ノストラダムスとババ・ヴァンガが2026年の危機を予言していた!? 暗い予見が流布するグローバル心理の恐怖

文=遠野そら

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    ノストラダムス、ババ・ヴァンガ、そしてヒンドゥーの予言書で示唆された2026年とは?

    今なお注目される大予言者たち

     2025年は「日本壊滅の予言(予知夢)」が大きな話題となった1年であった。魔の7月を逃れ、ホッと胸をなでおろしたのもつかの間、どうやら来る2026年もまた不穏な未来を予言されているようである。往来の大予言者ノストラダムスやババ・ヴァンガをはじめとする、名だたる予言者たちにはいったいどのような世界が視えたのだろうか。

     世界で最も有名な予言者といえば、16世紀フランスの医師であり、詩人、占星術師でもあったノストラダムスであろう。ノストラダムスは『予言集(Les Prophéties)』などに「世紀」「詩番号」「四行詩」で構成した予言を著し、その解釈にはいまだ謎が多いものの、フランス革命やヒトラーの台頭、9.11同時多発テロなど、歴史的出来事を的中させた人物である。

    ノストラダムスとババ・ヴァンガの予言は、毎年のように新解釈が話題となる。画像=https://citymagazine.si/en/prophecies-2026-nostradamus-and-baba-vanga-for-2026-aliens-are-coming-eclipse-and-the-end-of-love/ より。

     そして来る2026年——。ノストラダムスはいくつかの予言を残しているというが、今回は「世界規模の戦争」「自然災害」から、囁かれている仮説を紹介していこう。

    G7の危機から世界規模の大戦争?

    『天の火が王家の建物へと、 マルスの光が衰えるであろう時に。
     7ヶ月の大戦、呪いで死んだ人々。
     ルーアンもエヴルーも王に背かないだろう』百詩篇第4巻100詩節

     これは専門家が最も注目している詩節である。『天の火』とは核攻撃などの壊滅的な出来事を、そしてフランス語で火星を意味する『マルス(Mars)』はローマ神話に登場する軍神マルスに由来することから、「血」「戦争」「混乱」と解釈されるものである。

     別名『世界大戦の予言』ともいわれるこの詩節。このまま読めば、7か月間に渡り世界を巻き込む大戦争が勃発することが推測されるが、ノストラダムスはさらにその引き金となる出来事をも予言しているのだという。

    『七隻の船を囲む細長い船とガレー船。致命的な戦争が幕を開けるだろう』百詩篇第7巻26詩節
    『ミツバチの大群が沸き起こるだろう。それはどこから来たのかもわからない』百詩篇第4巻26詩節

     概略するが、これらの詩節から推測されるのは、「中国周辺海域の災い」だそうだ。この地域で海軍を発端に紛争が勃発すると、それに巻き込まれる形で東西対立が悪化。ついには世界大戦へと発展すると解釈されているのだという。

     ノストラダムス特有の曖昧な詩には様々な解釈がついて回るが、現在の地政学的状態を鑑みるとかなり現実味のある予言ではないだろうか。2026年の予言として意味づける背景は、とくにないようだが、七隻の船がG7を象徴するとすれば、その状況は穏やかでない。

    東洋を発端にした軍事紛争?

     だが、さらに恐ろしいのは、ブルガリアの盲目の予言者ババ・ヴァンガや、ブラジルの霊能者アトス・サロメの予言である。

     海外メディアによるとヴァンガは、「東洋を発端にした軍事紛争が勃発し、世界の秩序は劇的な変化を迎える」と予言しているという。これは1つの終末的な戦争ではなく、長期にわたる政治的分裂や混乱、そして世界的な同盟関係の再編が迫られる1年になるとし、台湾や南シナ海、そしてインドと中国の国境における軍事的緊張を暗示しているそうだ。ただこれも「2026年」を指したものとはいえない。

     また、その的中率の高さから「ノストラダムスの生まれ変わり」とも称されるアトス・サロメは、ノストラダムスやヴァンガとは多少異なるものの、やはり世界規模の戦争は免れないと語っている。サロメは紛争の震源地に、アフリカ大陸を東西に横断する「サヘル地域」と「北極圏」を挙げており、ここを発端に世界は大きな混乱に見舞われるのだという。

    ノストラダムスの生まれ変わりを称するアトス・サロメ。ブラジルのみならず世界中に多くの信奉者がいるという。画像=https://www.tyla.com/news/living-nostradamus-2026-predictions-terrifying-warning-293486-20251201 より。

     サヘル地域とは、ナイジェリア、チャド、スーダン、マリなどを含んだサハラ砂漠南部の帯状の地域で、イスラム過激派の活動の温床であることから多くの国で「渡航中止勧告」または「退避勧告」が発出されている危険地帯だ。そして北極圏は、新たな空路や莫大なエネルギー資源の開拓をめぐって各国で腹の探り合いが続いていることから、両地域とも不測の事態が起こりうる状況なのは間違いないだろう。

    自然災害か、要人暗殺か?

     あくまでもこれは予言であり科学的な根拠はないが、ノストラダムスはさらに『自然災害』をも予言している。

    『雷の大きいものが昼に落ちる。
     凶事、そして抗議の持ち主によって予言されたこと。
     続く予兆が夜間に落ちる。
     紛争、ランスとロンドン、エトルリア、悪疫。』百詩篇第1巻26詩節

     これはケネディ大統領暗殺の予言とも言われていた詩節である。雷が落ちる=要人暗殺と解釈されているが、よもやトランプ大統領の暗殺未遂を思い出すではないか。もともとは自然災害を警告する予言だという。

     そして不気味なことにヴァンガもまた、地震、火山噴火、といった極端な気候の変化によって地球の一部が壊滅するという恐ろしい予言を残している。地上はかなり悲惨な状況になることから、2026年を「真の終末」が始まる転換期と解釈する研究者も多いというが、まるでホピ族の予言に登場する大浄化のようである。

    千里眼の持ち主とも呼ばれるババ・ヴァンガ。画像=https://citymagazine.si/en/what-if-baba-vanga-is-right-the-predictions-for-2026-announce-the-end-of-the-world-as-we-know-it/

    2029年に地球滅亡? 2026年から「冬」が始まる

     なかでも著者が特に気になるのはヒンドゥー教徒に500年前から伝わる予言書『Bhavishya Malika(バヴィシャ・マリカ)』の内容である。バヴィシャ・マリカには「2029年までに灼けた太陽がベンガル湾に落下し、地上は7日7晩の暗闇に包まれる」とあり、その序章として2026年から世界はかつて経験したことのない厳しい冬が到来すると予言されているのだ。

     この”冬の到来”が物理的なものなのか、それとも精神的なものなのかは不明だが、フランスの聖痕者マリー・ジュリー・ジェニー(Marie-Julie Jahenny)もまた、聖母マリアから授かった預言のなかで「暗黒の3日間」を伝えている。これは2026年4月に始まる可能性が高いと信じられているものであるが、バヴィシャ・マリカの予言と何か関係があるのだろうか。

    バヴィシャ・マリカ公式サイト(https://en.bhavishyamalika.com/)。

    予言の解釈を発信する「陰謀」疑惑

     とはいえ、繰り返しになるがあくまでも予言であり、科学的な根拠に基づくものでは一切ない。
     そして様々な解釈を紹介したが、バヴィシャ・マリカの予言以外は、2026年と指定したその仮説の発信者の希望または絶望が反映されているとみていいだろう。
     もっといえば、人心を惑わし、一定の方向へ向かせるためのーー「やっぱり」という納得を演出するための予言解釈を強引に語っている、とも考えられる。

     2027年7月の予言を踏まえ、2026年も慎重に行動したいものだ。

    参考
    https://timesofindia.indiatimes.com/astrology/zodiacs-astrology/nostradamus-predictions-2026-dark-prophecies-of-nostradamus-for-2026-you-must-read/articleshow/125688622.cms
    https://timesofindia.indiatimes.com/astrology/zodiacs-astrology/2026-will-shock-the-world-scary-predictions-by-baba-vanga-nostradamus-bhavishya-malika/articleshow/125913550.cms
    https://en.bhavishyamalika.com/bhavishya-malika-2026-predictions
    https://www.tyla.com/news/living-nostradamus-2026-predictions-terrifying-warning-293486-20251201
    https://citymagazine.si/en/prophecies-2026-nostradamus-and-baba-vanga-for-2026-aliens-are-coming-eclipse-and-the-end-of-love/
    https://citymagazine.si/en/what-if-baba-vanga-is-right-the-predictions-for-2026-announce-the-end-of-the-world-as-we-know-it/

    遠野そら

    UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。

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