「宇宙人」と呼ばれた伝説のテレビマンが体験したエリア51での恐怖/UFOディレクター矢追純一(3)
テレビがまだ娯楽の中心だった1970~1980年代。UFOや超能力、ネッシーなどを紹介し、全国に一大ブームを起こした男がいた! 彼の名は、矢追純一。その後の日本人の意識を大きく変えた、伝説のテレビ・デ
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エリア51を捨てて築かれる、新たなる秘密基地「エリア52」。それは広大な大地に掘られた巨大なる地下基地だった!
ネバダ州ラスベガス。有名ホテルが立ち並ぶきらびやかなザ・ストリップを抜けて高速道路に乗り、北に向かってひたすら2時間ほど走ったところに、エリア51に最も近い町──といっても、2020年度資料によれば人口はわずか96人だ──レイチェルがある。
“エクストラテレストリアル・ハイウェイ”と呼ばれることのほうが多い州道375号線の脇に、リトル・エイルインというダイナー兼モーテルがある。
筆者は数回にわたってエリア51の現地取材を行っているが、いつのころからか、このリトル・エイルインに常駐するリサーチャーたちから「エリア52」という言葉を聞くようになった。初めて耳にしたときは、キャッチーではあるけれど何か都合のいい響きの言葉だと思った。今回の番組は、そのエリア52をテーマにして進められる。
エリア51に関する噂は、今でも絶えない。いわく──ロズウェルで墜落したUFOの残骸が保管されている。リバースエンジニアリングで作られた地球製UFOの飛行実験が行われている。いや、それだけではなくて、生きたエイリアンが幽閉されている──。
これら数多くの噂は、だれもが知っているはずの極秘基地の存在を、かたくなに否定しつづけてきたアメリカ政府の姿勢とも無関係ではなかったはずだ。
2013年8月になってエリア51に関するCIA文書が公開されたときも、ただ存在が認められただけで、何が行われているのかは、いっさいわからなかった。状況は今も変わらない。
番組は、ジョルジョ・ツォカロスが、1960年からエリア51でソ連製レーダー機器の分析を行っていた電気技師の男性に直撃インタビューを敢行するところから始まる。この人物が深く関わっていた研究の内容も紹介されるが、現状における基本的な問題は、エリア51で今も極秘研究プロジェクトが行われているかどうかだ。何十年にもわたって隠されてきた施設の存在を政府があえて認めたのはなぜか?
イギリスの元国防相ニック・ポープは語る。
「ひとつ考えられるのは、エリア51で行われていた研究が、そのまま別の場所に移されたという可能性です」
このあたりから番組のテンションは静かに、そして確実に上がっていく。
今回の番組では、ツォカロスもかなりアクティブにフィールドワークを行っている。たとえば、砂漠に降る雪のなか、冒頭で触れたレイチェルをリサーチャーのウルフ・マッカロンとともに訪れるくだり。目的はエリア51の地下に広がるとされているトンネル網について調べること。そこで、地元の鉱山業者から地下構造についての具体的な証言を引きだす。さまざまな証言内容をまとめた結果、コロラド州からニューメキシコ州、そしてアリゾナ州を横切ってネバダ州に至る巨大地下トンネル網の存在が浮かびあがる。
エリア51の地表部分には何も残されていない。
これはリサーチャーたちのコンセンサスだ。ただし、意見はそこからいくつかに分かれる。地下が5〜6階の構造になっていて、特に機密性の高いプロジェクトが行われているフロアがある。あるいは、エリア51でのプロジェクトは終焉を迎えていて、続行が必要なものはほかの場所に移されている。そして移送先の施設が“エリア52”と呼ばれている──など。
エリア52の場所については、さまざまな噂がある。
ニューメキシコ州北端、コロラド州との州境近くに位置するダルシーという町がその場所だという説。あるいはそこから西に行った“フォー・コーナーズ”=北西はユタ州、北東はコロラド州、南東はニューメキシコ州、南西はアリゾナ州という4つの州が交差する地点の地下に基地があるという説。もちろん、真実はわからない。
ただ、ダルシーにはアーチュレタ・メサ(丘)という名所があり、その中腹に開口部があって、UFOらしき物体が出入りしているところを目撃したという地元民が数多く存在する。ならば、エリア52が存在する場所として最も可能性が高いのはダルシーなのか。
いや、話はそれほど単純ではないはずだ。たとえば、エリア51の地下で、いまだに何らかのプロジェクトが進行しているとしたらどうだろう。
それに加えて、驚異的な仮説を展開するリサーチャーもいる。エリア52というのは特定の場所にある地下秘密基地の名称ではなく、コロラド州、ネバダ州、アリゾナ州、そしてニューメキシコ州をつなげる地下トンネル網全体を意味するのではないか、というのだ。
そして各種の極秘プロジェクトが、このトンネル網を使って移動しながら進められているとしたら……。
そういう方向性の仮説が今も、時間の経過とともに支持を集めつつある事実も書き加えておきたい。
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宇佐和通
翻訳家、作家、都市伝説研究家。海外情報に通じ、並木伸一郎氏のバディとしてロズウェルをはじめ現地取材にも参加している。
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