ヒバゴンの郷に幸運の「オーブ」が舞った! 商業施設を見守るザシキワラシ説

文=おかゆう

地域:

    白くて丸いものが夜な夜な出現! 獣人UMAの郷に、ザシキワラシの霊も住み着いたのか?

    ヒバゴンの郷で「オーブ」発生

     広島県庄原市西城町の中心部にある複合型施設「ウイル西城」で、衝撃的な出来事が発生している。

     ウイル西城は、スーパーマーケットや薬局、衣料店、そして郷土の偉人・宮田武義記念館など、多彩なテナントが集まる”まちの駅”である。

    ウィル西城。

     2025年6月16日、ウイル西城の社長が出勤した際、その異常に気づいた。
     夜中にセンサーが作動し、防犯カメラに何かが録画されていたのだ。

     不審な侵入者……泥棒か? そう心配して確認しても、人はおろか動物の姿さえも映っていない。
     そこに映っていたのは“ふわり”と漂う不思議な白くて丸い物体だった。
     その現象は一度きりではなく、以降も出勤のたびに防犯カメラに記録され続けたという。

     最初は恐ろしく、どうすべきか迷った社長だったが、施設園ものや関係者にはとくに異変はないこともあり、具体的な対策まではしなかった。その後も「白くて丸いもの」が映ることはしばしば起きつづけた。

    オーブを発見したウィル西城の社長(右)と筆者。

     ムー読者であれば、映像を見てそれがいわゆる「オーブ」と呼ばれるものだとは察することができるだろう。心霊スポットやパワースポットで撮影した際に写り込むとされ、現場の霊的なもの、エネルギーが見える形で現れたものだとされる。また最近は監視カメラに写り込む浮遊物体が発見されることも増えた。これらもオーブ現象となんらか関係があるかもしれない。

     さておき、オーブは必ずしも幽霊や祟りなどのものではない。霊能者の中には「赤いオーブはよくない霊」とする説もあるが、ウィル西城のオーブが穏やかな白色であることから、社長は安心して見守ることにしたそうだ。
     いまや社長はオーブに「カメマロ」と名付け、録画された映像を眺めながら「かわいいなぁ」などと愛着を深めているという。カメマロという名前は、岩手県にあるザシキワラシが出る宿の緑風荘にちなんでいる。緑風荘ではオーブの撮影報告が多く、その正体はザシキワラシだといわれているのだ。

     ウイル西城に住み着くように出現し、見ている者に親しまれるオーブも、もしかしたらザシキワラシのような存在なのだろうか。ウィル西城は今夏に「ヒバゴン展」を実施し、町外からの来訪者が増えたスポットだ。6月からのオーブ=ザシキワラシは、この盛況をあらかじめ祝っていたのかもしれない。

    2025年8月13日~9月14日に「ヒバゴン展」が開催されていた。

    現地でオーブとの交信に挑戦!

     西城町のオーブ現象を検証すべく、9月13日に特別企画として「ヒバゴン展」のナイトミュージアムが開催された。

    「オーブが出るらしい」と聞きつけた25名が集まり、カメラを手に撮影を試みた。これまで防犯カメラに撮影されてきたオーブ映像がプロジェクターで上映されると、白い球体が立体的に浮遊し、上下左右に自在に動く様子に参加者は驚いた。
     やがてメインイベントの観測実験が始まった。照明を落とし闇に包まれた会場で、防犯カメラの映像を全員で見守ると、ふわりとオーブが横切ったのだ。
     肉眼では見えないが、カメラにははっきりと映し出され、参加者は歓声を上げた。さらに「ヒバゴンお姉さん」こと岡崎優子さんによる共演実験では、オーブが彼女の横を通過する瞬間を複数回観測することに成功した。
     令和の時代に、これほど大人数で大規模な交霊実験が成功するとは、まさに奇跡といえるだろう。

    ナイトミュージアムでの検証動画では、いくつかのオーブの出現が確認できた。上記画像では、画面右に白い球体が出現している。
    ナイトミュージアムで撮影されたオーブ映像を確認する参加者たち。

    ザシキワラシが住み着く?

    「遠野物語」では、ザシキワラシが去った家が衰退する話が怪奇譚として語られている。だがこれによって、ザシキワラシが住んでいればその家は栄えるという開運譚、またザシキワラシは引っ越す存在であるという妖怪のような一面が広まることとなった。今やザシキワラシは遠野のみならず全国各地で遭遇エピソードがあり、幸運のシンボルとして認識されている。

     西城町、ウィル西城のオーブがザシキワラシに由来するのか、それはまだわからない。
     ただ、広島県内では、庄原市の隣、三次市のそば山菜料理店「わらべ」は実はザシキワラシのスポットだった。1998年の開店当初からザシキワラシが出ると噂されたが、女将の逝去により2022年9月末で閉店となった。西城町の近くでザシキワラシが次の住処を探していたとしたら……?

     西城町観光協会では、今後の計画としてウイル西城での宿泊付き観測のイベントも考えているようだ。ウイル西城のオーブは、ヒバゴンの郷の新たなご当地ミステリーとなるのかもしれない。

    <お知らせ>
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    https://readyfor.jp/projects/hibagon

    おかゆう

    オカルトライター。現地取材が好き。一般社団法人 超常現象情報研究センター、つちのこ学会所属。

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