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ムーがサイクル系チャンネルとコラボ! 自転車でムー的ふしぎスポットを巡る「ミステリースポットライド」とは??
灼熱の夏も過ぎ去って、ようやく到来した行楽の秋。そろそろ、秋風を感じながらさわやかにミステリースポット巡りでもしたいなー…という気持ちになってくる頃ではないだろうか?
そんなあなたにぴったりのYouTubeチャンネルがある。声優の東城咲耶子さん、ドラマーの夏芽さん、声優の藤井彩加さんと担当ディレクター・玉さんの4人が、自転車の楽しさを広めるべく活動している「Teamくるくる!」だ。
自転車の選び方、乗り方といった初心者向け情報から本格的なライド企画まで、ゆるく、アツく自転車に関する情報を発信するサイクル系チャンネルなのだが、そんなTeamくるくる!からこのたびムーにお声がかかり、ミステリアスなコラボ動画が誕生した。
Teamくるくる!メンバーにムー的イチ推しスポットを紹介する「ミステリースポットライド」だ!
今回ムーがミステリースポットとしてアテンドしたのは、埼玉県のちょうど真ん中あたり。東京都心部から車で1時間ほどとアクセスの便もほどよく、のどかな風景がひろがるライドにはぴったりの地域。そして主役となるこのエリアのイチ押しミステリースポットがこちら。埼玉県比企郡吉見町の史跡、吉見百穴だ。
ここでクイズ。吉見百穴とはいったいどんな史跡なのでしょう?
1:小さい人の家
2:偉い人のお墓
3:倉庫
Teamくるくる!メンバーからは「悪魔召喚施設」との(ムーに寄せてくれた)怪答も飛び出したが、正解は、古代人の墓。
吉見百穴は地元では少なくとも江戸時代から知られていた場所で、名前の通り大岩の一面に穿たれた大小無数の穴がならぶ奇勝だ。穴の入り口は大人が屈んで入れるほどで、穴によっては意外に奥行きも広い。その昔は近所の子供たちが習字や学問をするための場所として使っていたこともあったそうだが、本格的に調査が始められたのは明治時代になってからのことだ。
明治20年、のちに日本人類学の創始者ともよばれる坪井正五郎博士(当時は東京帝大の学生)が百穴を調査し、近隣の人の協力をえて埋もれていた穴を次々に発掘。最終的にここが200以上の横穴がならぶ遺跡であることを再発見したのだ。
しかし、穴の存在こそ確認されたものの、それが何のためにつくられたのかについてはその後も長く議論が続けられた。坪井はここを古代先住民族の住居跡だと考えて雑誌に発表するのだが、別の研究者からは坪井に異を唱える横穴墓説が提唱される。こうして「住居か墓か」という日本人類学史上初の大論争といっても過言ではないやりとりが繰り広げられた結果、現在では吉見百穴は古代の横穴墓だったろうとの説に落ち着いている。
では古代のお墓だったとして、そこにはどんな人が葬られていたのだろう。古代の墓といえば箸墓古墳や仁徳天皇陵(大山古墳)などの巨大前方後円墳に代表される王墓がイメージされる。しかし百穴は天然の凝灰岩に掘られたもので、それぞれの穴もそこまで大きくはない。やはり坪井が考えたように現在の日本人とは異なる人々が存在していたのか……?
現地に掲げられている案内看板には、こんな一文もある。
「坪井正五郎博士による大発掘が行われ(中略)横穴の性格を土蜘蛛人(コロボックル人)の居住でありのちに墓穴として利用されたものであると断定されました。」
土蜘蛛とは『古事記』や『日本書紀』などに記された、穴にすみ天皇に従わずに暮らした先住者たちのこと。コロボックル(コロポックル)とはアイヌの伝承にしばしば登場する小人族のことだ。たしかに穴に住むならツチグモ、しかも小さい穴ときたらコロボックルを想像するとかなりぴったりくるのだが……。
現在考古学的には、百穴の被葬者は吉見一帯を治めていた有力者一族だったと考えられている。大王や王ほど有力ではない地域の豪族といったところだが、それがどんな人々だったのか、その子孫がどうなったのかなどは未解明。日本史の隠された部分が、ここにはまだ眠っているのかもしれない。
じつは吉見百穴は、古代史跡のほかにもう一つの顔をもっている。昭和の戦時下、百穴は空襲をさけるための地下軍需施設として再利用され、岩の内部に大きな地下壕が掘り進められたのだ(なので、3択問題では「倉庫」もある意味正解)。今は立ち入りが制限されているが、フェンス越しに当時掘られたままの坑道を見学することもできる。
ひとつの史跡からさまざまな時代の歴史、人々の生き方を感じ取ることができるのも、吉見百穴ならではの魅力になっているのだ。
ところで「ミステリースポットライド」といいながらここまで自転車の話はゼロですが、じつは吉見百穴からそう遠くない場所にもうひとつのムー的オススメスポットがあり、その間をライドするからミステリースポットライドなのだ。そのもうひとつのスポットとは……記事後編でご紹介!
そんな次のスポットに向かうライド中にも、ムーの話題で盛り上がるくるくるメンバー。じつはチームの発起人であり、企画前からのチャリ愛好者である東城さんは根っからのムーファン「ムー民」だったのだ! なんでも小学生の頃にめっちゃ読んでいて、きっかけはおばさんがホラーやオカルト大好きな人だったからだそう。優良ムー民のお手本のようなプロフィールだ!
ムーと自転車、異色のコラボと思いきや、意外と相性がいいのかも……?
webムー編集部
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