地獄の恐ろしさを伝える圧巻のコンクリート像! タイ「地獄寺」の表現から仏教世界を見る(1)
タイ地獄寺の研究者が、仏教美術の視点で「地獄」描写を解説。ショッキングなコンクリート像を産んだ文化的背景とは? (ムー2017年8月号掲載記事に、一部加筆修正)
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日本と世界の危機を救うヒントは、未来予言を記した経典の中に示されていた。僧侶・三木大雲が「お経」に秘められた禁断の真実を読み解く! 三上編集長がMUTubeで解説。
「お経にはいったい何が書かれているのですか」
ときどき、このようなご質問をいただきます。その際、私はこう答えます。
「真理です」と。
真理といわれるものは、永遠に絶対不変のものです。どんなに時代や世界が変化しても、真理は変化することがありません。そんな真理が書かれているのがお経なのです。では、真理とはどういったものでしょうか。
ひとつ例を挙げさせていただきます。ひとつの風邪薬を作ったとします。この風邪薬を実際に処方して、ほんとうに効果が得られるかどうかを治験するとします。そこで、風邪に似た症状がある方々100名を集め、皆さんにその薬を試してもらいます。その結果、80名の方の症状が明らかに改善されたとしたら、風邪薬として販売が許可となります。
この場合、効果が見られなかった20名は、取り残されてしまいます。ですので今度は、この方々にも効く風邪薬の開発がされていきます。しかし、完全にすべての人の風邪を治す薬はなかなかできません。この薬が効く人、効かない人がいますので、その人に合った薬を捜すしかないのです。ですから薬局に行きますと、たくさんの種類の風邪薬があるのです。
このように、たいていの人には効果があっても、効果がない人も存在します。一般の例には当てはまらない、例外が必ず出てきます。
除菌シートの表記を見てもそう感じることがあります。「99.9パーセント除菌できる」と書かれているものがありますが、これは公正競争規約にもとづく業界ルールで、「100パーセント」とする表記を避けておられるからだそうです。基本的に100パーセントといいきることは、例外が発生する可能性を考えれば、難しいからでしょう。
では、この世の中に100パーセントといいきれるものはどういったものでしょうか。
そのひとつは、数学です。「1+1=2」。これはだれが、どのような環境下で計算してみても、絶対に100パーセント「2」なのです。これに関しては例外はありません。このように例外のない世界の法則を「真理」と呼びます。物質世界で数学は絶対的に真理なのです。
しかし、数学の真理を真理でなくする世界があります。それは、精神世界です。ここでいう精神世界とは、人間の感情や思想などをいいますが、その世界においては数学でさえも真理ならざる現象があります。
ここでもたとえ話を書かせていただきます。たとえば、バイオリン奏者がここにひとりいるとします。そこへビオラ奏者が来ました。この時点で楽器奏者がふたりとなります。このふたりが音楽を協奏しはじめました。すると数学上は、楽器の音がふたつとなります。しかし、曲としてはひとつと考えられます。この後もチェロやオーボエ、シンバルやフルート奏者などが集まって、大きなオーケストラとなったとします。奏者や楽器の数は増えましたが、その音楽はひとつの曲となります。
ですから、1+1+1=1ということになります。
スポーツでも同じようなことがいえると思います。「チーム一丸となる」という言葉は正にそのことを表しています。物質的な世界を飛び出せば、数学でさえも真理とはいえなくなることもあるわけです。
それでは、お経はどうなのでしょうか。
お経には、物質世界についても、精神世界についても、またはこの世以外の世界についても多岐にわたって真理が書かれております。そして、どのような場所や時代、どのような世界においても真理でありつづける事象が書かれています。簡単にいえば、「このようにすれば、だれがやっても結果こうなる」という真理の法則が書かれているのです。
一例を挙げますと、『大般涅槃経』の中に「諸行無常 是生滅法 生滅滅已 寂滅為楽」とあります。書き下しをしますと「諸行は無常なり」となります。「すべてのものは無常であり、生じては滅する」という意味です。命ある私たちは、いつか必ず死ぬのです。死は例外のない真理です。たとえ、科学の力で不老不死の薬を作ろうとしても、それは不可能だということです。
この例外のない真理が書かれているのがお経です。すなわち、お経に書かれていることをだれであれ、そのまま実行すれば、同じ結果を得ることができるということです。
ゲームの攻略本と呼ばれるものがありますが、お経はこれに似ています。RPGゲームの場合でいえば、迷路の地図から、アイテムの取り方、敵のやっつけ方、クリアするための方法までが書かれているわけです。まさにこれと同じで、お経は「人生の攻略本」ともいえる書物なのです。
(文=三木大雲 写真=にしまつこうじ)
続きは本誌(電子版)で。
webムー編集部
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