大予言者ババ・ヴァンガが導く「バステトの洞窟」と「発光する2人」の正体は? 姪クラシミラが追う古代ミステリー予言
ブルガリアの大予言者、ババ・ヴァンガの導きによって探検隊が結成され、その探索の末に場所が特定された古代遺跡がある――。驚くべきことに、それは古代エジプトの女神を奉る古墳だというのだ。
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あのノストラダムスと並び、人類史上最大の予言者と称されるババ・ヴァンガ。これまで数々の歴史的大事件を的中させてきた彼女は、なんと小泉進次郎総理大臣の誕生さえ予言していた可能性があるという。かつてブルガリアで暮らし、関係者から直接話を聞いた筆者が今明かす!
ブルガリアに、ヴァンガという名の予言者がいた。ヴァンガは1911年、当時オスマン帝国の領土であったストルミツァに生まれ、12歳の時、つむじ風に巻きこまれて両目にごみや砂が入ったことで盲目となった。しかし、視力を失った彼女には、戦争で行方不明となった人物の消息を言い当てたり、未来のさまざまな出来事を予言する力が授けられていた。結婚を機にペトリチに移り住んでからも、彼女の家の前には予言やアドバイスを求める人たちが列をなした。その後、ブルガリアは共産主義国家となり、1989年には共産主義政権が崩壊してブルガリア共和国となるが、政体が移り変わっても時の政府の要人たちは変わらずヴァンガに助言を求め、国民からは「ババ・ヴァンガ(ヴァンガおばあさん)として慕われ続けた。
ブルガリア生まれの超心理学者ゲオルギー・ロザノフ博士によれば、ヴァンガの予言は70%の的中率を誇るという。また、ヴァンガの予言と称するものは、21世紀も四半分が過ぎようとしている現在でも、しばしばネットやメディアでセンセーショナルに取り上げられている。
筆者がヴァンガについて知ったのは、1989年に初めてブルガリアを訪れたときだ。
中学時代から新体操選手として競技生活を送ってきた筆者は、東京女子体育大学を卒業後、ジャスコ新体操クラブで選手の育成にあたっていた。そんなとき、有望な選手を新体操王国ブルガリアで最終調整させる話が持ち上がり、選手2人と一緒に私もしばらくブルガリアに滞在したのだ。
当時のブルガリア新体操代表チームの総監督は、ネシュカ・ロベヴァだった。
ロベヴァの時代、ブルガリアの新体操チームは黄金時代を迎え、ディリアナ・ゲオルギエバ、リリア・イグナドヴァ、ビアンカ・パノバ、アドリアナ・ドナフスカといった歴史に残る名選手が続出した。彼女たちはブルガリアのゴールデン・ガールズと呼ばれて、国民的アイドルとなっており、数々の国際大会で数え切れないほどのメダルをさらっていった。
ジャスコ新体操チームの選手と私は、その名監督ロベヴァ率いる代表チームと同じ場所で練習することになった。すぐにブルガリアの若い選手たちやロベヴァとの交流も生まれ、何度か日本とブルガリアを行き来するうちに、筆者もジャスコを辞してブルガリア新体操チームのコーチを引き受けることになった。
ロベヴァと親密になり、プライベートな経験まで語りあうようになると、筆者との間に新体操以外にも共通点があることが判明した。ロベヴァも筆者も、幼い頃から何度も不思議な体験をしていたのだ。そしてロベヴァは、予言者ヴァンガとも個人的に深い親交があった。
最初にロベヴァがヴァンガに会ったのは、彼女が選手として最後に競技した年、1973年のことであった。この時は彼女のコーチをしていたユリエッタ・シシマノヴァが、ペトリチに住んでいたヴァンガのもとに連れて行ってくれたという。
次にロベヴァがヴァンガに会ったのは、11年後の1984年のことであった。それはヨーロッパ新体操選手権ウィーン大会の直前で、ヴァンガが名付け親になったという女性がロベヴァに電話してきて、「ヴァンガおばあさんがネシュカに会いたいと言っている」と告げたのだ。
以後、ヴァンガとロベヴァとは実の家族のように親密な交流を続け、ヴァンガはロベヴァに対して、ブルガリア新体操チームの成績や、個人的な事項についてさまざまな予言やアドバイスを与えてくれたという。ヴァンガはこの世を去る前、ロベヴァと、同じく親しかった画家のセヴェトリン・ルセフに「あなたたちを誰に預けていったらよいのでしょう」と嘆いたほどであったという。つまりヴァンガは、この世に自分の子どもを遺していくように感じており、2人をヴァンガの教えの伝道者とみなしていたのだ。
私がブルガリアに滞在していた間も、ロベヴァはしばしばヴァンガを訪問しており、帰って来ると、今日はヴァンガがこんなことを言っていた、と話してくれたものだ。
もちろんロベヴァは、ヴァンガから直接さまざまな予言を聞いており、1994年にヴァンガの希望によってブルガリアの守護聖人・聖ペトカを記念する教会が建立されたときにも協力した。ロベヴァは今でもヴァンガ財団のメンバーとして、ブルガリア語のユーチューブなどを通じてヴァンガの功績を発信し続けている。
そんなロベヴァは常日頃、世の中にはヴァンガの予言と称するものが数多く出回っているが、そのほとんどはデタラメだと嘆いている。
本当にヴァンガが残した予言は、生前ヴァンガが親しくしていた人物に語られており、またヴァンガ財団が発行した書物にもまとめられている。この書物は私も何冊か譲り受けたので、日本で翻訳出版できないか現在模索しているところである。
そのロベヴァが、未来の日本の指導者に関するヴァンガの予言を口にしたことがある。
あるとき、彼女は筆者にこう言ったのだ。
「リカ、ヴァンガおばあさんは未来の日本の指導者についても語っているのよ」
驚く私に構わず、彼女は続けた。
「ヴァンガおばあさんはね、1981年に生まれた日本の指導者が、日本と世界を救うと言ってるの。この人は既に生まれているということね」
その後、同じ話を二度ばかり繰り返し聞いたと記憶している。しかしこの当時、私はこの予言についてあまり深く考えなかったことも事実だ。
冷静に分析すれば、この予言は1981年に生まれたある人物が日本の指導者になること、そして日本の指導者になったこの人物が日本と世界を救うという2つの内容を含んでいることになる。しかし1981年生まれといえば、当時はまだ子供である。それに、この人物がいつ日本の指導者として名乗りを挙げるのかはまったく不明であるし、どういう形で日本や世界を救うのかも検討がつかない。ただ、この予言のことは、常に私の頭の片隅に残っていた。
そして、今年の自由民主党総裁選挙である。
説明する必要もないだろうが、これは日本で最大の議会勢力である自由民主党の総裁を選ぶ選挙だ。現在の規則では、自由民主党総裁の任期は3年となっているから、前回岸田現総理大臣が総裁に選ばれた2021年から3年後の今年9月、予定どおり開催されるということだ。日本の総理大臣は通常、衆議院の最大会派から選ばれるから、自由民主党の総裁になればほぼ自動的に内閣総理大臣に選出される。その総裁選挙には現職の岸田総理は出馬せず、石破元防衛大臣、林官房長官はじめ9人の人物が立候補している。そして、その候補者の一人が、まさしく1981年生まれなのだ。
そう、小泉進次郎前環境大臣である。
小泉進次郎といえば、2001年から2006年まで内閣総理大臣を務めた小泉純一郎の次男であり、兄の孝太郎は俳優、夫人の滝川クリステルもテレビで報道番組のキャスターを務めていたという華麗なる血族の一員である。
進次郎は2009(平成21)年8月30日に行われた第45回衆議院議員選挙に、父純一郎の後継者として初めて立候補しているが、この選挙ではリーマン・ショックによる経済情勢の悪化や党内の分裂もあり、自由民主党が大幅に議席を減らしてしまった。海部俊樹元総理はじめ閣僚経験者が軒並み落選し、1955年の結党以来初めて、政権の座を野党民主党に奪われた。
しかしこの厳しい選挙で、自由民主党公認の新人として4人が当選した。その一人こそ小泉進次郎であった。その後、2021年の総選挙まで5回続けて圧倒的な得票率で当選し、2019年には38歳の若さで環境大臣に就任している。国民からの人気もかなり高く、初当選後に行われた衆議院選挙、参議院選挙では、応援のため日本全国に駆り出され、自分の選挙区を巡る時間がほとんどなかったという。
今回の総裁選挙においても、世襲議員だとか、時に受け答えを「小泉構文」「ポエム」などと揶揄する記事も見られるものの、各種世論調査では石破元防衛大臣と並んで常に上位にあるようだ。
そして小泉進次郎に関しては、もうひとつ気になる情報がある。
最近ネットでは、「イルミナティカード」に小泉進次郎らしき人物が描かれているという指摘があるのだ。
イルミナティカードは、1982年に発売されたスティーブ・ジャクソン・ゲームズ社のカードゲームである。遊び方は、各プレイヤーがそれぞれ世界支配をたくらむ秘密結社イルミナティのカードを持ち、様々な組織カードを取り込んで支配下に入れるというものである。ほかに特殊な状況を示すカードが多数あり、それぞれにイラストと状況の説明が描かれている。そして、これらのカードの中に、発売以降に起きた世界的事件を予言したものが多数あると話題になっているのだ。
カードが予言していたとされる事件には、新型コロナウイルスのパンデミック、2001年のアメリカ同時多発テロ、2011年の東日本大震災、ダイアナ妃の事故死など多くのものがあり、つい最近も、今年7月13日にペンシルベニア州バトラーで起きたトランプ前大統領暗殺を予言していたというカードが話題になった。そのイルミナティカードに小泉進次郎らしき人物が描かれているということは、彼が日本の次期総理大臣に就任するという暗示なのだろうか。
ヴァンガの予言に話を戻すと、1981年生まれの日本の指導者が小泉進次郎その人かどうかは明確ではなく、今後1981年生まれの別の人物が登場する可能性もある。仮に小泉進次郎のことだとしても、今回の自民党総裁選で当選するかどうかもわからない。しかし、もし小泉進次郎が自由民主党総裁、次いで内閣総理大臣に選出されれば、ヴァンガの予言の前半部分「1981年生まれの日本の指導者」の誕生が的中することになる。結果はもう数日後に判明する。
山本里佳
国士舘大学体育学部教授
国士舘大学女子新体操部監督
羽仁 礼
ノンフィクション作家。中東、魔術、占星術などを中心に幅広く執筆。
ASIOS(超常現象の懐疑的調査のための会)創設会員、一般社団法人 超常現象情報研究センター主任研究員。
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