世界各地の古代文明に共通する「謎のハンドバッグ」の正体は? 未知の“相互関連性”と古代宇宙飛行士説
世界各地の古代文明のレリーフに描かれている人物に、奇妙な共通点があった――。文化も出自も異なるはずのキャラクターたちが、皆一様にハンドバッグを手にしているのだ。
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ブラックホールはダークエネルギーから得た情報を蓄える宇宙の観測者だというのだ。三上編集長がMUTubeで解説。
宇宙が膨張している。1929年にハッブルが、宇宙の星々が遠ざかっていることを発見、宇宙の始まりはビッグバンという超大爆発であり、宇宙はそのときからずっと膨張していると考えられてきた。
しかし宇宙の中の物質は、引力で互いに引き合う。それがブレーキになり、徐々に膨張速度は遅くなる。宇宙の膨張はいつか止まり、やがて収縮しはじめるというのが、これまでの宇宙モデルだった。
ところが、1998年に宇宙の膨張は止まるどころか加速しているとわかったのだ。超新星の観測を精密に行ったところ、超新星の明るさが計算上の値よりも暗かった。ということは計算上よりも遠くにあったわけだ。宇宙は減速するどころか加速しながら膨張していた! この事実を発見した天文物理学者のソール・パールムッターらは、2011年にノーベル賞を受賞している。
では、宇宙を膨張させるエネルギーは何なのか。これが最近よく耳にするダークエネルギーである。正体不明だからダークという。
引力に打ち勝ち、宇宙を膨張させつづけるダークエネルギー。その正体は、もしかしたらブラックホールにあるのではないか? という研究が、2023年2月に日本を含む9か国からなる国際研究チームによって発表された。宇宙の膨張に合わせて、ブラックホールも膨張していたのだ。今回の結果が正しいとすると、ブラックホールの構造、ひいては宇宙の構造は、これまで考えられていたものではないことになる。
学校では宇宙の大きさは138億光年(あるいは150億光年)と教えている。
これは138億年前に宇宙ができたという意味でもある。宇宙に関してはサイズ=年齢なのだ。
光の速度は宇宙の絶対速度で、真空中の光の速度は一定というのが特殊相対性理論の大前提だ。ビッグバンで膨張が始まったとき、宇宙の膨張速度は光の速度だった。だから宇宙の年齢=宇宙のサイズになる。宇宙のサイズが「光年」、時間の単位である「年」で表されるのは奇妙だが、それは宇宙が光の速度で膨張しているからだ。
ところが宇宙はダークエネルギーによって加速していることがわかった。現在は宇宙の観測可能なサイズは464億光年だというのが通説だ。なぜ464億光年かというと、138億光年の球が、相対性理論に従って空間が引き伸ばされ、見かけ上464億光年の球になるからだ。ざっくりといえばそうなる。
これが観測の限界で、さらにその外側に宇宙は広がっているらしい。宇宙全体の大きさは不明で、正確な宇宙像は決まっていない。最近では、60年代にはSFのネタでしかなかった多元宇宙論=マルチバース論や宇宙はデータでしかないというホログラフィック宇宙論といった、異端の学説も注目を集めている。
宇宙が加速膨張するとわかって、まだ20年ほどしかたっていない。わからないことが多すぎるのだ。
ダークエネルギーが解明できないと正確な宇宙の姿は見えてこない。
2015年に重力波望遠鏡が13億光年先の衝突するブラックホールの重力波を観測して以来、ブラックホールの見方は大きく変わってきた。
2022年、ハワイ大学のダンカン・ファラーらはブラックホール同士の衝突の重力波望遠鏡のデータとシミュレーションの結果から、ある仮説を立てた。「cosmological coupling=宇宙カップリング仮説」という。
ブラックホールを単純に巨大な星が潰れたものだとすると、質量は元の星の重さと同じだ。何億年もたてば、周りの星間物質や星もブラックホールの超重力が飲み込んでいくので、その分だけ重量は増える。飲み込まれた恒星の残骸からどのくらい質量が増えたのかは逆算できる。ただし、これまでのブラックホールのモデルでは宇宙の膨張は計算されていなかった。
膨張どころか、いずれは縮小する古典的な宇宙を前提につくられたモデルだったからだ。
ファラーらが宇宙の膨張を組み込んでブラックホールの衝突をシミュレーションすると、衝突前にブラックホールの質量が増えていることを発見した。これは重力波望遠鏡のデータともおおむね一致した。
ブラックホール同士がぶつかる前に質量が増えたということは、どこからか質量を吸収しないといけない。しかしブラックホールはすでに周囲の恒星や星間物質を吸い込んだ後で、周りには何も残っていない。
宇宙の膨張もブラックホールもアインシュタインの一般相対性理論から導かれる。同じひとつの式から、条件を変えて導かれる別の答えだ。ということは宇宙の膨張とブラックホールは実はつながっている可能性がある。
ダークエネルギーは質量密度が一定なので、体積が増加すると質量も増加する。ダークエネルギーによって空間が膨張すれば、膨張した分、ダークエネルギーの質量は増加する。
ブラックホールの質量が増えたということは、ブラックホールの内部にはダークエネルギーが詰まっているのではないか?
ブラックホールの巨大化と宇宙の膨張は表裏一体で、ダークエネルギーが宇宙とブラックホールの内部をつないでいるのだろうか?
続きは本誌(電子版)で。
久野友萬(ひさのゆーまん)
サイエンスライター。1966年生まれ。富山大学理学部卒。企業取材からコラム、科学解説まで、科学をテーマに幅広く扱う。
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