ヒマラヤ登山家が「イエティの足跡」を発見! 「失われた谷」ルートに聖獣の痕跡があった!

文=田辺青蛙

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    ヒマラヤの山中で著名な登山家がイエティの足跡を発見。写真とともに送られたメッセージには、発見時のリアルで生々しい状況が克明に記録されていた!

    ヒマラヤ登山中に撮影成功

     登山家で探検家のグラハム・ホイランド氏がイエティらしき足跡を発見した。
     そんな知らせが彼のパートナー・ジーナさんから届いた。
     ホイランド氏は1993年10月7日に英国人では15人目のエベレスト登頂者となった経験を有している登山家だ。
     彼はジョージ・マロリーとサンディ・アーヴィンが死ぬ前にエベレストの初登頂を成功させたかどうかの謎を探求する『エベレスト最後の時間:マロリーとアーヴィン』の著者としても知られており、マロリー・アンド・アーヴィン研究遠征隊のメンバーでもあった。この遠征隊は1999年にジョージ・マロリーの遺体を発見して大きな話題となったので、日本でもご存じの人が多いだろう。

    イエティの足跡を発見した登山家、グラハム・ホイランド氏。2018年にアメリカのハーパーコリンズ社から出版された『Yeti』の著者でもある(https://www.grahamhoyland.com/)。

     そのホイランド氏がイエティの足跡を発見したというのだ。送られてきた写真には、大きな獣の足跡がひとつ。そして、発見当時の状況が生々しく綴られていた。

    「ブータンのチベット国境に、外国人が訪れることはめったにありません。私たちの遠征隊は、首都ティンプーを出発してからというもの、毎日冷たい雨と雪に打たれ、過酷な状況下にありました。たどり着いた避難所からも大雪のせいで退却できず、前にある山道も閉鎖されて、私たちは閉じ込められた状態となってしまったのです。
     そのうえ隊の引き連れていたヤクは3週間分の物資しか積んでおらず、隊員のなかには負傷者も含まれていました。この状態は深刻だったので、ヤク飼いにアドバイスを求めたところ、彼は『失われた谷』と呼ばれるルートが使えるかもしれないと教えてくれました。
     それ以外の方法が思いつかなかったこともあって、われわれはすぐに避難所を出発することにしました。
     険しい山道を進みつづけ、荷物を積み込んだ最初のヤクが私たちの前を通りすぎたときです。ヤク飼いの青年ソナムが左側の雪原を指差していました。
     そこにあったのは、かなり間隔を空けたふたつの足跡でした。私の背筋には冷たいものが走りました。足跡は10フィート(約30センチ)よりも大きく、私たちが到着する直前に踏み固められたように見えました」

    発見されたイエティの足跡。指の跡も生々しく残されている。

    イエティは「Abominable」な存在

     ホイランド氏によれば、ヒマラヤではときどき、こういった足跡が見つかるという。現地の人々はこれが忌まわしい雪男、それもイエティと呼ばれる存在として知られている幻獣のものだと語っているそうだ。

    「熟練の登山家しか近づけず、ヤクですら進むのを躊躇するような場所です。いつ人が通るかどうかもわからないところに、偽物の足跡をつけるイタズラは考えられない。そして爪痕の特徴が、この足跡がクマではないことを示唆しています」

     そう語るホイランド氏はイエティを「Abominable」と形容した。忌まわしい、恐るべき、不吉な、といったニュアンスだ。英国人として現地の伝説に畏怖を感じたようだ。
     私たちの惑星上には推定1000万の生物種がおり、人間はそのうちの約200万種しか特定できていないといわれている。知られていない大きな霊長類がいてもおかしくない。
     この写真は今後ヒマラヤの神話的獣人イエティについて、大きな証拠となりそうだ。

    (上下)足跡が発見された現場。ホイランド氏の登山仲間であるスティーブ・ベリー氏もイエティの足跡を発見している(https://www.mountainkingdoms.com/)。

    (月刊ムー 2025年7月号掲載)

    田辺青蛙

    ホラー・怪談作家。怪談イベントなどにも出演するプレーヤーでもある。

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