水脈を透視し、月の裏側を念写! 日本の未来を予言していた霊媒・三田光一の素顔/不二龍彦
「月の裏側を念写した」人物として、大正から昭和にかけてその名を馳せた霊能力者・三田光一。だが、三田の能力者としての真髄は「念写」だけにとどまらなかった――。本稿では、三田の軌跡を振り返り、不世出の霊媒
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福島県のミステリースポット、千貫森。UFO頻出地帯として有名だが、ここには「ひと山まるごと天皇陵古墳である」との驚くべき伝説があった。
福島県福島市の南東部に位置する千貫森。「森」とはいうが標高500メートルほどの立派な山で、円錐形の美しい山容から地域の名所、シンボル的存在として親しまれている。
特に「ムー」の愛読者にとっては千貫森はもはや説明不要のメジャースポットだろう。この山を中心とした一帯はUFO目撃情報の多発地帯として有名で、山麓にはUFO関連資料が収集・展示されたUFOふれあい館や、UFO物産館が設置されている。2022年の6月には国際未確認飛行物体研究所が設立され、ムーの三上編集長が所長に就任したことも報じられた。
と、今ではUFO一色の千貫森なのだが、この山にはもうひとつ、とても気になる伝説がある。UFOふれあい館の公式サイトにそれが紹介されているのだが、短い文なのでそのまま引用させていただこう。
崇峻天皇の古墳伝説
歴史的謂れとして、紀元五世紀頃、大和朝廷では三十二代崇峻天皇が蘇我馬子に弑されるという政変が起きました。
天皇の后「小手姫」は、蝦夷へ逃れ我が子「蜂小皇子」を捜すため、この地に居たり、持参した蚕種(当時は皇族のみが持つ)をもとに織物を 地元民に教えることにより蚕業を起こしました。人々から尊敬された小手姫は、その後多く人達の力を借り、土を盛り高台に天皇の形見の品を埋め、 陵としたのが千貫森で、西側に同型の礼拝所を作ったのが一貫森という伝説があります。
(UFOの里公式サイトより。原文ママ)
https://ufonosato.com/index.php?mmenu=siru&smenu=5
崇峻天皇といえば、ときの権力者蘇我馬子に反発したことで命を狙われ、在位中の暗殺という歴代でも極めて稀な最期を遂げた天皇だ。その形見の品を埋葬するためにつくられた陵墓が千貫森だったというのだ!
筆者は日本全国に伝わる天皇伝説を調べては訪ね歩いているのだが、天皇の遺品をおさめるために皇后が、それも東北地方に御陵をつくらせたという伝説はかなり珍しく、他に見た記憶がない。実際にネットで検索しても「崇峻天皇の古墳伝説」についてはUFOの里サイトから引用したと思しき情報しかヒットせず、それ以上の詳細がつかめなかった。
果たして千貫森は古墳なのか、否か。
わからなければやるひとはひとつ。現地を見るしかない。
ということで、UFOスポットのもうひとつの伝説・古墳説を調査するため、千貫森にいってみた。
福島市街から南東に車で15分ほど進むと、ぽっこりと盛り上がった円錐形の美しい山が見えてくる。千貫森だ。UFOにも関連したピラミッド説があるのも納得できる見事な山体だが、近付くにつれその大きさが実感される。これがもし本当に古墳だったとしたら、まちがいなく仁徳天皇陵を軽く上回るサイズになるだろう。
まずはふもとのUFOふれあい館を見学してみたが、古墳説にまつわる資料は管見の限り確認できず。やはり実際に山を見てみるほかないようだ。資料館のすぐ脇に、整備された山道の入口がある。ここから、遊歩道ならぬUFO道を歩いて山頂を目指すのである。
資料館の方の話では「登るのに20分くらい、下山まで入れても1時間かからないくらいですよ」とのことで少々油断していたのだが、千貫森の登山は、想像以上にきつい。
すらりとした円錐形の山容は、観るにはきれいなのだが登るとなるとなかなかの急傾斜なのだ。
ふだん使わない足の筋肉に鞭打ちながらも周囲を観察すると、山肌には大きな岩も露出している。だがどれも立派な自然石のようで、人工物感はない。
鬱蒼と茂った木々の様子もまさに天然の森そのものだが、しかし古墳だったとしても、1500年も経てばこのくらいにはなるかもしれない。なにしろあのラピュタ帝国でさえ、たった700年で巨木に覆い尽くされてしまったのだ。
山頂に近くと、UFO道脇に「ピンカラ石の謎を解け!」という奇妙な看板が立てられているのが目に飛び込んだ。ピンカラ石とは千貫森特産の玄武岩のことで、たたくとピンカラと高い音がするためそう呼ばれているのだという。
玄武岩といえば、古墳の石室に用いられることもある頑丈な石だ。これが古墳説の根拠となるのだろうか。
UFO道のポイントポイントに置かれたエイリアン石像に導かれながらなんとか頂上に到着すると、そこには立派な展望台と、ささやかな祠が鎮座していた。
祠は、千貫森の山麓にある小手神社ほか、みっつの社をあわせ祀っているもののようだ。そしてこのすぐ脇にも、また奇妙な看板が立てられている。
「UFOの基地を探せ! このポイントで、軽くジャンプしてみましょう。ポンポンと変わった音がしませんか?」
ジャンプしてみたのだが、なんとなーくそんな音がするような、しないような。
なんでもこの看板のちょうど下あたりに謎の地下空間があり、そのために足踏みをすると反響したような音がする、という話があるのだそうだ。UFO説ではその空間が地下基地なのではないかとされているのだが、古墳説的には「高台に天皇の形見の品を埋め」たというそのスペースこそ、その謎の地下空間ということになるのではないだろうか。
念のためもう一度ジャンプしてみたが、やはりなんとなく音がするような、しないような。
せっかくなので展望台からUFOも探してみたのだが、残念ながら滞在時間内には確認することができなかった。
下山時には登りとは別のルートを通って観察してみたが、古墳伝説の決定的証拠となりそうなものは見あたらなかった。ただ、鬱蒼とした森からは、未知のなにかがいそうな気配がざわざわと漂っていた。実際にUFO道から少し離れたあたりでガサガサと物音がして、UFOならともかくクマだと本当にシャレにならないので大声を出しながら駆け下りたのである。
下についたらUFO物産館で名物の石ラーメン(ピンカラ石の器に入ったラーメン)を食べようと思っていたのだが、タッチの差で食堂も閉店しており、これも実現できず。UFO焼酎とUFOスイーツをお土産に買っての撤収となった。
結局、現地調査でも古墳伝説の片鱗はみつけられなかったのだが、その後さらに周辺情報を調べていると、web上で一冊の気になる絵本が目にとまった。
『UFOの里 飯野ものがたり』というタイトルの、1996年刊の絵本。飯野とは旧飯野町のことで、2008年に福島市と合併した千貫森あたりの旧自治体名だ。すでに出版社でも取り扱いがないようなので、古書で注文し、取り寄せてみる。
数日後に届いた本をパラっとめくると、なかにもう一冊、別の小冊子がはさみこまれていた。そして、その表紙には大きな文字でこう書かれていたのだ。
「想像(おもい)は果てしなく 〝千貫森は、古墳だ〟」!!
(つづく)
鹿角崇彦
古文献リサーチ系ライター。天皇陵からローカルな皇族伝説、天皇が登場するマンガ作品まで天皇にまつわることを全方位的に探求する「ミサンザイ」代表。
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