自己探求の結論は「カルマを抱えたまま生きろ」! 呂布カルマ「人生の旅」後編・浄化のリシケシ
呂布カルマがインドで自己を探求する「人生の旅」、後編はヨーガの聖地リシケシで「解脱」に向き合う。「カルマ」を名に持つラッパーは、人間の業を飲み込んだまま生きていくーー。悟らず、穢れをも受け入れる。生々
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3本の樹が一体となり、三神を体現するトリムルティ御神木で知られるインド古刹に参拝。そこには伝説の黒いヴィシュヌ像が迎えてくれた。
インドを訪れたムー旅取材班。今回のレポートはリシケシで最も古いヒンドゥー寺院のひとつ、「バーラト・マンディール」だ。
ここはヒンドゥー教の経典とされるインド叙事詩にも登場する寺院で、創造の神ブラフマー、維持の神ヴィシュヌ、破壊の神シヴァの三位一体を象徴するトリムルティの御神木があることで広く知られる聖地である。
リシケシの中心部からもったりとした息苦しい熱さに包まれつつ歩くこと一時間弱。その目で見たバーラト・マンディール寺院の御神木はまさに圧巻であった。
トリムルティの御神木は菩提樹、ガジュマル、ベールトゥリー(Bail Tree)の3種が絡み合って伸びている。「菩提樹=守護のビシュヌ神」「ガジュマル=創造のブラフマー神」「ベールトゥリー=破壊のシヴァ神」を意味することから、三大神が宿るトリムルティ(三位一体)を表すとして、篤い信仰を集めているのだという。
トリムルティの御神木について、隣接して植えた木々が互いに巻き付いて生長したのかと予想していたが、これは完全に別物、いや別種類である。菩提樹の木肌からベールトゥリーの若芽が生え、ガジュマルの木の枝には、他種の葉が所々開いている。木々は根本から複雑に絡み合い共生し、1本の大樹となって生長していた。
リシケシを聖地たらしめるバーラト・マンディール寺院の歴史は非常に古く、アショカ王の時代(紀元前273〜232年)には、ブッダもこの地を訪れているという。寺院は僧侶養成学校やその宿舎も兼ねていて、取材時も若き学僧が学び舎に集っていた。
さらに、寺院を建て替えした際に出土した古代遺物が展示された博物館も併設されており、実際、博物館で保管している像にはブッダ由来のものも含まれているそうだ。
聖地の宗教施設だけに、寺院内部は撮影禁止。だが、管理事務局に取材を申し込んで、特別に寺院内部を案内してくれることになった。普段は取材はおろか写真撮影さえできないエリアで、これは日本人初の取材だという。
靴を脱ぎ中へ入ると、多くの信者がヴィシュヌ像に向かい祈りを捧げていた。サリグラム(ヒマラヤ産アンモナイト)から掘り出された黒いヴィシュヌ像は寺院の最奥部から参拝者を迎えている。一年で最も吉兆な日のひとつとされる「アクシャ・トリティーヤー」の日にこのヴィシュヌ像に108回巡礼すると全ての願いが叶うという伝説もある。
床に五体を投げ出してひれ伏す者、祭壇脇のブランコを揺らして(神を遊ばせて)祈る者など、皆一心に神へと向き合っている。個人的に彼らの敬虔な祈りの横で取材を敢行するのは無礼な気もしたが、寺院事務局の方は慣れているようで、館内を説明しながら案内してくれた。
本来はヒンドゥー教徒しか入れないエリアもあったが、宗教の垣根を越えて我々を受け入れてくれる、彼らの信仰にまつわる全てが凝縮されているような場所であった。
リシケシではヒンドゥー教の聖地を巡ったムー旅取材班。聖地の一部しか回れていないが、次はヨーガの面からリシケシを取材するべく、ビートルズが滞在していたというアシュラム(道場)へ向かうことに。
遠野そら
UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。
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