「超能力者を募集するなら連絡先など不要」説を実践した話など/南山宏のちょっと不思議な話
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美容師のアビゲイルが12年前に失くした指輪を見つけたのは──ハ、ハ、ハ、ハックション! と大きなくしゃみをした瞬間だった。
2019年1月29日付「デイリーエクスプレス」紙によれば、イギリスは西ヨークシャー州キーフリー在住のアビゲイル・トンプソン嬢(20歳)は、2007年に8歳の誕生日を迎えたあとしばらくして、その指輪を紛失した。
彼女は自分がいつ、大事な指輪を自分の鼻の穴深く突っ込んだのか、まったく記憶になかった。
「ママもパパも私も、てっきりだれかに盗まれたと思ってたわ」
ダーウィン以来の生物進化論によれば、自然選択(淘汰)は通常何世代もかかる。だが、ときにはごくまれに異常に急速な〝インスタント進化〟も起こるようだ。
「ネイチャー」2018年7月25日号によると、大西洋カリブ海の西インド諸島に棲息する学名アノリス・スクリプトス(通称アノールトカゲ)という小型種のトカゲが、たてつづけに襲った3つの巨大ハリケーンの直後に超速進化を遂げた事実が発見され、たまたま現地でハリケーン以前から動植物の生態学的調査を行っていた米ハーバード大とワシントン大の生物学者たちを驚愕させた。
2017年の真夏、同諸島のパインケイ島とウォーターケイ島のアノールトカゲを調べていたコリン・ドニヒュー博士らの研究チームは、大西洋のハリケーン史上最強クラスとされる8月のハリケーン・ハーヴェイ、9月のハリケーン・イルマとハリケーン・マリアが連続襲来した直後、予想以上に個体数が激減した動植物の被害状況を調査するうちに、ある不思議な事実が浮かび上がってきた。
ハリケーンのせいで個体数が激減して見つけにくくはなったものの、サイズがほぼ同じアノールトカゲをなんとか47匹捕獲し、ハリケーン以前に捕えて計測後自然界に戻した100匹分のデータと比較検証したところ、以前と以後ではその身体的特徴に微妙な差異が生じていることが判明したのだ。
ドニヒューによれば、とくに顕著な違いを示したのは、アノールトカゲの両前肢の5本指という。
「アノールトカゲたちはハリケーンの強風が吹きつのる間、樹木の幹の風下側に必死にしがみついてしぶとく生き残ったようだ」
ドニヒューはさらに指摘した。
「その証拠に生き残った個体はいずれもが、前肢の拡げた5本指の足裏を計測したところ、サイズの平均値がハリケーン以前よりひと回り近く大きくなっていた!」
対照的に後肢の5本指の足裏には、予想されたほどの変化は見られなかった。前肢と後肢のこの違いが科学的に何を意味するのか、それは今後の重要な研究課題として懸案になっているそうだ。
「月にはまぎれもなくはっきりとした匂いがある!」
人類初の月面着陸に成功したアメリカのアポロ11号の宇宙飛行士たちは、1969年7月20日、着陸船の中で宇宙帽を脱いだ瞬間、真っ先にそう感じたと主張した。
クルー3人のひとり、ニール・アームストロングの証言では、その匂いは〝湿った灰か燃えかすのような臭気〟だったともいう。
また、同僚宇宙飛行士バズ・オルドリンによれば、〝爆竹を鳴らしたあと空中に漂う煙の匂い〟にどこか似ていたそうだ。
ただ残念ながら、この史上初の月面着陸後、はるばる地球に持ち帰られた〝月の石と塵〟は、総計382キログラムに達するが、匂いのほうは失くなってしまった。
インド洋のど真ん中に位置する珊瑚環礁群島のチャゴス諸島に棲息するココナツガニがヤシの樹に這い登るのは、ココナツ(ヤシの実)を採るだけが目的ではない。
巣の中のアカアシカツオドリの翼を切って落とし、地上で平らげる捕食行動が観察されている。
メキシコはアカプルコの農村地帯で住民に篤く信仰される幼な子キリストの陶製像が、なぜか突然血の涙を流すようになった。
現地メディアによると、初めて両目と口元から血涙が流れ出ているのが礼拝者に発見されたのは今
年の元日で、この奇跡をいち早く報道した英大衆紙「ザ・サン」2019年3月18日付によると、それ以来初報道される時点までに4度も血涙現象が目撃された。
このキリスト像は私有地内にあるが、所有者は敷地を部分開放して礼拝者の出入りを許している。
当地では近年、治安が悪化する一方で、殺人事件が住民10万人に対して平均111件も発生した。
キリスト像が血の涙を流すのはこの治安悪化に神が心を傷めているからだ、と住民は信じている。
地元民のひとりソレダード・フローレスは取材記者に主張する。
「悪魔の仕業という人もいるし、神の思し召しだという人もいる。どちらにしろ信じられないような奇 ローマのヴァチカン教皇庁は現在、この〝アカプルコの奇跡〟の真実性を鋭意調査中という。
1949年以来〝聖像が涙を流す奇跡〟は世界中で少なくとも15件報告されているが、〝正真正銘の奇跡〟とヴァチカン当局が正式認定したのは、日本の秋田市のカトリック修道会の聖母マリア木像が、1973年から84年にかけて101回に達する落涙・芳香現象を起こした事件だけだとか。
アメリカのカリフォルニア州ガダルーペニポモ付近で、考古学調査団が砂丘を発掘中に偶然、重さ約5トンもある彩色された石膏製のスフィンクス像を掘り当てた。「スミソニアン・ドットコム」2017年12月1日付によれば、1923年に公開された巨匠セシル・B・デミル監督の大ヒット超大作『十戒』で使用された野外セットの大道具とすぐに判明した。
ハリウッド映画の裏話通によると、『十戒』用に製作されたスフィンクスは大小さまざま、全部で20体はあり、撮影終了後にロサンゼルスの西北約280キロ地点の地中に埋められたとされている。
南山宏
作家、翻訳家。怪奇現象研究家。「ムー」にて連載「ちょっと不思議な話」「南山宏の綺想科学論」を連載。
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