全長1,600mの巨大UFOが飛来「スティーブンビル事件」の真相とは!? UFO検証番組『エンカウンターズ』でも話題
2008年に米テキサス州スティーブンビル近郊上空で多数が目撃したはずの“超巨大UFO”は幻だったのだろうか。忘れ去られようとしていた事件に驚愕の新事実が発覚!
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世界中にあふれる不可思議な事象や謎めいた事件を振り返っていくムーペディア。今回は、およそ60年間も世界のUFO研究家たちに謎めいた手紙を送りつづけている「ウンモ星人」を取りあげる。
ウンモ星は、地球から見ると乙女座の方向、約14.4光年の距離にある「イウンマ」という恒星の惑星である。地球の天文学においても、この位置には「ウォルフ424」と呼ぶ天体が確認されており、これがウンモ星人のいうイウンマのことらしい。
ウンモ星は最大直径7251.608キロで、回転軸は黄道から19度ほど傾斜している。自転周期は32時間。重力加速度は、地球が約9.8m/S2であるのに対し、ウンモ星の重力は11.9m/S2だから、地球より20パーセントほど大きい。地表の38パーセントが陸地で大陸はひとつ、地形は平坦で、地球のような大陸移動はない。
このような環境に暮らすウンモ星人は、全体として地球の北欧系ヨーロッパ人によく似ており、比較的背が高く、体色は明るく、金髪である。ただ、身体の一部に色が変わりやすい部分があるので、裸になると斑紋によって地球人と区別できる。嗅覚は地球人より遙かに鋭く、手の皮膚も敏感で、掌で光を感じることができる。手足の先端は極端に鋭敏で、指や手首に強い衝撃が加わると、感覚器官に深刻な衝撃が生じるという。
16歳になると、たいていのウンモ星人は声帯や甲状腺が退化して声が出なくなるらしい。その場合、人工声帯を植え込んで対応するが、彼らはテレパシーによる意思伝達もできる。
地球の西暦でいうと1949年、ウンモ星人は地球からの電波を受信した。これは1934年にノルウェー国籍の船舶が発したモールス信号で、遠く離れたウンモ星に到達するまで、それだけ年数がかかったということだ。
地球に知的生命体が存在すると知ったウンモ星人は、ただちに男4人、女2人の探検隊を組織した。電波でさえ14.4年かかる距離を、彼らの宇宙船はほんの6か月ほどで飛び抜け、1950年3月28日、南フランス高地アルプス地方シュヴァル・ブラン山近くに着陸した。
現場はデイニュの町から13キロ、ラ・ジャヴィという名の村から8キロのところだ。そこで彼らは、地下に作った隠れ家に2年ほど滞在して、地球の文物を研究した。
仲間のうち3人はラテン語系言語を研究し、ルーマニア語やスペイン語に加え、カタルーニャ方言、イタリア語も話すようになった。しかし、そのうちのひとりの声帯が萎縮したため、他のウンモ星人と交代した。その後、彼らはマルセイユに一時滞在し、1952年にはふたりがスペインに到着。他の者は西ドイツやオーストラリア、カナダ、デンマーク、ラテン・アメリカに分散した。
ウンモ星人については、日本で「ユミット」という呼び名が知られているが、このユミットとは、フランス語で「ウンモ星人」を意味する言葉であり、特定のウンモ星人の名前ではない。
このようにウンモ星とウンモ星人については、かなり詳しい情報が得られている。こうした情報は、ウンモ星人自らが地球人に送った手紙の中で明らかにしたものだ。
ウンモ星人からの手紙は1960年代初頭、一説には1962年から、スペインのUFO研究家たちに届きはじめた。
手紙にはイラストや彼らの言語が添えられていることもあり、ウンモ星の最先端の宇宙論や宇宙船の推進理論、霊界の真相などの科学理論も多く含まれていた。そしてウンモ星人からの手紙には必ず、漢字の「王」を横にしたような文字、あるいは西洋占星術における天王星のシンボルにも似た図形が記されていた。
手紙を受け取っても公表していない人物もいるらしいため、こうした手紙の総数は不明だが、ページ数にすると1万を遙かに越える量が確認されている。
ウンモ星人の手紙を最初に受け取ったのは、フェルナンド・セスマだといわれている。彼はスペインの首都マドリードのUFO研究家で、郵便局に務める傍ら、1954年から「宇宙の訪問者の友人」という団体を率いていた。
当初、ウンモ星人から手紙を受け取るのは、このセスマを中心とする、いわゆる「マドリード・グループ」に属するスペイン人たちだった。しかし、事件は次第に拡大していく。
まずは1966年2月6日、マドリード郊外のアルーチェでウンモ星人のシンボルをつけたUFOが目撃された。現場の地面は焼け焦げており、着陸痕と思われた。
1967年5月には、セスマがウンモ星人のUFO着陸を予告する手紙を受け取り、わずか数日後の6月1日、サン・ホセ・デ・ヴァルデラスで、ウンモ・シンボルを胴体下部に記したUFOが目撃された。このときは目撃者のうち2名がその写真を撮影している。
やがてスペインだけでなく、エメ・ミシェルのようなフランスのUFO研究家やイギリスのUFO誌にもウンモ星人から手紙が届くようになった。
エレベーターのボタンを押すにも気をつけるほど指先が鋭敏なウンモ星人であるから、自らタイプライターを打つことはできず、地球人のタイピストを雇っていたようだ。ときには彼らから電話がかかってくることもあった。その音声が録音されたこともあったが、分析したところ人工合成と判明した。
ウンモ星人からの手紙については、評価が分かれている。
フランスの科学者ジャン=ピエール・プチなどは、ウンモ星人からの手紙に想を得ていくつもの科学論文を書き、スペインのアントニオ・モヤ・セルパはウンモ語の辞書を作成するなど、手紙の情報を高く評価する者がいる一方、その内容には厳密な論文と呼べるものはなく、宇宙論や推進理論についても、1960年代までに発表された各種の学説やSF小説の域を出ないという指摘もある。
サン・ホセ・デ・ヴァルデラスのUFO写真については、1977年にフランスのクロード・ポエールが分析を行い、糸で吊るされた模型を写したものと判明している。その前のアルーチェの事件についても、その日、その時刻に、天文台は何も観測していなかった。
さらに1974年、ジャック・ヴァレーはエメ・ミシェルらと一緒に、ウンモ星人が着陸したとされる地域を探査したが、地下の隠れ家らしきものはなかった。
では、この事件が大規模な捏造だとすれば、だれがこの大量の文書を何十年にもわたって書きつづけているのだろう。また、その動機は何なのだろう。
KGBやCIAといった情報機関が、人々の反応を見るための社会実験として行ったという説も見られたが、手紙の大部分がスペイン語で書かれており、受け手もほとんどがスペイン人であることから、スペイン人研究家のだれかが疑わしいと思われた。
やがて、手紙の内容に記された科学知識を有し、UFOにも関心のある人物として浮上したのが、マドリード・グループの一員であるホセ・ルイス・ホルダン・ペーニャだった。ペーニャは通信技師で、技術学校では物理やエレクトロニクスを教えていた。スペイン超心理学会では副会長も務め、人類学や科学、宗教史に関心があった上、外国語にも堪能だった。
ある会合でペーニャが描いたイラストは、ウンモ星人の手紙に添えられたものとそっくりだった。さらにペーニャは、アルーチェでウンモ・シンボルのついたUFOを目撃したと称する人物のひとりでもあった。
ペーニャは当初、自分がウンモ星人を名乗って手紙を書いたことは否定していた。しかし、1993年4月になって、突然、自分がすべてを作りあげたのだと認めた。数年前、彼が脳出血を患ったことも関係していたのかもしれない。ペーニャはいったんこの証言を撤回したが、1995年以降は自分が主犯だったと繰り返しており、現在ではウンモ事件は彼のねつ造であったというのが定説だ。
ところが、すべてをペーニャの仕業とするには、いくつか疑問が残ることも事実だ。
そもそも、これだけ膨大な量の手紙を、長年にわたってペーニャひとりで書きつづけることができただろうか。ウンモ星人の手紙は、アメリカ、ソ連、ドイツ、中国などさまざまな国から投函されているし、彼が2014年に死亡した後も、ウンモの手紙は今にいたるまでスペインで出現しつづけているのだ。
もっとも、ペーニャには共犯者がいたともいわれているから、その共犯者がペーニャの死後も手紙を書きつづけているとか、他の模倣犯が現れたのだという説明も可能かもしれない。
しかし1989年9月には、スペインから遠く離れた旧ソ連のヴォロネジで、胴体にウンモ・シンボルをつけたUFOが目撃されている。しかも同時に出現したヒューマノイドのベルトにも、同じマークが刻まれていたのだ。
サン・ホセ・デ・ヴァルデラスの事件については、写真自体はトリックと判明したが、このときの目撃者は10名ほどもおり、それぞれがUFOに記号のようなものがあったと証言している。
さらに、スペインの研究家ラファエル・ファリオルスは、自分の秘書が癌に冒され、当時の医学では助からない状態になったとき、ユミットが現れて治療してくれたと証言している。
これらの証言が正しいとするならば、ウンモ事件の謎は完全には解けていないといえよう。
(ムー2020年7月号掲載)
●参考資料=『宇宙人ユミットからの手紙』(ジャン=ピエール・プチ著/徳間書店)、『宇宙人ユミットの謎』(マルチーヌ・カステロ、イザベル・ブラン、フィリップ・シャンボン著/徳間書店)、『人はなぜエイリアン神話を求めるのか』(ジャック・ヴァレー著/徳間書店)/『図解UFO』(桜井慎太郎著/新紀元社)/他
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