禁断の遺物「南極のスペースアーク」の謎/MUTube&特集紹介  2026年6月号

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    超古代アトランティス文明の超兵器だった!? この記事を三上編集長がMUTubeで解説。

    南極から観測される正体不明のパルス音

     未踏の静寂に包まれた極地──南極。分厚い氷に閉ざされたこの大陸で、今、現代科学の枠組みでは説明のつかないパルス音が観測されている。
     ご存じの読者も多いかもしれないが、南極大陸における局所的な磁気上昇や異常の観測事例は数多い。
     これは南極横断山脈を境に、地殻変動の縫い目を有する東南極と、地殻が薄く地質学的負荷を受けやすい西南極とで、性質の異なるさまざまな磁気アノマリーが存在するためだ。東南極はかつての超大陸「ゴンドワナ」の中心部であった。
     だが、地球磁場の穴とされる「南大西洋磁気異常(SAA)」の分裂・拡大をきっかけに、南極大陸は大きな臨界点に達したようである。
     2020年5月、欧州宇宙機関(ESA)は磁場観測衛星「スウォーム」の観測データに基づき、SAAに「第2の磁気異常の中心核(コア)」の出現を発表。東南極上空にまで及ぶ磁気バリアの弱体化を報告した。するとこの影響を受けて周辺地域では最低基準の磁場強度を記録。
     時を同じくして西南極では同年8月から2021年にかけて8.5万回という観測史上最大規模の群発地震が発生したのである。
     これについてESAは「地球磁場の生成プロセスにおける重要な変転機を示唆している」とコメント。現在も続く、地熱活動の活性化や氷床融解度の累加的加速は、磁極ポールシフトへ向かう予兆として注視する研究者も少なくない状況である。
     事実、その影響が顕著に現れているのが、SAAの影響を最も強く受けたエリア──南極点から大西洋に向かって扇状に広がる「ドローニング・モード・ランド(DML)」である。
     ここは「クラトン」と呼ばれる約30億年前の強固な岩盤の上にあることから、地震や火山活動などの地殻変動がほとんど起こらない「不動の土台」とされてきた。
     だが、南極海沿岸から200〜250キロほど南下した地点では、観測史上例をみない異例の現象が相次いで報告されているというのだ。
     特に南極基地「ノイマイヤー基地」を運営するドイツのアルフレッド・ウェーゲナー研究所(AWI)が注視しているのが、「局所的な地熱流の発生」である。ここでは平均を20〜40パーセント上回る、1平方メートルあたり6075ミリワットの高熱の放出が確認されているのだが、これは本来の「クラトン」が持つ特徴ではあり得ない、まさに異常な現象である。さらに、このホットスポット直下では氷底の一部融解までもが報告されており、止まらぬ地熱上昇の原因として強力な熱源の存在が推測されているのである。
     他に南極地震観測網(VNA)でも、謎の異変は記録されている。ここでは氷床下から聞こえる「氷の歌」や氷床の軋みとは別物の、10〜50ミリヘルツ域の謎の微振動(周波数)が継続的に観測されているのだ。「氷の歌」とは風が圧雪層の隙間を吹き抜ける際に発生する5〜100ミリヘルツの周波数で、楽器のフルートと同じ原理といったらわかりやすいだろうか。風が止まれば止み、氷震が起これば不規則に共鳴する、まさに自然の摂理であろう。
     だが、ここでは、外部環境には左右されず、20秒から100秒の周期という一定のリズムを発していることから、研究者は「自然界の断層が規則性をもって動きつづけることは極めて難しい」とコメント。活火山が存在しないこの場所で、火山性微動と同様の原理による定常的な圧力源が発生していることを、公式に報告しているのである。
     分厚い氷の下で、膨大な熱量を帯びたエネルギーが動き出したかのようなこの一連の現象。その原因が物理的な破砕音なのか、それとも電磁気的な共鳴なのか、謎の解明が急がれているものの、どうやらこのあたりが直接観測の限界値のようである。
     さらなる解析に向けて準備を進めているものの、現在は核心を前に沈黙を強いられているのが現状だ。

    (文=遠野そら)

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    webムー編集部

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