深夜の小道を横切ったのはエルフか、ゴブリンか!? メキシコに直立二足歩行の小さな生物が出現
UFOやUMAなど、“超自然的な存在”の目撃情報が絶えないオカルト大国・メキシコ。今度は「道路を横断するエルフ(あるいはゴブリン?)」の姿が激撮された!
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3メートルの異星人として知られる「フラットウッズ・モンスター」の真実に迫る。
1970年代、空前のオカルト・ブームに沸く日本に“上陸”した「3メートルの異星人」の奇怪な姿を覚えている方も多いだろう。近年では「フラッドウッズ・モンスター」と呼ばれる異形の存在は、目撃から70年がたとうとする今でも、多くの謎に包まれている。
本稿では、このフラッドウッズ・モンスターに焦点を当て、最新の研究報告とともに、その正体を探っていきたい。
この驚くべき事件を世に初めて報じたのがUFO研究家のグレイ・バーカー。彼は1953年9月、自ら発行した「SAUCERIAN」創刊号の誌上で、詳細な現地取材レポートを特集した。
第一次資料にもとづくと、怪物が姿を現したのは1952年9月12日。同日午後7時15分ごろ、アメリカのウェストヴァージニア州ブラクストン郡のガザウェイ方面に、輝く物体が尾を引きながら落下。その様子がガサウェイの北西10キロ地点のフラットウッズに住む3人の少年、エディ・メイ(当時12歳)、フレディ・メイ(当時10歳)、トミー・ハイヤー(当時6歳)によって目撃された。
校庭で遊んでいた3人は急いで家に戻ると、メイ兄弟の母親キャスリーン・メイ(当時32歳)にUFOを目撃したと報告する。
キャスリーンは隕石の落下だと思ったものの、メイ兄弟のふたりに加え、ニール・ナンリー(当時14歳)、テディ・ニール(当時13歳、10歳説もあり)、ロニー・シェイヴァー(当時10歳)の3人の子供たち、そして州兵のジーン・レモン(当時18歳)と一緒(トミーも帯同したという説もある)に現場まで行ってみることにした。
落下地点と目される地元農家のフィッシャー農場を目ざす道すがら、彼らは予想よりも早く驚くべきものを目の当たりにする。メイ家から400メートルほど丘を登ったところで、脈動するように光る“火の玉”が見えたのだ。周囲には刺激臭を放つ靄が立ち込めており、目と鼻に焼けるような痛みが走る。
その直後のことだ。物体の左上方に立つ樫の木の下に、無気味に輝く小さな光がふたつあるのをレモンが目撃する。正体を確かめようと反射的に懐中電灯を向けると、そこにたたずんでいたのは人間のような姿の怪物だった。身長は3メートル以上あるだろうか。“先が尖ったフード”あるいは“シャベル” のような形状をした頭部に、真っ赤な顔。目は丸く、穴が空いているようにも見える。
胴体と思しき部分は暗い色をしていて、カーテンのような形状だが、金属的な質感だ。カギ爪のようなものが確認できるが、それが手であるのかどうかは判然としない。脚のような部位も認められないが、必要ないのかもしれない。なぜなら怪物は、その巨体を空中に浮遊させていたからだ。
懐中電灯を向けられた怪物は、一瞬後ずさりするような動きを見せる。だがその直後、両目から光を放ち、シューッという無気味な音をたてながら、少年達との距離を一気につめてきた。そして、キャスリーンの服に油のような物質が付着するまで接近したところで動きを止めると、火の玉に向かって戻っていったという。
子供たちとともに逃げ帰ったキャスリーンが通報すると、すぐに保安官が駆けつけた。事件は地元新聞「ザ・ブラクストン・デモクラット」のリー・スチュワート記者の耳にも入り、彼も現地を訪れている。現場一帯を別々に調査したロバート・カー保安官とバーネル・ロング副保安官は、めぼしい証拠は見つけられなかったようだ。
だが、レモンたちを伴って現場一帯を調べたスチュワートは、“気分が悪くなる、金属が焦げたような臭気”を体感。翌朝、ひとりで現場に戻ったときには、油のような物質が残されていることを確認し、奇妙な形状をした銀色の小さな金属片(プラスチックにも似た黒い破片とも)も発見している。
この話は瞬く間に町中に広まり、数日後には新聞各紙、テレビやラジオを通じて全米に拡大。かくして、3メートルの異星人の存在を世界中の人々が知ることになるのだ。
事件が公になると、少年たちの体験を裏づけるUFO目撃談も数多く得られた。さらなる調査では、光球が落下した時間帯にレモンの母親とその友人が奇妙な体験をしていたことも明らかになった。レモン家で談笑していたとき、突如としてテーブルのコーヒーがこぼれるほど家が激しく揺れ、ラジオが無音状態になったというのだ。ちなみにラジオは、その45分後に何事もなかったように回復したという。
さらに、バーチ川の近くに住むベイリー・フレームは、明るく輝くオレンジ色の光球が現場上空を飛ぶのを目撃したと証言。やがてサットン空港がある方向に飛び去ったというが、同空港においても同様の物体の目撃報告もあるのだ。
ウェストンに住むある母娘は教会に向かう途中で、少年たちが目撃したのと同じとしか思えない怪物に遭遇したという体験を明らかにしている。強烈な臭気を放つモンスターとの遭遇に娘はショック状態になり、3週間も入院することになったという。興味深いのは、この事件はキャスリーンたちの遭遇事件の一週間以上前に起きていたことだ。
後年、フラットウッズから2マイルほど離れた土地に住むハーパー氏も、事件発生よりも前に、丘の上で火の玉のような存在と人間の3倍くらいにも達する怪物に遭遇したという自身の体験を告白している。
こうしてみると、フラットウッズにおける接近遭遇事件が、同時期に発生したUFOフラップに内包されていることが理解できるだろう。
しかし、最新の研究報告によれば、1952年9月12日当日、文書化されたものだけでも東部10州の116か所で未確認飛行物体の目撃があったという。中には、ウェストバージニア州ホイーリングの地域住民が搭乗員と思しき異星人の死体を発見するという驚くべき事件も含まれていた。加えていえば、カリフォルニア州上空でも1件の目撃報告があり、ノース・カロライナ州の農場ではダメージを受けた物体が墜落したという大事件までもあったのだ。
こうした状況が21時間にわたって続き、一般人や軍関係者による目撃事例が、ペンタゴンや空軍基地、航空防衛司令部本部、行政機関、空港の民用航空局、警察署、ラジオ局、新聞社に報告され、記録に残された。にもかかわらず、政府情報部の公式記録では、同日の東部夏時間午後8時にワシントンDC上空を通過し、燃え尽きた隕石がすべての原因と結論しているのだ。この事実を知れば、政府機関によって隠蔽がなされたと勘ぐってしまうのは筆者だけではあるまい。
その一方で、思い込みに起因する誤認の可能性も除外することはできない。1950〜1960年代のアメリカでは、UFOや地球外生命体に関する事件が多発しており、何らかの光源をUFOと思い込むケースが少なくなかったからだ。
キャスリーンと子供たちが目撃した火の玉は隕石であり、モンスターはメンフクロウの誤認であるとする主張は当時からあった。恐ろしいことが起こることを想定した人々の目にメンフクロウが異形の存在として映り、フクロウの大きな目に光が反射したものが、怪物の光る目だと感じさせたというものだ。
だが、目撃者たちの証言内容は一致しており、子供が含まれるとしても矛盾はない。そもそもフクロウでは“金属質”の説明がつかない。また、目撃者たちを診察した医師によれば、臭気を放つ靄にさらされたことが原因なのか、彼らの体調不良はしばらく続いた。それは化学兵器「マスタードガス」による影響に近かったという。
原因がなんであれ、全員に共通する症状が確認されているのも誤認説では説明が難しい。やはり、フラットウッズに未知の存在が訪れていたことは間違いない。だが、その存在は異星人ではない可能性も考えられる。
いうまでもなく、この事件は第3種接近遭遇として分類するのが一般的な見解だ。主たる要因は、メイ夫人とジーン・レモンがテレビ出演時に語った体験談をもとに描かれた“再現図=想像図”の存在が大きいはずだ。だが、彼ら自身は人形を連想させるものであったと証言したものの、生物だとは断言していない。
事実、後年の取材で彼らは、その姿はロケットのような、金属製らしき構造物だったと語っている。上部は球形で、下部には排気用パイプを連想させる物体を備えており、地球のものにたとえるなら、ホバリングする小さな乗り物、探査機のようなものだというのだ。実際、少年たちのひとりが描いた目撃画でもロケットのような存在として描かれているのだ。だとすれば、“ 火の玉”は母艦で“ 怪物”が探索用の小型ロケットだったのだろうか。
そしてなんと、その姿を彷彿とさせる未確認飛行物体が2009年に出現している。同年6月20日、メキシコ国際空港付近の上空に光り輝く怪物体が出現。インターネット上で公開されたこの物体は、その中心部がピンク色で周囲が緑色と目撃画のフラットウッズ・モンスターと特徴が一致しており、多くの人々に1952年の事件を思い出させたのである。
こうした奇妙な一致がほかにもある。
1930年代までアゾレス諸島の女性が着ていた伝統衣装「アゾレアンフード」だ。もしかしたら、アゾレス諸島にも同様の存在が来訪していて、伝統的な衣装は天から降臨したその御姿をモチーフにしたのかもしれない。頭を覆う大きなフードにドレープが重ねられたケープが描くシルエットは、そんな仮説が頭をよぎるほど、フラットウッズの怪物そのものだ。
これらの一致が偶然でなければ、彼らが幾度となく飛来していたことの証であり、同時に再訪の可能性も浮上する。その姿は、やはり金属的なのか? メイ夫人たちが説明した通り、怪物=ロケット説の信憑性は高い。彼らが地球を再訪するとき、本当の姿が明らかになるだろう。
並木伸一郎
「ムー」創刊当初から寄稿するベテランライター。UFO研究団体ICER日本代表、日本宇宙現象研究会(JSPS)会長などを兼任。ロズウェルやエリア51をはじめ現地調査を重ねて考察し、独自の仮説を「ムー」や自身のYouTubeなどで発表している。
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