ミステリー・サークルはレイラインに仕掛ける呪術だった!? サークルメーカーが明かす制作の真意/遠野そら
麦畑などに一夜にして忽然と現れる、謎の意匠として知られるミステリー・サークル。その正体を巡っては、UFO・異星人のメッセージ説をはじめ様々に語られたが、人為的に行われているものも確かに存在する。しかし
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犯罪ドキュメンタリーや事件捜査のリアリティ番組を専門とする「CRIME+INVESTIGATION」。 今回は、一族にかけられた“呪い”に立ち向かい、調査に乗りだす男たちの物語。
ユニークな題材に独自の視線を向けるヒストリーチャンネルの番組を紹介する『海外チャンネル・レビュー』。第2回目の本稿では、「CRIME+INVESTIGATION」(『犯罪+捜査チャンネル』)から『Cursed :The Bell Witch -呪われた一族の血-』を紹介する。200年にわたって一族が不可解な死を遂げている“ベル・ウィッチの呪い”の謎を解き明かすため、一族の人間自らが調査に乗り出すというハードで見応えのあるドキュメンタリーだ。
ベル・ウィッチの呪いは、アメリカ南部の有名な土着伝説として知られている。物語の主人公は19世紀、テネシー州の北西部に位置するロバートソン郡のアダムスという町に住んでいたベル一家だ。一家の長だったジョン・ベルがケイト・バッツという“魔女”に呪いをかけられ、以来ベル家では代々長男として生まれた男性が非業の死を遂げ続けている。
番組シリーズのメインキャラクターであるジョン・チャラックはベル家直系の子孫。自分が生まれた家族にまつわる呪いの話は、7歳の頃から聞かされていた。自分の身には何も起きていないが、一人息子が不幸な目に遭うのは我慢できない。
そして彼は行動に出た。軍務に就いていた時に同じ部隊で苦楽を共にしたチャド・ヒギンボタムをパートナーに、呪いの謎を明らかにする旅を始めたのだ。
思いもよらなかった事実が次々と明らかになる情報を集めるプロセスの面白さ、ロードムービー的な展開、そして調査のなかで出会う数々の魅力的なキャラクター。こうした要素が階層的に積みあげられた結果、ともすればひたすらシリアスでダークになりがちなテーマのドキュメンタリーであるのに、エンタテインメント要素も十分に盛り込まれている。
元警察官のジョンによる、モーションセンサーカメラから地中レーダー、そして霊体探知機までを用いる手法も興味深い。意見を求めるエキスパートも、ベル・ウィッチ伝説を専門に追いかけている研究家、魔女、霊能者から化学の専門家までバラエティ豊かな顔ぶれだ。
装置やエキスパートに共通するのは、伝承を検証して事実を洗い出し、科学的論証によって裏付けるという一貫した流れにほかならない。このあたりにはヒストリーチャンネルの別のドキュメンタリー番組シリーズでも見られるロジックが活かされている。
ジョンたちが明らかにする事実は、事態を思わぬ方向に導いていく。一家にまつわる呪いを解決するために始めた調査が、アメリカ史、テネシー州ロバートソン郡周辺の郷土史を辿るような展開を見せはじめるのだ。
ジョンが決断した解決策は、とても現代のアメリカとは思えない、むしろ東洋思想的な様式で実現されることになる。さらに、究極的にはキリスト教思想とシャーマニズムをひとつにまとめたような様式や、アメリカ南部各州特有の土着文化からの強い影響を感じる。
すべてのエピソードを見終わって感じたのは世代を貫く贖罪の感覚、そしてどの家にも何かしらの因縁が必ずあり、それを解き明かして清める役目を持たされる人が必ずいるという事実だ。目的を達成してアダムスの町を離れるジョンとチャドが乗った車のフロントガラスに広がる空が印象的だ。
「True evil, stays evil=本物の呪いはいつまで経っても変わらない」
ジョンの言葉だ。彼はこの旅を通して200年続く呪いに終止符を打つことができたのか。自分と一人息子が背負った“業”を、祖先までさかのぼって浄化することができたのか。ぜひご自身で確かめていただきたい。
CRIME+INVESTIGATION 「呪われた一族の血(原題:Cursed:The Bell Witch)」
一族が次々に謎の死を遂げる、アメリカ最古で最も有名な呪いの解明に挑む。しかし、2世紀に渡り続く悪夢は新たな恐怖を巻き起こす! Amazonプライムビデオ、Hulu、U-NEXTほか各種動画配信サイトで配信中 ©2022 A&E Television Networks. All Rights Reserved.
宇佐和通
翻訳家、作家、都市伝説研究家。海外情報に通じ、並木伸一郎氏のバディとしてロズウェルをはじめ現地取材にも参加している。
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