水陸両棲UMA「フロッグマン」! 米オハイオ州らブランドに生息するカエル男の謎/並木伸一郎

文=並木伸一郎

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    世界各地で、人知れず棲息する未確認動物=UMA。とりわけ強烈な存在感を放ち、現代人がリアルに語りつづける「都市伝説UMA」の数々を紹介する。

    ゲーム中のカップルが伝説のUMAに遭遇!

     アメリカ、オハイオ州クラーモント郡ラブランドは、昔からUFOやUMA、怪光、霊現象など超常的な事件が多発するミステリーゾーンである。

     そのラブランドの郊外を流れるリトルマイアミ川に、無気味な噂が伝わっている。川にある洞窟の奥深くにカエルの姿をしたUMAが潜んでいるというのだ。地元では「フロッグマン(カエル男)」と呼ばれている。

    左:2016年8月、オハイオ州ラブランドのイザベラ湖で撮影されたフロッグマン。撮影者によれば、体長120センチほどで、立ちあがって歩いていたという。右:フロッグマンを拡大した様子。両目がライトのように光っているのが無気味だ。

     その存在はなかば都市伝説と化しているが、なんと2021年6月に、新たな事件が報告された!

     深夜、救急車が患者を乗せて川沿いの道を走行していたところ、運転していた救命士がガードレール脇に立つ巨大な生き物を目撃。思わずスピードを落として、それを凝視した。
     そこにいたのは、体長約1.2メートルで、体つきはまさにカエルそのものの化け物だった。手足には水かきがついており、肌は黒っぽくなめした皮のように見えた。ヘッドライトの光に照らされた目は赤くギラついている。
     救命士はそのまま通り過ぎたあと、バックミラーで確認すると、カエルの化け物は、ゆっくりとした足取りで土手のほうに向かって歩きだし、灌木の茂みに姿を消したという。不思議なことに、この事件と前後して、「フロッグマンを見た」という報告が複数あったそうだ。

    森の中に立つフロッグマン。インターネットを通じて世界中に広まった写真だが、詳細はわかっていない。

    ラブランドで「ポケモンGO」をプレイ中に……

     さらに、フロッグマンの姿を捉えた動画も存在する。

     2016年8月のある夜、位置情報ゲームアプリの「ポケモンGO」にハマっていたサム・ジェイコブズとガールフレンドのリリー(ともに仮名)は、新たなポケモンをゲットすべく、ラブランドにあるイザベラ湖へ足を運んだ。
     ゲームに夢中になっていたふたりの前に、突然どこからともなく巨大なカエルが姿を現した。恐怖におののいたふたりだったが、ジェイコブズはとっさに写真と動画を撮影し、その姿を捉えることに成功した。
     ジェイコブズによれば、この巨大なカエルは立ちあがって、後ろ足で歩いたといい、その大きさは「120センチはあった」と証言している。
     イザベラ湖から無事リリーンドの自宅に戻ったが、興奮冷めやらぬまま先ほどの体験を彼女の両親に話して聞かせた。すると、リトルマイアミ川を中心に、昔から「ラブランド・フロッグ(カエル男)」と呼ばれる謎の生物が目撃されていることを教えられた。そして目撃した大ガエルの姿が、語り継がれているフロッグマンの目撃証言と酷似していることを知ったのである。

    懸賞金を懸けられるなどして、フロッグマンはラブランドの町おこしにも一役買っている。 

     カップルの体験談は地元で話題となり、リトルマイアミ川に沿った道路のあちこちに、夜な夜な野次馬が押し寄せるようになった。この騒ぎに恐れをなしたのか、その後フロッグマンは姿を見せていない。

    町おこしの懸賞金まで懸けられたカエル男

     フロッグマンが初めて話題になったのは1955年5月のこと。午前3時すぎ、オハイオ州ブランチヒルのリトルマイアミ川付近で、車を走らせていた男性が、カエルに似た顔で、ヌメヌメとした3体の奇怪な姿の怪物を目撃。そのうちの1体はライトのようなものを頭上にかざしていたという。この目撃報告が現地で知れわたり、その姿から「カエル男=フロッグマン」と呼ばれるようになった。

    1955年5月に男性が遭遇した3体の怪物のスケッチ。カエルに似ていることから、フロッグマンの名がついた。

     それから十数年がたった1972年3月3日深夜12時すぎ、ラブランド署に勤務する警官が、リトルマイアミ川付近をパトカーでパトロール中、道路にうずくまる奇妙な生物を発見した。

    1972年3月、フロッグマンを目撃した警官が描いたスケッチ。両目が異様に大きく、頭部から腰にかけてトゲのようなものが生えていたという。

     車を止めて観察していると、その生物がスッと立ちあがった。車のヘッドライトに映しだされたのは、以前から噂されていたフロッグマンの姿だった。フロッグマンはすぐさま川に飛び込み、そのまま暗闇の中に消えてしまったという。

     この遭遇事件の一週間後、同暑に勤務する別の警官も、同じ場所でフロッグマンを目撃。そのときは、今にも襲いかかってくる気配が感じられたため、警官は拳銃を発砲したと証言している。

    フロッグマンの目撃が多発するリトルマイアミ川。

     一連の事件の現場となったリトルマイアミ川には、地下に川の水が流れ込むことによってできた洞窟があちこちにある。そこには夜間、ブラックパンサー、マウンテン・ライオン、ピューマなど、この地域には生息するはずのない動物がうろついているという。謎のUMAフロッグマンも、このあたりを活動地域としているのだろうか。

     フロッグマンの正体については、「未発見の両生類」「異星人」「河童」など、さまざまな説が挙げられている。近年には町おこしのネタになり、懸賞金まで懸けられているが、いまだに正体はつかめていない。

    「ムー認定! 最驚!! 未確認生物UMAビジュアル大事典」
    監 修:並木伸一郎
    発売日:2023年2月22日(水)
    価 格:1540円(税込)
    発行所:ワン・パブリッシング

    並木伸一郎

    「ムー」創刊当初から寄稿するベテランライター。UFO研究団体ICER日本代表、日本宇宙現象研究会(JSPS)会長などを兼任。ロズウェルやエリア51をはじめ現地調査を重ねて考察し、独自の仮説を「ムー」や自身のYouTubeなどで発表している。

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