南極の超古代遺跡と地底王国アガルターー地球深部の謎/世界の新七不思議
超巨大建造物から超常事件の現場まで、各地のさまざまなミステリーを、超常現象研究の第一人者・並木伸一郎がセレクトした〝世界の新七不思議〟をご案内! 今回は〝7つの超古代文明〟に選定したなかから南極とアガ
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「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2023年3月号、第467回目の内容です。
英シュロプシャー州テルフォードのケイティ・スティーヴンソン夫人と夫のマーク、1歳と7歳と11歳の娘たち3人、計5人の家族は、ケイティが洗浄剤で金魚鉢を洗ううちにたまたま発生した毒ガスのパリトキシンを吸い込んでしまい、ゴホゴホ咳込むと同時に体温が上昇しはじめた。
中でもマークの体温が危険な42度Cにまで達したので、とうとう111番(日本の110番)し、全員が病院に緊急搬送された。
猛毒ガス発生というので、現場には一時立ち入り禁止の非常線が張られ、防毒マスク姿の消防士たちだけが忙しく走り回った。幸い吸い込んだ毒ガスの量がごく少なかったので、5人全員が数日のうちに回復したが、原因調査が進められた結果、予想外の事実が明らかになった。
市販の洗浄剤自体はまったく安全だが、たまたまそれが金魚鉢の中に入っていた珊瑚石と相互作用を起こしてしまい、猛毒性のパリトキシンガスを発生させたものと判明したのだ!
パリトキシンはフグ毒として有名なテトロドトキシンよりも猛毒で、ハワイの先住民族の間では、戦いや狩りの際に矢毒として用いられていたという。
イギリス人男性チャーリー・フレイムさん(55歳、仮名)は、サーフボードにしがみついたまま、3日3晩飲まず食わずで大西洋を漂流したあげく、4日目の早朝、意識朦朧・息も絶え絶えの状態でいるところを、スペイン南部のリゾート地マルベーリャの南西約16キロの沖合いで、たまたまチャーリーを発見したヨット遊び中の男性から通報を受け、現場に急行した沿岸警備隊に救助された。
2020年8月25日付「デイリーメール」紙によれば、チャーリーはクルーズ中の客船から海中に転落したが、運よく海面を漂っていた無人のサーフボードを見つけたおかげで溺死を免れた。
なお、警備隊に通報してくれたヨットマンの氏名や身元は、現在に至るも不明のままという。
ナイジェリアはカラバル市の聖チャールズ・ルワンガ・カトリック教会に勤めるエヴァリストス・バッシー神父の報告によれば、昨年6月22日、当地の空中に聖母マリアの聖なるお姿とおぼしき神秘的な発光現象が顕現して、100人以上の教区民と居合わせた聖公会の神父に同時目撃された。
この神秘現象に最初に気づいたセイヴィア・アスコという男の証言では、まず地平線上に目にも鮮やかな大きな虹が懸かったのを見て、(いったいどうしたんだ?)と訝しんだのが始まりだった。
次の瞬間、上空から一条の眩い光が射し込んで、教会の駐車場の一点をあかあかと照らしだした。
アスコが不思議に思いながら虹をもう一度振り返ってまた視線を戻すと、いつの間に現れたのか、眩しい光に包まれた聖母マリアのお姿が宙空に浮かんでいて、アスコのほうに静かに降りてくる!
そのお顔とお姿は、教会の祭壇に立っている聖母マリアの彫像よりはるかに美しく見えたという。
「マリア様はおれを見て、にっこりなさったよ!」
アスコはそう強調した。
折りしも集会を終えて教会の外にぞろぞろと出てきた神父と教区民たちも、全員がこの光に包まれた聖母を目撃した。
彼らの多くはスマホを携えていたが、驚きのあまりほとんどの者が撮影を思いつかなかった。それでも何人かはシャッターを切れたが、残念ながら撮れた写真はいずれもピンボケのような〝ボンヤリとした人型の光〟が写っているだけだった。
この思いがけない聖母降臨事件について、バッシー神父は最後にこうコメントする。
「聖母様はこの訪問の間、何のお言葉もお残しにならなかったが、わざわざご降臨なさったという事実だけで、神がわれわれと共に在ることをお示しなさったのだ!」
少なくともキリスト教徒なら、これで十分に納得するだろう。
オーストラリア原産の有袋類動物の大半——例えば、ウォンバット、タスマニアデビル、ビルビー(ミミナガウサギ)、オオコウウモリ、ココウモリなどは、当地の生物学専門家の最近の研究によれば、暗闇の中で紫外線を浴びせると、毛皮が青または緑色に発光することが発見された。
だが、それがオーストラリア特有の生態学的環境とどのような関係があるのかは、現在の段階では何もわかっていない。
インドはカンプール市の政府ビル内の事務方スタッフの面々は、思わぬ闖入者のおかげで、大事な政務の進行をしばらくの間ストップさせられてしまった。
1頭の山羊が開けっ放しのドア口から迷い込み、大切な政治文書類を片っ端からムシャムシャ食べてしまったのだ。
2021年12月3日付「メトロ」紙によれば、スタッフたちが被害に気がついたときには、一部の重要な機密文書まで含めて、書類の半分ほどがすでに食べられており、逃げ出した犯人の山羊を追いかけてやっと発見したときには、食べかけの文書を口に咥えたままとぼとぼと歩いていた。
スタッフが慌てて山羊の口からもぎ取った文書は。すでに半分ほどまで食べられ済みだった。
米ニューメキシコ大学の学生コンラッド・デュラン君とガールフレンドのアンドレア・ローナンさんは、クリスマスイブに家の外に出しっ放しにした1対のダイニングチェアが、いつのまにか消えていることに気がついた。
盗まれたかと諦めた数日後、きれいに塗り直された姿になってまたいつのまにか元の場所に戻されていて、椅子の上には「これは善意の奉仕です」という匿名のメモ書きがそっと置かれていた。
コンラッドトアンドレアは見知らぬ他人の善意に感謝した。
「この世はいつも世知辛い、とは必ずしも限らないんですね」
南山宏
作家、翻訳家。怪奇現象研究家。「ムー」にて連載「ちょっと不思議な話」「南山宏の綺想科学論」を連載。
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