スティーブン・ミシャラクが遭遇したファルコン湖UFO事件の現在/遠野そら
UFOに遭遇し、重傷を負った男、スティーブン・ミシャラク。1967年の発生以来、その真偽については世界中のUFO研究者が議論してきた。現在、現地カナダでは記念コインが作られ、事件資料が大切に保管されて
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雪に覆われたフィンランドの静かな村の外れで、スキー中の男性2人がUFOの着陸を目撃。中から出てきたエイリアンと対峙した事件がかつて起きている。現場調査も行われたが、事件の実態は謎のままだ――。
UFOの目撃に加えて、その中から出てきた搭乗員に出会い、お互いの存在を確認することは「第三種接近遭遇」に分類される事件となる。記憶があいまいになったり一時的な記憶喪失を伴う「エイリアン・アブダクション」とは違い、その一部始終を現場で目撃する第三種接近遭遇のショッキングな記憶は色褪せることがない。そのため、目撃者の人生に大きな影響を及ぼしかねない体験になる。
1970年にフィンランドの寒村で起きた「イムヤルヴィUFO事件」は、2人の男性がUFOとエイリアンに遭遇した興味深い第三種接近遭遇事件である。
1970年1月7日の夕方、フィンランド南東部の村、イムヤルヴィでのことだ。36歳の林業従事者、アルノ・ヘイノネン氏とその友人のエスコ・ヴィリヨ氏は、雪が積もった村はずれの一帯をスキーを滑らせて移動中であった。
森に夕闇が迫ると、「ブーン」という振動音によって静けさが破られ、続いて空から明るい光が降り注いだ。彼らは空に輝く雲を見たのだが、よく見ると金属製の飛行物体の存在を認めた。
直径約3メートルの円盤型の飛行物体は、彼らの真上でいったん静止すると、真下に向けて強い光線を発し、雪上を円型に明るく照らしながらゆっくりと降下してきた。
足を止めて唖然としながら見つめるしかなかった2人だが、降りてきたUFOの底部からは、なんと小柄なヒューマノイドが姿を現したのだ。
小さくて華奢な姿のエイリアンの身長は約90センチで、腕も脚も細長く、薄緑色のボディスーツを着ていた。顔に目のような窪みがあり、かぎ鼻と、小さな耳もあった。姿かたちは小柄な人間だが、ひと目見れば、地球外からやって来た訪問者であることを革新できたという。
エイリアンに至近距離で対峙した2人は、不思議なことに身体を動かすことも声を出すこともできず、ただこのエイリアンの姿を黙って見ているしかなかった。
エイリアンをよく見ると、その手に小さな黒い箱を抱えており、2人に向けるかのようにして箱のフタを開くと、そこから眩い光が溢れ出し、2人は一時的に視力を奪われた。
なんとか視力を取り戻した2人は、周囲が黒い霧に包まれていることを理解した。すぐ横に並んで立っているお互いの姿が見えないほどの濃い霧であった。
霧はすぐに消えたが、目前にあったUFOとエイリアンの姿は跡形もなく消え去っていた。強烈な印象を残す出来事であったが、事件全体は10秒ほどの間のことであったという。
この遭遇事件後、2人の体調は悪化の一途を辿った。
ヘイノネン氏は吐き気、頭痛、血尿の症状によって当面は仕事を休むことを余儀なくされ、ヴィリヨ氏は身体の痺れと皮膚が赤く腫れる症状に襲われた。さらに2人とも関節痛、平衡感覚の異常、全身の倦怠感などに悩まされることになった。
ヘイノネン氏の症状は特に酷かったが、医師からも特に異常は見られないと診断され、鎮痛剤を処方されるだけだった。しかし苦痛は和らぐことなく、仕事への復帰を断念。一方でヴィリヨ氏はなんとか以前の生活を取り戻すことができるまでに回復した。
放射線被曝を指摘する声もあったが、当時の民間病院では測定することができず、時の経過と共に不問に付されるしかなかったようだ。
回復しない体調も後押ししてか、ヘイノネン氏は「UFO研究センター」に連絡を取り、自分の身に降りかかった災厄の謎の答えを求めた。
6月、スウェーデンの研究者チームが遭遇現場を調査することになり、ヘイノネン氏とヴィリヨ氏が同行したのだが、現場に来るや2人の体調がまたしても悪化し、離脱を余儀なくされた。
この出来事の後、ヘイノネン氏は少なくとも23回、UFOを目撃したと話しており、また180歳の金髪の宇宙人女性をはじめ、多くのエイリアンと出会い、その過程で超能力を獲得したとも語っている。
しかし、このような言説はむしろヘイノネン氏の評判を落とすほうに働いてしまったともいわれている。この一件は、人々を欺くために2人が画策した作り話ではないかという疑惑が持ち上がってきたのだ。
ところがその後、事件発生日に遭遇現場から1マイルほど離れた場所に住む人々から「上空に光るUFOを見た」という報告があったことが発覚。当日に何かが起きていたことを裏付ける有力な証拠となっている。
フィンランドの超常現象雑誌『Ultra(ウルトラ)』の編集長で、UFO研究家のタパニ・クニンガス氏は「ヘイノネンについて最も注目すべき点は、彼の性格が突然変化したことであり、これに関連して彼は外見が10歳も若返り、いわゆる超能力も獲得しました。後にも先にもこのような例は見たことがありません」と言及している。
はたして、この日の彼らに何が起こっていたのか。少なくともヘイノネン氏のその後の人生を完全に変えてしまった出来事であったことは間違いない。疑いは払拭されていないにせよ、作り話で自分の人生を波乱含みのものにするというのも考え難いだろう。
いずれにしても、50年以上前に起きた第三種接近遭遇事件「イムヤルヴィUFO事件」は今なおフィンランドを代表する謎多きUFO事件として語り継がれている。
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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