ヴァイキングの守護神が豊かさをもたらす!/ヘイズ中村の「オーディンの開運魔術」第1回
かつて北欧の海を船で駆けめぐり、さまざまな富を得たヴァイキングたち。じつは、彼らは素朴で強力な魔術の使い手でもあり、その力の源泉となるのが北欧神話の最高神オーディンでした。日本を代表する魔術師にして魔
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9〜11世紀に、その優れた航海術と戦闘力を生かして北欧と西ヨーロッパの海を駆けめぐったヴァイキングたち。彼らは、平時においては文化的な交易民であり、農民や漁師として生活していたが、いざという場面では驚くべき力を発揮したことで知られる。じつは、その力の源のひとつが、簡便にして即効性のある魔術であった! 今回は、その強大な力を宝くじ当選や願望成就に生かす方法を伝授する!
目次
北欧由来の呪術や瞑想法については、ルーン文字を使用したものが1980年代から人気を集めているが、近年では、より強力かつ簡便で、即効性に優れたヴァイキング由来の魔術が注目を集めている。
こうした状況の裏には、ハリウッド映画に北欧神話が多く取り入れられたことや、キリスト教以外の西ヨーロッパ古代神秘主義を求める気風が生まれたことなどもあるだろうが、何よりも「即効性」と「簡便性」を多くの現代人が求めているというのが実際のところだろう。
ヴァイキングの魔術は、長時間の儀式や、時間をかけて作るハーブオイルなどを必要としない。その呪術体系は「血の魔術」と呼ばれる、人間やその他の生き物の生命エネルギーを生け贄として捧げるという原始的かつパワフルなものだ。
呪術のハウツーを述べる前に、まずはヴァイキングの信仰など基本的なことを説明しよう。
そもそもヴァイキングとは、厳密にはヴァイキング時代と呼ばれる約250年間(800〜1050年)に、スカンジナビアやバルト海沿岸地域で活動した武装集団を指す言葉である。彼らは、寒冷かつ狭小な国土では自国の民を維持しきれなかったため、優れた航海術と戦闘力を生かして、西ヨーロッパ沿海部を侵略・略奪したことで知られている。
そのため、現代では海賊のように略奪を働く戦士であると解釈されがちだが、これは後世のイメージの産物という側面が強く、実際には略奪を専業としていたわけではない。彼らは文化的な交易民であり、故国では農民や漁師として生活していた人たちであったとされる。
しかし、そのようなよき家庭人であるはずの人々が、ひとたび戦地に出れば、わが身を顧みず、恐れも痛みも忘れて戦いつづけることで知られていた。その戦いぶりは、北欧の伝説の戦士ベルセルクを彷彿とさせるものであったらしい。マンガやゲームなどでよく知られるようになったベルセルクは、もともとは軍神オーディンの神通力を受けた戦士で、危急の際には自分自身が熊や狼といった野獣になりきり、鬼神のごとく戦ったとされる。
そして、一介の農民を瞬時にしてそのような戦士に変身させたのは、このヴァイキングの魔術だったのではないかといわれている。それというのも、この魔術の基本は戦の勝利を願うことであり、戦闘の最中に即席で行われていたという伝承があるからだろう。
ヴァイキングたちが信仰していたのは一般に「北欧神話」の神々だとされているが、現存する史料は、後世に流入したキリスト教徒の手によるものが多く、細部の正確さは今ひとつだという説もある。
それでも、最高神オーディンを頂点とする多神教的世界観や、厳しい気候風土ゆえ教会などを建てず、小さな単位で信仰と崇拝が行われていたこと、来世や現世での繁栄や勝利を願って生け贄を捧げていたことなどは共通しており、信頼性がある。
そして、のちのキリスト教のように人間が神を一方的に崇拝するだけではなく、崇拝された神々はその信者を守るという双方向の関係が強調されている。そこにさまざまな呪術が形成される下地があったといえる。
たいていのヴァイキング魔術は、崇拝する神々――多くの場合は最高神オーディン――に捧げられた紋様に、倒した敵の血をたっぷりと注いで加護を大声で願うといった傾向が強かったようだ。これはあまりに原始的であり、現代の願望成就術にそのまま採用することはできないが、その荒々しさゆえに人間の本能に強く訴えかけてくることは否定できない。
前述したように、この魔術の基本は、最高神オーディンに戦いの勝利を願うものだ。とはいえ、たいていの多神教と同様、最高神以外にも多くの神々が存在し、特定の分野に関してはオーディンよりも強力な加護をもたらすと信じられていた。豊穣を約束し、戦闘力を高める雷神トール、運命の糸を編みあげる3姉妹の女神、ウルド、スクルド、ヴェルダンディなど……。
今回は、それぞれの神々に関連するシンボルを用いて特定の力を引きだすことで、現代におけるパワーの象徴、つまり「お金」の獲得を意図している。宝くじ当選やそれに限らず、願った分野で効果が得られるよう、なおかつ、現代人が実践可能な範囲であるよう、きわめてシンプルなハウツーにした。
◆選び方と魔術的儀式
まずは、あなたが何のために宝くじ当選を願うのか、そのお金を使って何をしたいのかを明確にしよう。そのうえで以下の記事を一読したのち、あなたの願望に合ったシンボルを選び、スマホの待ち受けにするなど、いつも見られるような状態にしておく。ここまでが準備だ。
準備が整ったら、選んだシンボルをスマホに表示し、「対応する呪文」を9回くり返して唱える。このとき、あなたの指でスマホの画面をごく軽くタップしながら唱えていただきたい。指でタップするのは、いわばあなた自身のエネルギーをシンボルに捧げる行為だ。これによってシンボルに力が宿る。あとは留意事項を守って生活しよう。
なお、宝くじを購入する際には、シンボルを画面に表示しておくことを忘れずに。
◆使用期限
使用期限はとくにない。願望成就後も、あなたに加護をもたらす「お守」として、継続的に使用できる。宝くじ当選以外にもさまざまな場面であなたに力を与えてくれるだろう。
◆処分法
シンボルの画像を削除するだけでよい。
▼シンボルの意味 ミョルニルは、雷神トールが持つハンマーである。彼がミョルニルを振るうと稲妻と雷鳴が轟くとされてきた。オーディンと大地の女神フィオルギンの息子トールは、北欧神話のなかで最も人気のある神である。彼のためにドワーフたちが鋳造したのが、この魔法のハンマーだ。 ▼効果 ミョルニルには無限の力や不屈の精神が宿るとされ、金銭的に困難な状況を打開するためには最強のシンボルだ。また、人気の高いトールにちなんでか、恋愛、結婚、出産、さらにはすべての物事について保護の力もあるとされている。 ▼対応する呪文 「おお、最も愛されし神、雷神トールよ、御身が持つミョルニルの力にて雷は鳴り響き、稲妻は大地をうがつなり。 われにその果てしなき強さを与えたまえ。不幸のもとでわれが怯まないように守りたまえ。 庶民の守護者トール、額に汗して生きる者の守護者よ。名もなき者として生きるわれに目をかけ、その手を差し伸べたまえ。 最も愛されし神、雷神トールよ、御身が持つミョルニルの力にて雷は鳴り響き、稲妻は大地をうがつなり」 ▼留意点 雷神トールは庶民の味方だが、元来は誇り高き戦神である。なので、この護符を使っている間は、次のことに留意しよう。 ・弱い者を積極的に助ける。 ・強い者にへつらわない。 ・嘘をついたり、人を騙したりして得をしようと考えない。 なお、あなた自身がトールの影響を受けて、少し怒りっぽくなる可能性があることにも用心して行動してほしい。
▼シンボルの意味 コンパスは道具であり神ではないが、海洋民族だったヴァイキングにとって、海路を示す道具がどれほど重要だったかは想像に難くない。次項のロングシップ同様、神々と同様の崇拝を集めてきたシンボルである。 本来の名称は「Vegvisir」、すなわち「道を示すもの」である。いつから使われてきたのか定かではないが、 ヴァイキング時代以降に、より一般的になった。 ▼効果 まずは文字どおり、国内外への旅を成功させるという意味が強い。その旅行が楽しいものになるかどうかというよりは、旅に出ることそのものを後押しし、無事に帰還することに効力を発揮しやすい。 また近年では、物理的な旅の援助だけではなく、精神的な航海を続けること、そして人生の浮き沈みや曲がり角を乗り越えるための道を見つけることへの効力も強く謳われている。 ▼対応する呪文 コンパスは神ではないので、最高神オーディンへの祈りを捧げることになる。 「最愛にして全能の神オーディンよ。われは今、人生の大海原に帆を進めるものなり。 われが海のどこにいても、御身の助けが得られますように。 船を進める間、決して行き先を見失いませんように。 全能の神オーディンよ、われを助けたまえ」 ▼留意点 あわよくば旅先でロマンスを……などとまで願わないほうがよい。このシンボルが誕生したころの厳しい船旅を思い起こし、欲ばらないことが肝心である。 精神的な航路を求める場合も、同様に的を絞るべきだ。
▼シンボルの意味 ロングシップは船であり神ではないが、「ヴァイキングの魂」と呼ばれる存在であり、彼らにとっては神と等しく神聖かつ重要である。とくに冥界の女神ヘルとの関連が有名だ。 ▼効果 よい船は、どこであろうと行きたいところへ運んでくれる。その意味では、一般的な願望ならたいていはかなうはずだ。とくにヴァイキングにとっては船=家なので、家に関する事柄や、家族のために使いたいお金などを獲得するには卓効がある。 ▼対応する呪文 「大いなる女神ヘルよ、常に変わることなき女神よ。 生と死を司る女王よ、御身の冷たい手をもて、わが身を委ねるこの船を導きたまえ。 病も死も司る女王よ、御身が導くこの船にて、わが家族が健やかに、そして豊かに暮らせる場所への航海ができますように。 生と死を司る女王よ、御身の冷たい手をもて、わが身を委ねるこの船を導きたまえ」 ▼留意点 女神ヘルは冥界の女王だ。死はだれにでも訪れるため、文献には平等、穏やかといった賛辞が綴られているが、優しい女神ではないので誤解なきように。 加護を得るには、次の点に留意してほしい。 ・自分の家族を偽らない(後ろめたい行動をしない)。 ・離れて暮らす家族が心配ならば、実際に連絡を入れるなどの行動をすることが望ましい。 ・家族のために得たものは、ひとり占めしないこと。 また、女神ヘルは、当然ながら疾病の女王ともされている。この呪術を行っている間は、体調管理に気を配ろう。
▼シンボルの意味 「ウィルド(運命)の網」と呼ばれるこのシンボルは、ウルド、スクルド、ヴェルダンディという3姉妹の女神が編みあげる紋様だ。 3姉妹は世界樹ユグドラシルの根もとにある「ウィルドの井戸」に座り、一本一本の糸を人間の命に見立てた大きなタペストリー(網)を織りあげる。 ▼効果 神々でさえも運命には逆らえない。そんな神話体系の中での運命の網なのだから、自分の運命を大きく変えたり、よりよい方向へと舵を切り直したりするのに最適なシンボルだ。 ヴァイキング時代に使われていたのは、これとは少し違う形だったかもしれないという説もある。だが、ヴァイキングにとって特別な「9」本の線で構成されているこのシンボルには、すべてのルーン文字が含まれてもいる。運命を変える力にあふれていると考えてよいだろう。 ▼対応する呪文 「過去・現在・未来をその手で編みだす女神たちよ。御身は力強く、荘厳に、輝きを放つなり。 夕暮れに燦然と輝き、夜明けには一日を明るく照らし、夜には暗闇をもたらす。 御身の不思議とその力は、神々にも、われら人間にも知られるなり。 ユグドラシルのもとに座す、聖なる3姉妹よ、われ、御身に呼びかけるなり」 ▼留意点 運命の女神に加護を願うのだから、過去から現在までの自分が不幸だったとしても、それについて不平を述べれば、彼女たちを侮辱することになる。これから改善されていくことに意識を集中して、感謝を捧げよう。
▼シンボルの意味 北欧神話では、トロールは洞窟や山に住む生き物である。 トロールの特徴はさまざまで、人を食べる巨人もいれば、人間を助ける慈悲深い守護神的な生き物と考えられることもある。その変幻自在さは、北欧神話のトリックスター、ロキ神を想起させるかもしれない。 ▼効果 一般にヴァイキングたちは、トロールを怖いけれども幸運をもたらしてくれる生き物と見なしていた。また、冒険を求めて地上を歩き回る神秘的な生き物だとも考えられていた。 そこから、自分が人生という大冒険に乗りだすときに、さまざまな武器となるものを手に入れやすくなる、すなわち自分の能力開発についてよい効果が出るという可能性が高いだろう。 ▼対応する呪文 「親愛なるトロールよ、ともに歌おう。ともに歌おう、大きな声で。何もかも忘れて。 失ったもの、隠してきたもの、何もかも忘れて、ただ歌おう。 みんなで歌えば、自分ひとりよりも大きな声になる。 みんなで見れば、大きな目になる。みんなで聞けば、小さな声も聞こえてくる。 親愛なるトロールよ、ともに歌おう」 ▼留意点 トロールは、親切ではあっても、日本の鬼のような生き物なので、人間の感情の細かいところまでは理解できない。だから、この呪術を行っている間は、喜怒哀楽をはっきりと表現し、無理な依頼などには「ノー」という態度を貫こう。あなたがウジウジしていては、トロールも、何を助ければよいのかわからなくなってしまうだろう。
ヘイズ中村
魔女・魔術師・占い師・翻訳家。中学生頃から本格的に西洋密儀思想の研究を開始。その後、複数の欧米魔術団体に参入し、学習と修行の道に入る。現在はタロットを使った魔術的技法に関する本を執筆しながら、講座などでの身近な人との触れあいを大切に活動中。
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