ヒバゴンは実在する! ご当地キャラにして捜索対象の大人気獣人UMAの現在地

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    55年前に広島の比婆山に出現したヒバゴンが今、改めて注目されている。愛すべきご当地キャラとして定着してきたところに、リアルな「遭遇」情報ももたらされて……!?

    ご当地キャラとなった「ヒバゴン」

     現在、三次もののけミュージアム春の企画展「幻獣 GENJU」にヒバゴンが登場している。

     妖怪博物館として知られるここには、「稲生物怪録」の絵巻や妖怪のミイラなど数々の資料が収蔵、展示されており、この企画展で展示されている「ヒバゴン足型」も1970年代当時の足型を複製した、いわばホンモノだ。2025年6月24日まで開催中なので、UMA、幻獣、妖怪の確かな痕跡を目の当たりにしてほしい。

     1970年代、現在の広島県庄原市西城町でヒバゴン騒動が起きたことはご存じの通り。
     大きな類人猿が出没し、住民たちは恐れて夜も眠れず、子供たちが集団下校した……という騒動を受けて、町役場には「類人猿対策係」が設置されたほどだ。
     任務にあたった恵木剋行さんは「農作物の被害はあったが、人は襲われなかった。対策といっても遭遇した人たちへの不安の解消に努めることや、メディアの対応が主だった」と振り返る。対策部署ができたと聞くと、町を挙げての大捕り物が実施されたように思うが、対策係は恵木さんひとり。正体不明、神出鬼没の獣人ヒバゴンの「対策」は1975年の「終息宣言」まで続いた。

     広島駅から芸備線みよしライナーで2時間28分の備後西城駅に降り立てば、山に囲まれたヒバゴンの里がそこにある。雄大な比婆山山麓を眼前にすると、未確認の獣人が隠れていてもまったくおかしくないと実感する。圧倒的な自然のボリュームだ。

     現在、西城町観光協会の事務局長・岡崎優子氏を中心に、現地ではヒバゴン探検隊が組織されている。定期的な会合や探索ツアーで盛んな情報交換が行われており、メンバーは三次もののけミュージアムのイベントにも駆け付けるなど、その結束は強い。

     また、現地では70年代当時の目撃スポットに看板が設置され、観光資源としてもクローズアップされている。ヒバゴン探検隊のイベントのほか、レストランと宿泊施設を兼ねるつちのこ邸もオープンし、広く、UMAファンや研究者を受け入れる場となっているのだ。

    西城町観光協会【公式】のXより。https://x.com/saijounohibagon/status/1916016340835701213
    古民家をリフォームした「つちのこ邸」。名前の由来はもちろん、つちのこ遭遇のエピソードから。詳しくは https://www.shobara-info.com/report/5046 で!

    ドローンでも捜索! 未確認動物としても現役

     ご当地キャラ、観光テーマとして愛されるヒバゴンだが、一方で、2024年になってヒバゴンを思わせる「巨大な黒いサルのような怪物」の目撃が相次いでいる。

     あの伝説の獣人UMAヒバゴンが復活した……と、「ムー」としては盛り上がってしまうのだが、地元としては騒動の再来、不安や恐怖が蘇る事態なのではないか?

     1970年代当時と同じく人的な被害はない、ある意味で平和な騒動ではあるが……農作物への影響を含めて、改めてヒバゴンに対する緊張感が高まっているともいえるだろう。「令和のヒバゴン」騒動をを受けて、西城町観光協会ではトレイルカメラを設置した。ヒバゴンの姿が捉えられる日も近いかもしれない。

     さらに「3rd-EYE」という最新技術についても触れておこう。
    「3rd-EYE」はもともとは災害救助用の技術なのだが、ドローンによる上空からの映像と、捜査隊員のスマートグラスを一元で管理し、AIによる解析も組み合わせる仕組み。なるほどヒバゴン捜索にも応用できそうだ。
    「3rd-EYE」を使ったヒバゴン捜索は今後のヒバゴン捜索ツアーでテストされていくそうだ。

    https://sites.google.com/view/3rd-eyedrone/ より。

     1970年の出現から55年、1975年の終息宣言から50年。
     忘れられかけた「なつかしい昭和の」UMAヒバゴンは、ご当地キャラとして地域に愛される存在となっている。それと同時に、最新技術で捜索される未確認動物でもありつづけているのだ。

     ヒバゴンへ注がれる視線は、令和の今がもっとも熱く、温かい。

    webムー編集部

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