月面に巨大な穴や巨大なミステリー・サークルがある! そこに浮かぶ文字とは?/並木伸一郎・月の都市伝説

文=並木伸一郎

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    2回目の月の異常現象は、月面で捕らえられた謎の地形を紹介します。

    「嵐の大洋」で捉えられた大穴

     世界初となった月面ハイビジョン撮影に成功など、輝かしい功績を残したJAXAの月周回衛星かぐや。月の起源と進化ほか、さまざまな観測を目的として打ち上げられたこの衛星は、2009年にミッションを終えた。本機がもたらした月の映像から、月に水があることなど、さまざまな月の謎が判明したが、そうしたなかに、とんでもないものが紛れ込んでいた! 月の地下へと縦に伸びる巨大な「溶岩トンネル」を発見していたのである。
     これを世界に向けて公表したのは、JAXA所属の春山純一助教授率いる調査チーム。同助教授が担当した地形カメラが、火山活動が活発な「嵐の大洋」と呼ばれる地点に、直径60〜70メートル、深さ80〜90メートルの大きな穴が存在することを確認したのだ。

    月周回衛星かぐやが月面「嵐の大洋」で捉えた、小さなクレーターと見まがう巨大な縦穴。底には何かがあるのだろうか。

     それだけではない。太陽の光や影を解析したところ、画像から確認できない穴の内部には横幅400メートル以上、高さ20〜30メートルのトンネルの存在まで判明しているというのだ。そして今、この地下穴が「天然の基地になり得る」として、各国の注目を集めている。仮に、月表面に基地を築くとなると、有害な宇宙線の影響や極端な気温の変動、隕石の落下などの危険性が隣り合わせになる。だが、この地下穴を利用すれば、それらすべての問題を回避できるというのだ。
     その“正体”について、火山活動に起因する天然の穴説が有力視され、事実、2010年3月、NASAのルナ・リコナイサンス・オービターもマリウス丘で溶岩洞を発見している。それと同様であると片づけられているのだ。

    2010年3月、NASAのルナ・リコナイサンス・オービターがマリウス丘で発見した溶岩洞。

     だが、これらの穴の存在は、しばしば語られる「空洞説」や、月の「先住者=異星人」が造りあげた地下基地の痕跡、あるいは、「人工天体説」を証明する手がかりになるかもしれない。
     はたして、この地下穴の先には、いかなる“答え”が鎮座しているのだろうか? 興味はつきない。

    月の巨大ミステリー・サークル

     1971年7月30日に月に着陸したアポロ15号が持ち帰った左の画像は、月の表側にあるアルキメデス・クレーター周辺をとらえたもの。小さな画像では確認が難しいのだが、拡大すると、直径およそ1万メートルのクレーター内とその周辺に無数の円形痕が並んでいる。
     そのどれもが正確な幾何学模様を描いており、自然の造形物ではないことは明らかだ。アポロ計画の前に行われたルナ・オービター計画でも同じエリアが撮影されているが、このときの画像には円形痕は見られない。つまり、ルナが飛んだ1966年から15号が着陸するまでの5年の間に、何者かが残したものである可能性が高いのだ。
     その形状は地球上で見られるミステリー・サークルを連想させるが、UFOの着陸痕の可能性も考えられる。どれもが直径2000メートル級の大きさであり、仮に着陸痕ならば、とてつもなく巨大なUFOが残したものになるだろう。
     実は、この着陸痕説を裏づけるような構造物が、この画像には写りこんでいる。それは画面左上に丸囲みした構造物だ。同様の構造物はほかのエリアでも発見されているのだが、これらは月面地下にある施設の出入り口ではないかと推測されているものなのだ。さらに、ほかの丸囲みエリアには、建物のような構造物も確認できる。

    アポロ15号が撮影したアルキメデス・クレーター周辺の様子。あちこちにUFOの着陸痕を思わせるサークルが見られる。また、左上丸囲みは地下施設への出入り口、ほかの丸囲みは建物のようだ。

     これらを総合し、仮説してみると、この一帯が月面と地下をつなぐ、UFOの発着エリアである可能性が浮かびあがってくる。
     月になんらかの施設を建造しようと考えた場合、太陽光の直撃を受け、隕石落下の脅威にさらされる地表は適切ではない。その主要施設は、その地下に置くはずだ。それをなそうとするのが地球人であれ、地球外生物であれ、同じ条件であるはずだ。それゆえ、月には地下施設があると、かねてから噂されてきたわけだが、もしかしたら、この画像がその決定的な証拠なのかもしれない。

    月面の文字

    1958年、豊田堅三郎工学博士が月の「静かの海」近くで目撃した「Pyax」の文字が浮かんだのは、丸で囲んだ辺りだという。

     1961年、アメリカ大統領ジョン・F・ケネディは1960年代が終わるまでに、人類を月へ送ると表明、アポロ計画が発動した。だが当時、アメリカはすでに月面に到達しているという噂がささやかれていた。実は、その話を裏づけるような怪現象が起こっている。
     1958年9月29日、明治大学の豊田堅三郎工学博士が、月を望遠鏡で眺めていたとき、見慣れないものを発見した。その地点は、「静かの海」の真西。真下にある直径約144キロのトレミー山の大火口の倍はあろうかという、巨大な黒い文字が浮びあがっていたのである。 驚愕した博士は、その場に居合わせた人たちにも確認してもらったというから、この話の信憑性は高い。
     文字はまぎれもなくアルファベットで「Pyax jwa」と読み取れたという。これは何を意味するのか? さまざまな仮説が立てらた。
     たとえば、文字が描かれたエリアの名が、ジュリアス・シーザー(Julius Caesar)なので、「jwa」は「jca」の誤読で、その名を略したもの。「Pyax」は、極秘にこの地に到達したアメリカの探査員が偉業を記念して自らの名を刻んだという説がある。だが、極秘任務を課せられた人物がそんな“いたずら”をするだろうか。  これについてUFO研究家・高梨純一氏は、大胆な仮説を立てている。「x」は「エクスペリメント」であると解釈、「Put your another experiment just a while away(あなた方の次の実験を当分延期せよ)」というメッセージだと主張した。月面の高度な技術を有する“存在”が、人類が月に降り立つことを牽制しているというのだ。
     もちろん、地形による錯覚とする見方もあるが、偶然にしてはあまりにもできすぎている。さらにいえば、豊田博士は1か月後にも同じ文字列を観測し、そのときも複数人によって確認されている。アポロ前夜の月面に文字が浮かんだことだけは、揺るぎない事実なのだ。

    『ムー認定 月の都市伝説』(並木伸一郎・著)より。

    並木伸一郎

    「ムー」創刊当初から寄稿するベテランライター。UFO研究団体ICER日本代表、日本宇宙現象研究会(JSPS)会長などを兼任。ロズウェルやエリア51をはじめ現地調査を重ねて考察し、独自の仮説を「ムー」や自身のYouTubeなどで発表している。

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