地獄へ導く正二十面体パズル「リンフォン」と「人形神」/朝里樹の都市伝説タイムトリップ
正体不明の白い多面体「リンフォン」。押す・回す・引く――その操作のたびに姿を変え、持ち主の周囲では次々と怪異が起きる。
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未来を見通した、偉大なる女性がいた。世界の指導者がアドバイスを求めるほど正確に未来を語った予言者=ババ・ヴァンガ。その彼女が残した「遺言」は、未知なる古代遺跡の存在と、そこへ至るための道のりを示すものだった。三上編集長がMUTubeで解説。
「バルカン半島のノストラダムス」というニックネームで呼ばれる、ババ・ヴァンガという予言者がいた。ババというのはブルガリア語で「おばあちゃん」という意味なので、「ヴァンガおばあちゃん」という響きになる。
本名はヴァンゲリヤ・パンデヴァ・ディミトロヴァだが、予言者として知られるようになってからは、だれもが親しみを込めて「ババ・ヴァンガ」と呼ぶようになった。
そのヴァンゲリヤが姪に託した、遺言ともいえる予言が話題になっている。しかもそれは、いまだに見つかっていない古代遺跡にまつわるものだというのだ。詳しくは後ほど触れていくとして、まずはババ・ヴァンガという人物の輪郭からたどっていくことにしよう。
ヴァンゲリヤは、当時オスマン帝国(現在の北マケドニア)の一部だったストルミツァという町に住む貧しい一家の3番目の子どもとして、1911年1月31日に生まれた。父親はマケドニア問題の活動家として知られた人物で、その生き方が家族に多くの困難をもたらしたといわれている。
彼女が12歳のとき、悲劇的な事件が起きる。竜巻に巻きこまれて持ちあげられ、体ごと地面に叩きつけられたのだ。
人々が総出で捜し、かなり時間がたってから気絶しているところを発見されたが、両目が埃と砂でひどく傷つけられていた。治療は施したものの、彼女の視力は徐々に失われていき、16歳を迎えるころには完全に光が失われてしまったのだ。
ところが、視力を失ったヴァンゲリヤには、特別な能力が宿るようになる。ほかの人の目には見えないもの、感じられないものを脳裏に思い浮かべることができるようになったのだ。
事故の直後から芽を出した不思議なこの能力は日を追って伸びていき、ついには未来の出来事を知り、亡くなった人たちとコミュニケーションを取れるようになった。
彼女の不思議な能力の話がブルガリア中に広がるまで、そう長くはかからなかった。毎日多くの人々が訪れるようになり、それにつれて特殊能力はさらに開花していく。まだ起きていないことが次々と脳裏に浮かび、精神世界の住人たちが彼女に語りかける声が絶えることはなかったのだ。
こうして、能力者としての人生が始まった。
各地から訪れてくる人たちの悩みを聞いたり、相談に乗ってアドバイスを送ったりしながら暮らしていた彼女の評判を決定づけるきっかけになったのは、第2次世界大戦だった。愛する人の消息を求める多くの女性たちに、正確な情報を与えるという活動を通して、彼女の能力者としての評判はますます高まっていった。
兵士や行方不明者の運命を次々と正確にいい当てるヴァンゲリヤは、やがて政府からも注目される存在になる。
地元自治体の議会が会見を調整する組織を設立し、スケジュールを管理することになった。これを機にヴァンゲリヤとの面会には一定の料金が設定され、同時に給料の支給が決定された。こうして彼女は、ブルガリア政府公認の予言者という立場を得ることになったのだ。驚くべきことに、あのヒトラーも彼女のもとを訪れ、アドバイスを受けていたという。
共産党の一党独裁体制が終焉を迎え、ブルガリアが共和国体制になった1990年以降も、大統領を含めた政府上層部は彼女との関係性を密に保ち、意見を求めていた。
このころになると、ババ・ヴァンガというニックネームがすっかり定着していた。
彼女が精神世界の住人とコミュニケーションをとったり、未来の出来事を知るうえで媒体となったのは、普通の人には見ることも感じることもできないエンティティー(存在)だ。これを通し、数十年以上にわたる長いスパンでもたらされた予言は、世界的な事件や自然災害、政治的混乱などさまざまなジャンルをカバーしている。
予言の多くは言葉遣いが曖昧なうえにさまざまな解釈の余地があるため、一部のスケプティクス(懐疑的な人)は、「的中はまったくの偶然か、曖昧な言葉遣いの文章が後に起きた出来事の内容に寄せる形で事後的に都合よく解釈されたり、場合によっては完全に変更されたりしたものである」と主張している。
だが、それでもババ・ヴァンガの名声が揺らぐことはなかった。歴史に名を残す予言者として国内外で認識され、死後28年が経過しようとしている今も尊敬を集めつづけている。
亡くなるまで住んでいた家は、今でも聖地であり、彼女の能力の高さは、高名な政治家や国家指導者からも相談を受けていた事実によっても裏づけられているのだ。
(文=宇佐和通)
続きは本誌(電子版)で。
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