異星人から10日間の宇宙旅行に招待された男が見た真実! 友好的エイリアン・アブダクションの驚異的事例
いつもの道でいつものように車を走らせていた男性。しかし、3時間の道のりのはずがなんと10日間を費やしていた。さらに驚異的記憶まで蘇ってきて――!
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ネス湖に含まれるDNAを分析した科学調査の結論に異議あり!! 2019年9月に研究機関が発表し波紋を呼んだネッシーの正体について、数多の物証とともに反論していく。
「ネッシーのような巨大な爬虫類がネス湖に存在しないことは断言できる」
衝撃的なニュースが発信されたのは今年9月5日のこと。ネス湖の湖水を徹底的に検証したニール・ゲンメル教授を中心とする国際的な科学者チームが、世界で最も有名な水棲UMAの存在を真っ向から否定したのである。
ニュージーランドでもっとも歴史のあるオタゴ大学の研究チームとゲンメル教授は、2018年6月に、ネス湖で2週間に及ぶ調査を敢行。深度の異なる3つの水域の約250か所で採水したサンプルをはじめ、湖に生きる生物の表皮や糞など、採取した試験片を、ニュージーランドを含む4か国の研究機関で分析した。
解析された生物由来のDNAは約3000種におよぶ。ネス湖に生息する魚類全種に加え、哺乳類のものも検出されたが、大多数は微生物。いずれにしてもネッシーはおろか、ワニなどの水生爬虫類のDNAは痕跡すらなかった。こうした結果が、教授の “断言できる”という発言につながっているのだ。さらに研究チームは、プレシオサウルスやチョウザメ、オオナマズ、巨大ウナギなど、ネッシーの正体とされる仮説を検証し、このうちのひとつ、巨大ウナギが“正体”にあてはまる可能性が高いと結論づけた。
ネス湖は大型ウナギの繁殖地として知られており、今回の調査でも異常ともいえる量のウナギのDNAが検出された。何らかの理由で“巨大化したウナギ=スーパーイール”が存在しても不思議はないという。
だが古来、数多くの人々によってネッシーは目撃されつづけてきた。今回の調査がいかに精度の高いものであっても、これらの証拠すべてを否定できるものではないはずだ。本稿では、過去の事例と証拠を見ていき、教授らが示す“結論”の反証としていきたい。
“ネッシー”と呼称される以前から、ネス湖の怪物には長く語り継がれてきた歴史がある。そこには“巨大ウナギ”の目撃は含まれていない。皆無といっていいだろう。それよりも、目撃報告の大半を占めるのが未知なる生物の存在なのだ。
古くは6世紀に記された「聖コロンバ伝」に、水飛沫(みずしぶき)とともに現れた“巨大な水馬”に聖職者コロンバが遭遇したという記述が再現図とともに残されている。ほかの古文献にも同様の記述があることから、巨大ウナギとは別種の怪物が長期的に目撃されてきた歴史的事実が窺い知れるだろう。
20世紀に入り、ネス湖西岸に国道82号線が開通すると、目撃情報も急増する。そして1933年11月、ヒュー・グレイが湖面を進むネッシーの姿をカメラで捉え、その存在は世界中から注目を集めるようになった。
1954年12月2日には、流し網漁船の魚群探知用ソナーに湖底を移動するネッシーの姿が捉えられ注目された。その後、ネッシーの目撃写真は数多く世に出ているが、全身を捉えたのはボストン応用科学アカデミーのロバート・ラインズ博士らの調査隊が水中カメラで撮影した一枚のみ。1975年5月に撮影されたその写真には、長い首に小さな頭部、巨大な胴体と前後のヒレ、われわれの想像する典型的なネッシーの姿が写っている。
一方で、映像証拠が獲得されたのは1960年4月23日こと。地元の研究家ティム・ディンスデールが、湖面を進む姿を16ミリフィルムに収めることに成功したのだ。このフィルム映像は英国空軍偵察情報センターとジェット推進研究所によって詳細に分析されているが、船や波の誤認ではなく、“コブ状の物体が水面を走っている”という判定を両機関が下している。
それゆえ、20以上にのぼる目撃映像の中でも、このフィルムの信憑性に勝るものはないといわれている。以降もネッシーの目撃は続き、20世紀末に一時的に活動を沈静化させたものの、21世紀の今でも写真や映像に加えてグーグルアース上でも姿が捉えられている。そして今日では、湖岸にウェブカメラが設置されるなど、多くの“目”が湖に向けられている。
実は、今年に入ってネッシーの目撃が多発している。たとえば、今年2月23日、ネス湖の景観を楽しんでいたカップルがアーカート湾を通り過ぎようとしたとき、湖面に浮かぶネッシーらしき生物を目撃、スマートフォンで撮影に成功している。写真には首をもたげて湖に浮かぶその姿が写っている。
同月27日には、湖畔に設置され、湖を常時映しているウェブカメラが、湖面に浮かび数秒後に消えていく怪物の姿を捉えている。次いで4月11日、ネス湖に近いインヴァネスに住む人物が、湖面を拘束でまっすぐに進んでいく物体に気づき、スマートフォンで撮影している。
さらに6月11日午後1時30分ごろ、ドライブを楽しんでいたカップルが湖面に浮かぶ奇妙な黒っぽい物体を発見し、車を降りて観察。湖面には、大きな生物の首と背中のように見えるものが浮かんでいた。スマートフォンで動画撮影すると、数十秒後、水中に没してしまったという。撮影された画像に写っているのは、巨大化したウナギでないことは明白だ。
ネッシーは今なお目撃され、画像にも捉えつづけられていることから、その正体が明らかになる日も遠くないと期待されている。
ネッシーの正体については、目撃情報の示す特徴の多くが一致していることから首長竜の一種と考えられている。とりわけ有力視されているのが中生代ジュラ紀から白亜紀に生息した大型海生爬虫類プレシオサウルスだ。現代まで生き残ったこの恐竜が、環境に適応して進化したのがネッシーであるという説を多くの学者や研究者が支持している。
この仮説を裏づけるように、2003年7月にネス湖畔からプレシオサウルスの化石が発見されたほか、2004年にはパートン海岸に小型のネッシーを思わせる怪生物の亡骸が漂着。2005年には、シカを喰い殺すほどの巨大生物のものと推測される10センチの牙が湖畔で発見されている。そう、この地には、太古の生物が今なお棲息している可能性が十分あるのだ。
もちろん、現生生物の誤認説は根強くある。ゲンメル教授らが主張する巨大ウナギ説以外にも、北海からネス川をさかのぼったチョウザメだとする主張や、当地のベテラン・リサーチャーが唱えるヨーロッパオオナマズ説などもある。
チョウザメは大型のもので3メートルにも達し、ヨーロッパオオナマズは4メートル超えの個体も珍しくはない。むしろウナギの巨大化よりも現実味があるかもしれないが、これらが長い首や背中のコブといったネッシーの特徴を有していないことを鑑みれば、ネッシーの存在を否定したいがための仮説と感じるのは筆者だけではあるまい。
いずれにしても、その正体は謎のままだが、近年、新たに興味深い説が唱えられている。“ひとつの生物種が食物連鎖・生態系で占有する地位”という生物学における“ニッチ”の概念をもとにした、新種の哺乳類説である。
ニッチは、ポスト恐竜時代の生物の進化を例に考えると理解しやすい。恐竜が絶滅した後、彼らが占有していた地位は空席状態となっていた。だが新時代に入ると、この空白を埋めるべく生態システムに哺乳類が入り込み、爆発的に進化。魚類のイクチオサウルスがイルカの祖先に、ティロサウルスがクジラというように、新たな哺乳類が取って代わり、“空位”を補完したという考え方だ。
この仮説に則すれば、同様の形態と食性を有する水生哺乳類が存在するべきだが、現在まで確認されていない。そう考えると、ネッシーはプレシオサウルスの生き残りではなく、恐竜に取って代わった未知の哺乳類である可能性が高まってくるのだ。
かつて動物学者のベルナール・ユーベルマンは、長い首と背中に数個の大きなコブを有する、未知のアザラシ(=新種の哺乳類)がその正体であると主張したが、あながち的外れではなかったのかもしれない。もしそうであったとすれば、ゲンメル教授は結論を急ぎすぎたといわざるを得ない。未知なる生物のDNA配列がいかなるものなのかは、推測はできたとしても、それを前提にしていなければ発見しようもない。ネッシーの正体が哺乳類であればなおさらだ。
さらにいえば、教授たちの検証にも穴がある。実は、湖に生息するはずのカワウソやアシカの“痕跡”も今回の調査では発見されなかったのだ。つまり、これほど広範囲かつ緻密な実地調査をもってしても、漏れは生じる。少数しか存在しないと考えられるネッシーのDNAが発見されなかったとしても、その存在を否定する根拠とはなりえないのではなかろうか。
いずれにしても、さまざまな立ち位置からの研究の積み重ねが、最終的にネッシー探究の一助になると筆者は考える。地上のすべてが踏み明かされた今日にあっても、水面下には未踏のエリアが多く残されている。ネッシーという謎めいた存在を知るには、多くの人の手で調査・探究されなければたどり着けない。
ちなみに“ネッシー=巨大ウナギ説”を説いたゲンメル教授も、「よくわからない点もまだ多くある」と発表の際につけ加えている。その意味でも、今後さらに深化するであろうゲンメル教授ら研究チームの続報に大いに期待したい。
(ムー2019年11月号掲載)
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