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文=宇佐和通 協力=ヒストリーチャンネル
UFOは太古から同じ場所に出現しつづけている、とする説がある。「ホットスポット」はなぜUFOを呼び込むのか、その謎に迫るドキュメンタリー。
ヒストリーチャンネルの看板番組『古代の宇宙人』。シーズン15最初のエピソードでは、UFO事例のホットスポットがテーマとして取りあげられる。一流のコメンテーター陣の言葉だけに頼ることなく、ときには否定的な要素もちりばめ、最終的な選択肢を多く視聴者に委ねる構成だ。
今回の番組のタイトルにもなっている「ホットスポット」という概念が生まれる起点は、1947年のケネス・アーノルド事件とロズウェル事件だ。アメリカの著名リサーチャー、リンダ・ハウによれば、アメリカ政府がUFO事例関連の情報アーカイブを設立し、エイリアンやUFOに関する研究を行うための秘密部門が立ち上げられたのもこの時期だ。
その後数千件にのぼる目撃情報が世界中から寄せられたことを受け、アメリカ政府は現象の調査に本腰を入れるようになる。これが後にプロジェクト・ブルーブックへと昇華していく。プロジェクト・ブルーブックの発足後は、膨大なデータを通しUFO出現/目撃に関する傾向が明らかになりはじめた。
プロジェクトに参加していたJ・アレン・ハイネック博士は、統計的分析により、現象が発生する時間と場所が示され、パターンが明らかになってきたと語っている。UFO現象は偏在する、つまりホットスポットがある、ということだ。当時のデータでは、アメリカ国内では南西部と北東部、そしてミシシッピ渓谷にホットスポットが集中していた。こうした地域で集中的な現地調査が行われ、地図上で確認しながら、ホットスポットの位置がより正確に特定されていった。特定の場所に、UFOを惹きつける特別な要素があるのだろうか?
やがて多くのリサーチャーによって調査のスコープが世界中に広げられるようになると、アメリカ国内のホットスポットとは少し違う特性が明らかになっていく。多くの場所が、何らかの神話と関係する古代遺跡である場合が多いのだ。
2000年10月、イスラエルのテルアビブの東で行われていた工事の際、石灰岩でできた古代のトンネルが見つかった。ケセム洞窟だ。この発見によって、40万年前に人類が住んでいたことがわかった。見つかったものから考えると、当時の人たちはシャーマニズム的な儀式を実行していたようだ。さらに遺物を検証すると、ケセム洞窟に住んでいた人たちは、当時ではとても考えられない高度な工業的スキルを有していたことが明らかになった。かなりの長期間にわたってこの地に住みつづけた理由は、すぐ近くにゲリジム山があったからだと考えられる。
神が住む場所として『旧約聖書』に記されているこの山から、神は〝シェキナ〟という明るい光になって出てくる。人類の父祖たちは、この山に足を運ぶたびに目がくらむほどの光で全身を包まれた。この光こそ、今日UFOやUAPと呼ばれるものなのかもしれない。ゲレジム山は今もホットスポットとして知られている。
バミューダ・トライアングル、イギリスのウィルトシャー、アリゾナ州セドナ、そしてユタ州北部のスキンウォーカー牧場。世界中に点在するホットスポットが、多次元間仮説や超ひも理論といった新しい物理学的概念を当てはめながら考察されていく。
世界規模で広がるネットワークに込められた地球外生命体の意図が見え隠れする。
●古代の宇宙人●シーズン15 ホットスポット
原題:UFO Hotspots
<番組概要>UFOが頻繁に目撃されているUFOホットスポット。異星人は古代から特定の場所を訪れているのだろうか? アメリカのサンティエゴ沖、ハドソンバレー、イスラエルのゲリジム山、悪名高いバミューダ・トライアングルでの不思議現象からUFOホットスポットの謎に迫る。
ヒストリーチャンネルにて7月25日(火)22時放送予定
宇佐和通
翻訳家、作家、都市伝説研究家。海外情報に通じ、並木伸一郎氏のバディとしてロズウェルをはじめ現地取材にも参加している。
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