映画『きさらぎ駅』永江二朗監督×オカルト探偵・吉田悠軌対談ーー異界駅を体験させる”恐怖”の視点
2ちゃんねるの書き込みから生まれたネット怪談「きさらぎ駅」が映画化された。手掛けたのは『真・鮫島事件』の永江二朗監督。広く知られ、”異界駅”のジャンルも生み出したネット怪談は、いかに映像化されたのか?
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近代以降、霊と交信する方法を確立、または会得した霊媒たちが世間を賑わせるようになる。彼らは霊界の存在から超常の力を借りて、この世に具現化させてみせた。今回は、無形の霊を物質化した「エヴァ・C」を紹介する。
アルジェリアのアルジェに生まれたフランス人、エヴァ・C。彼女もまた、霊魂の物質化をやってのけた霊媒だ。降霊会で、彼女は口、もしくは胸のあたりから液状、もしくはゼリー状のものを出現させ、様々な人間の〝パーツ〞を形作ってみせた。
すぐれた生理学者であったシャルル・リシェ教授は、この現象を目の当たりにし、こう述べている。
「そのペースト状のものは私の両膝の上に広がり、ゆっくりと手の骨のような形になっていった。同時に私の膝に、次第に圧力がかかってくるのがわかった」
リシェ教授がエヴァ・Cと出会ったのは彼女が15歳のころだという。エヴァ・Cは常に左右に開くカーテンで仕切られた、小暗室の中央に座って実験に臨んだ。そしてペースト状の物質(エクトプラズム)を出現させる。そして、顔あるいは手がある程度出現すると、カーテンを開いて降霊会の参加者らにそれを見せる。このとき写真撮影も行われた。
もちろん、懐疑派も多かった。しかし、カナダ、クイーンズ大学のW・J・クロフォード博士は、エヴァ・Cが見た目にも縮んでいたことに気付き、彼女を体重計に乗せて実験を行ったところ、エクトプラズムを放出する際に体重が半分近くも減少することを発見している。しかも、この体重減少はエヴァ・Cだけでなく降霊会の出席者全員に見られることが後に判明した。
エヴァ・Cが現出させた〝物体〞の正体は何なのだろうか。
研究家たちによると、ふたつの仮説が立てられるという。ひとつは、現れた像は、彼女の心の中に描かれたイメージがエクトプラズムによって形作られた〝思念造形物〞だというもの。もうひとつは、エヴァ・Cとはまったく別の、死者の霊が彼女の潜在意識に働きかけ、物質化像となって現れるというものだ。
この物質化現象は、信じるもの、疑うもの双方の努力にも関わらず、白黒のつかないまま彼女の死とともに歴史から消えた。
並木伸一郎
「ムー」創刊当初から寄稿するベテランライター。UFO研究団体ICER日本代表、日本宇宙現象研究会(JSPS)会長などを兼任。ロズウェルやエリア51をはじめ現地調査を重ねて考察し、独自の仮説を「ムー」や自身のYouTubeなどで発表している。
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