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沖縄県那覇市にある沖縄県立博物館・美術館は県内最大の博物館で、沖縄の歴史・文化・自然を時系列で学ぶことができる施設だ。
その博物館考古部門に、興味深いものが展示されている、4点の線刻石板だ。
一見して明らかなように、石の表面には船や建造物、動物、人らしき姿、さらには文字のような模様が線で刻まれている。
最初に見つかったのは、1933(昭和8)年。場所は沖縄県中頭郡嘉手納町の野国総管(1605年に初めて、日本にサツマイモを持ちこんだ人物)の墓の近くの土中からだった。以後、1959年には同町の南に隣接する北谷町でも民家の敷地内から出土するなど、最終的に13枚が発見されている(現存は12 枚といわれる)。
これらは総称して「沖縄のロゼットストーン」と呼ばれているが、詳細な研究はほとんど行われていない。当然、その正体も目的も不明だ。
ふつうに考えれば、何かを記録した絵文字のようなものと思える。
たしかに船や建造物、動物、人などは古代人の絵とすることもできるだろう。だが、それにしては奇妙な絵もある。北谷町で見つかった石板には、ピラミッドとしか思えないような絵がはっきりと刻まれているのだ。
これはいったい、何なのだろうか?
さらに問題は、文字のような模様(記号?)だ。
はたしてこれは文字なのか。
漢字が渡ってくるまで、日本列島には文字が存在しなかったというのは常識だ。しかし本誌読者なら、「神代文字」と呼ばれる「漢字以前の文字」の存在をご存じだろう。だとすればこれは、沖縄の神代文字なのだろうか?
じつはこの「文字」について、ムー大陸で使われた文字と似ているという指摘もある。沖縄には、かつてムー文明圏の一部だったという「沖縄ムー大陸説」もあるので、そう考えれば石板にピラミッドが刻まれていたことも十分に納得がいくのだが……。
(月刊ムー 2024年7月号掲載)
中村友紀
「ムー」制作に35年以上かかわるベテラン編集記者。「地球の歩き方ムー」にもムー側のメインライターとして参加。
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