死後も奇跡を顕現する少年スラヴァの大予言/MUTube&特集紹介 2023年7月号
人々の病を癒いやし、愛されたその少年が30年前にロシアのウクライナ侵攻と中国の台頭を見透していた!! 三上編集長がMUTubeで解説。
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幾何学図形は世界中の文化に見られ、そこには呪術的な意味が込められている。ニューエイジムーブメント以降、「神聖幾何学図形」の代表として脚光を浴びるようになったフラワー・オブ・ライフのルーツを解説する。
「フラワー・オブ・ライフ」とは、同じ半径を持つ多数の円が幾何学的に重なりあう図形だ。この図形が「生命の花」という名を与えられ、特別な意味を付与されるようになったのは20世紀後半に発生したニューエイジムーブメント以降のことだ。
ただ、その萌芽は、紀元前17世紀末にギリシアのペロポネソス半島で花開いたミケーネ文明の意匠に見いだされる。「6弁のバラ(Six-petal rosette)」がそれだ。同じ半径の円を13回くり返し描き、重ねあわせることで完成するこの図形は、花弁をはじめ自然界にしばしば見られるもので、建造物などの装飾にも用いられている。
そして、フラワー・オブ・ライフや6弁のバラのように、同一パターンのくり返しによって描かれる図形は、世界中の文明に存在する。たとえば日本には、刺し子などの「麻の葉模様」がある。ひと昔前までは、生まれてくる子供が健やかに育つことを祈りながら、母親や近親の女性が麻の葉模様の刺し子をつくったものだ。海外では、手芸でつくる珍しい神聖幾何学図形として、刺し子が有名であることも申し添えておこう。
また、6弁のバラや麻の葉模様は植物のパターン化だが、魚の卵をパターン化した「ヴェシカ・パイシス」もある。こちらは正円をふたつ重ねた図形で、イギリスの有名な井戸「チャリス・ウェル」や、キリスト教美術の中にも見受けられる。
こうしたくり返し図形が意味するものは、豊かさの連環だ。
そのモチーフとなった植物や魚に象徴される山海の恵みが、常に得られるようにとの願いが込められていたと考えられる。山海の恵みは自然界からのギフトであり、得られること自体がラッキーだ。その意味では幸運のシンボルともいえる。もちろんフラワー・オブ・ライフも、その流れに連なる。だからこそ呪術的な力を持つのである。
やがて時代が下り、ピタゴラスが活躍する紀元前6世紀ごろには、図形を正確に描くための理論と技術が発達してきた。
それ以降は、どこまでも緻密に、理論的に突き詰めていく図形と、刺し子のように、一般庶民の生活に根づいた図形の2方向に、道が分かれていった。
これらふたつの道は、だんだんと離れていくのだが、近代魔術が復興する19世紀末あたりから、ふたたび融合する気配を見せはじめた。双方のよいところを取り入れ、そこに込められた呪術的な力を利用するという考え方にたどりついたのだ。
当然このころには、図形を描く理論と技術が十二分に発達していたから、より正確な、より緻密な図形がもてはやされたことは想像に難くない。そのような状況下で、さまざまな図形が誕生したようだ。やはり神聖幾何学図形として人気のあるメタトロン・キューブなどは、この時期に生まれたと思われる。
こうした変遷から考えるに、フラワー・オブ・ライフに代表される神聖幾何学図形は、古くから人々が行ってきた素朴な呪術と、精密さと緻密さ、そして理論を追求する近代的な価値観が、美しく結晶したものだといえるだろう。
現代においてフラワー・オブ・ライフは、その美しく緻密な図形にぼんやりと意識を向けることで、瞑想への導入や精神集中のツールとして使われることが多い。また、この図形の中にカッバーラの「生命の樹」を見いだすなど、新たな意味を探る試みもある。
ちなみに、神聖幾何学図形の研究者のなかには、こうした図形は、人間の「いたずら書き」が発展したものではないかと考える人が少なからずいる。ただし、いたずら書きといっても悪ふざけという意味ではない。
人間は物思いにふける際などに、無意識のうちにくり返し図形を描くことがある。神聖幾何学図形は、そうした心の動きの延長線上にあるのかもしれない。また、だれしも覚えがあると思うが、そうして規則的に手を動かしていると、ふとアイデアがひらめいたりすることもある。
ひとつ興味深い例を挙げると、リモート・ビューイング(遠隔透視)を行う前に、筆記用具を軽く握って、意味のないくり返し図形を紙に描くというステップが推奨されている。遠隔透視では通常、キャッチしたヴィジョンを紙に書きとめるので、その準備運動という意味もあるだろうが、くり返し図形を描くことで、軽いトランス状態に入るという効果もあるのだ。
ヘイズ中村
魔女・魔術師・占い師・翻訳家。中学生頃から本格的に西洋密儀思想の研究を開始。その後、複数の欧米魔術団体に参入し、学習と修行の道に入る。現在はタロットを使った魔術的技法に関する本を執筆しながら、講座などでの身近な人との触れあいを大切に活動中。
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