階に出る?/学校の怪談
放課後の静まり返った校舎、薄暗い廊下、そしてだれもいないはずのトイレで子供たちの間にひっそりと語り継がれる恐怖の物語をご存じだろうか。 学校のどこかに潜んでいるかもしれない、7つの物語にぜひ耳を傾けて
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都市伝説研究家・宇佐和通が、インターネットの奥底で語られる噂話を掘り起こす。「HAARP」計画の変貌を踏まえ、気象兵器の脅威はアップデートされているようだ。 (2020年4月20日記事の再録)
HAARPプロジェクトの終焉は、少なくともネット上においては、今さらながら実にさまざまな憶測を生んでいる。前回の記事では、HAARPテクノロジーを通した脳の武器化計画というテーマを扱ったが、本来の目的だったはずの気象変更テクノロジーーーそれはわれわれ一般人が想像するよりもはるかに大きなスケールと精度でーー研究が脈々と続いてきたという流れも見逃せない。本稿では、そういう方向性の話を紹介していきたい。
2015年、ニュージャージー州にあるラトガーズ大学の気象学者アラン・ロボック教授が驚くべき事実を明らかにした。所属している学部まるごとの直接的な形の雇用を、CIAから打診されたというのだ。目的は、ごくおおざっぱに言うなら、他国の気象をコントロールする技術を研究するためである。すべてはCIAからのこんな質問で始まった。
「アメリカが意図的に他国上空の天候を変えることができるとしたら、その行動は察知されてしまうものだろうか?」
CIAがかなり昔から気象変更テクノロジーに強い興味を示していたことは、一部の人々にとっては周知の事実だったのかもしれない。ロボック教授も、アメリカ科学アカデミーによる地球工学関連報告書作成のための調査にCIAが多額の資金を供与したという事実を確認している。
『デイリーメール』紙の2015年2月16日号に、次のような文章がある。
“ロボック教授はCIAが報告書作成のための資金供与にきわめて積極的でありながら、その事実が明らかになることは何としても避けたがっているようだったと語っている。アメリカ科学アカデミーが作成する資料のためにCIAが資金の大部分を供出する事態は憂慮せざるを得ない”
https://www.dailymail.co.uk/news/article-2954933/Can-Russia-control-weather-Climate-researcher-says-CIA-fears-hostile-nations-triggering-floods-droughts.html
ごく普通の人間には想像もつかないことだが、気象/天候を武器化するという概念はそれほど新しいものではない。実際に用いられた例もいくつかある。
ロボック教授は、ベトナム戦争当時アメリカが5年間継続して行っていた作戦を指摘する。雲を生成する成分を空中散布して降雨量を増加させ、モンスーンの季節を意図的に長びかせたというのだ。また、同じテクノロジーをキューバに対しても使い、さとうきびの収穫量を減少させることに成功したという。
ラトガーズ大学に対するCIAのアプローチに関する話は、すぐにネットワークに乗ることになった。ミネソタ州ミネアポリスにあるCBS傘下のローカル局、WCCOテレビは、プライムタイムのニュース番組の目玉としてこの話題を報じた。アメリカ科学アカデミーによる報告書作成資金の出どころがCIAであること、テーマが気象変更テクノロジーであること、そして、1950年代にイギリス軍が行った実験が悲惨な結果をもたらした事実など、具体的な例が紹介されながら番組は進んだ。WCCOの気象キャスター、ローレン・ケイシーは次のようにコメントしている。
「第二次世界大戦の後、イギリスは国防政策の一環として気象変更テクノロジーの実践的な方法論を模索し続けていました。空軍は“オペレーション・キュムラス”という名称の特別プロジェクトを立ち上げ、イギリス南部のノース・デボンで実験を繰り返していたのです」
彼女はさらにこう続けた。
「実験を重ねていった結果、3か月分に相当する降水量を24時間で達成できるところまでパワーアップしました。9000万トンもの雨水が狭い峡谷を通り、リンマスという地方都市に流れ込んだ結果、死者が35名も出る惨事につながってしまったのです」
地球工学兵器の研究開発、そして使用は何十年間にもわたって続けられてきたのが事実なのだ。アメリカをはじめ、いくつかの国家が気象変更テクノロジーという真剣に向き合い、大規模な研究資金を投入しながらノウハウを蓄積してきた。
最も目立つ形の実例を挙げるなら、やはりHAARPプロジェクトだろう。資金提供の中核となり、プロジェクトを主導してきたアメリカ空軍は、地球工学的手法で気象を変えることは可能であるという事実を公の場で認めている。
ロボック教授はさらにこう言う。
「ひとつの国が自分たちの都合のいいように、天候を思い通りにしようとしたら、それはほかの国にとって大きな被害をもたらすものとなる可能性が高い。何らかの合意の枠組みをあらかじめ作っておかなければ、結果は目に見えている」
地球工学的手法による気象変更は運用可能なところまで進化していて、あとは国際政治的な枠組みを模索するだけの段階にきている。そう考えたほうが事実に近いし、現実的なのだ。
その文脈で、Global Researchというウェブサイトに2017年9月に発表された記事を紹介しておきたい。
この記事は、アメリカ空軍が1996年に作成した『Weather as a Force Multiplier: Owning the Weather in 2025』(戦力倍増手段としての気象:2025年度の気象掌握)という報告書について詳しく触れられたものだ。2019年12月に開催されたCOP25(気候変動枠組条約第25回締約国会議)においても大きな話題となったこの報告書には、次のような文章が記されている。
“気象変更が国内外における保障体制維持の一分野となった今、こうした行動がとある一国によって一方的に行われる可能性がある。攻撃・防御的用途、または抑止力として活用することもできるだろう。降雨や霧の発生、嵐を生み出す能力を軍事的技術の一部として使う可能性も容易に模索できる。環境変更技術は、50年以上前からアメリカ軍が利用できる状態にある”
近年世界中で連続して起きている異常気象は、こうした技術の結果である可能性が高いのかもしれない。ならば世界を基準にした気候に関する議論は、もはや温暖化などというレベルで済むわけがない。報告書作成に関する目的について記された一文には、想像するよりも生々しい文言が並んでいる。
“本報告書では、気象変換技術の正しい形の活用により、これまで想像できなかった度合いの軍事的優位性を保つことができる事実を示していく。近い将来、こうした技術が制空権および宇宙空間における優位性をもたらすことになるだろう。西暦2025年、われわれは気象そのものを掌握することになる”
グレタ・トゥーンベリさんが知ったら、怒りのあまり卒倒しそうな内容だ。文章はさらに続く。
“気象変更技術は、敵を打ち負かすか、あるいは制圧するかといったレベル別の戦術を選ぶ上できわめて有益である。具体的に挙げれば、洪水からハリケーン、飢饉、そして地震など、状況と目的に応じた事象を起こすことが可能となる”
オーダーメイドな形で、思い通りのダメージを敵に与えることができるのが、洗練された形の気象変更技術なのだ。
ロボック教授が警鐘を鳴らす2年前の2013年7月、CIAがアメリカ科学アカデミーの地球工学プロジェクトに資金を提供すると報じた。配信元はMSNニュース制作のとある番組だ。このプロジェクトの目的は、言うまでもなく気象変更技術だ。このときは、技術に関してだけではなく、アメリカの諜報部門の深い関与がほのめかされた。
“CIAはアメリカ科学アカデミーの地球工学的気象変更技術研究プロジェクトに対する資金供与を否定していない。理由は、国家安全保障に寄与する研究であるからだ”
この番組では、CIAの広報部門でスポークスマンを務めるクリストファー・ホワイト氏から送られたコメントも紹介された。
“気象変化といった話題に関し、当局は科学界と密接な関係を構築した上で共同作業にあたり、現象全体をよりよく理解し、国家安全保障に役立てていく方策を模索していく”
注目すべきは、CIAのスポークスマンが“Weather change=気象変化”という言葉を使っていることだ。CIAとアメリカ科学アカデミーも、それぞれの微妙な立ち位置をかばい合ってか、オフィシャルなコメントしか出さなかった。しかし、ジョンズ・ホプキンス大学の上級学位プログラム教授チャド・ブリッグス氏によれば、両者の目的は“地球工学的方法論によってテロリストや敵軍の行動を意図的に妨害する”ことであるという。国家安全保障関連のシンクタンクであるワシントンDCのグローバル・セキュリティ社でCEOを務めるジョン・パイク氏は次のように語る。
「地球工学関連分野の研究に乗り遅れてしまうと、国内外の政治的安定に悪影響が出るだろう。こうした状態はアメリカにとって大きな問題に発展する可能性がある」
アメリカ科学アカデミーの地球工学分野の研究部門はCIAに仕切られており、気象変更技術の研究開発が軍事目的で進められている。そして一連のプログラムには、完成したHAARPプロジェクトの技術がもちろん盛り込まれている。
CIAの資金提供と絶対的な支持を基盤にして進められたアメリカ科学アカデミーのプロジェクト。その歴史は想像よりもはるかに長いようだ。パイク氏は次のように言葉を続ける。
「現行の気象変更技術に関する実例の存在は、歴史を見ても明らかだ。人工雨なども挙げられるだろう。ただ現在の世界は、一国だけで技術開発や実験を進めていくわけにはいかない。国際条約の内容を精査し、倫理問題についても考えなければならない。もはや科学という限られた分野だけで取り扱うべき問題ではないのだ」
パイク氏が指摘する“歴史上の実例”を示唆するCIAの文書も存在する。CIAの文書記録庫に、『気象変換』という名前の書類がある。(https://www.cia.gov/readingroom/document/cia-rdp68r00530a000200110020-2)
この書類の中に、1965年に書かれた“シークレット扱い”のメモが含まれている。ここに記されているのは、気象変更プログラムに対するアメリカの各政府機関の年度別予算だ。それに、ハリケーン・ベッツィーという台風に関する大統領への報告メモも含まれている。CIAはこの時代から、各政府機関をひとつにまとめる役割を担いながら気象変更テクノロジーの歴史に深く関与してきたと考えるほうが普通だろう。
今も昔も、国際政治的な色合いの問題が微妙にからむ気象変更技術にはCIAの参加が不可欠だったということなのだろうか。
現時点で言えるのは、CIAがプロジェクト全体を主導する立場にあり、まったく新しい武器をすでに手にしていて、それをいつでも使える状態にあるという事実だ。どこをどうつつかれてもポリティカリー・コレクトネスが崩れることがないよう、細部まで整えていることは容易に想像できる。こう考えると、天候変換テクノロジーはもはや科学という枠組みの中だけで語られるべきものではなく、国際政治マターなのだ。
宇佐和通
翻訳家、作家、都市伝説研究家。海外情報に通じ、並木伸一郎氏のバディとしてロズウェルをはじめ現地取材にも参加している。
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