宇宙考古学の開祖エーリッヒ・フォン・デニケン/MUTube&特集紹介  2026年5月号

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    神話と遺跡に異星人の痕跡を見出し、「古代宇宙飛行士来訪説」を提唱!! この記事を三上編集長がMUTubeで解説。

    古代宇宙飛行士来訪説の開祖、墜つ!!

     エーリッヒ・フォン・デニケン──先日、その懐かしい名前が世界中に発信された。
     2026年1月早々、訃報が飛び込んできた。同月10日。エーリッヒ・フォン・デニケンが、65年間連れ添った妻エリザベート・スカヤ、娘コルネリア、ふたりの孫に見守られながら老衰で90歳の生涯を閉じたというのだ。
     デニケンは1935年、スイスのアールガウ州ツォフィンゲンに生まれた。ローマ・カトリック教徒として育てられ、その後スイス、フリブールの聖ミカエルカトリック学校に在学中、彼は教会の『聖書』の解釈を拒絶し、そして天文学および空飛ぶ円盤現象に対する興味を深めた。とりわけ預言者エゼキエルが見た〝炎の車輪〟という描写に惹かれたという。後にスイス、ダボスのホテル・ローゼンヒューゲルの支配人になった彼は、ホテルの宿泊客が休んだ深夜に原稿を書いた。
     1954年以降、エジプト、インド、ラテンアメリカなどで多数の現地調査を行い、デニケンは、エジプトのピラミッド、イギリスのストーンヘンジおよびイースター島のモアイのような構造物、およびその時期の人工遺物のほとんどが、彼の研究の数々を裏づける証拠だと指摘した。
     同時に精力的に講演活動を展開し、自身の仮説を広める団体を設立、映像やマルチメディアを活用する先駆的な手法で「人類と古代文明に異星人が関与したという、もうひとつの歴史観」を提示した。
     ベストセラーになった『未来の記憶』(1968年)に始まる一連の書籍は、地球外生命体=異星人=古代宇宙飛行士が地球を訪問し、初期人類文化に影響したという趣旨である。デニケンに対して科学的批判が続くなかでも「地球は過去に何度も異星人の訪問を受けており、将来も再訪がある」との信念を持ちつづけた。こうした姿勢は、彼を支持する人々の間でも不変だった。
     1991年には初の「イグノーベル文学賞」受賞。「疑わしい主張や実験を通じて科学への注目を喚起した」という点が評価されたという。英語圏では1980年代に人気が下火となったが、その思想は準考古学的ドキュメンタリーやテレビ番組に影響を与えた。代表例として、超常現象捜査を扱うドラマ『X︲ファイル』が挙げられる。
     デニケンの一連の書籍は、32の言語に翻訳され、合せて6300万部を超える売上を記録した。著書を原作とするドキュメンタリー映画が製作され、アカデミー賞にノミネートされた事実はあまり知られていない。1960年代終わりの時代を生きていた人々は、それまでだれも指摘しなかった事実に熱狂したのだろう。 
    「宇宙由来の知的生命体が有史以前の地球を訪れ、類人猿に近いヒト科生物から人類を創りだした。そして知的生命体はやがて創造神として崇められるようになった。こうした〝古代の宇宙飛行士〟が残した痕跡や人類に対する文化的影響は遺跡や遺物、そして『聖書』や神話に見ることができる」
     これをデニケンは「シーディング=り、古代の地球を訪れた宇宙飛行士によって蒔かれたのは地球生物の種、あるいは地球文明の種だ。彼らは、地球のすべての生物の源となる種を蒔き、進化のきっかけを作ったのだ、と。

    (文=並木伸一郎+宇佐和通)

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    webムー編集部

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