湖底ピラミッド、キリスト像、洞窟「奥の院」……十和田湖ミステリースポットを巡礼
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本誌「ムー」における、屈指のミステリーのひとつ。ピラミッド日本列島発祥説。列島各地に存在するピラミッドと超古代文明の謎を徹底ガイド!
青森県三戸郡の新郷村に、キリストの墓と伝えられる塚があることは、本誌読者ならご存じだろう。新郷村にはかつて戸来と呼ばれた地区があり、これは「ヘブライ」に由来するとされている。つまりここは、キリストやユダヤと関係のある土地だというのだ。
それだけではない。新郷村にはなんと、ピラミッドまで存在している。
始まりは、昭和9(1934)年のことだった。そう、この年は酒井勝軍が葦嶽山をピラミッドと認定したあの年だ。
その直後、青森県出身の画家・烏谷幡山なる人物が、「私の故郷にもピラミッドがある」と主張して、友人だった酒井を招待したのだ。村を訪れた酒井は探索の結果、大石神山をピラミッドと認定する。こうして日本の第2号ピラミッドが誕生。
これを受けた鳥谷は、同年10月に「太古日本、第二のピラミッド発見〜三戸村戸来村に於いて」という手記を発表している。
そしてその翌年、今度は『竹内文書』で知られる竹内巨麿が村を訪れる。このとき竹内は、笹に埋もれていた古い塚を見つけ、キリストの墓だと主張した。これが冒頭の、キリストの墓の始まりとなったわけだ。
ちなみにこの大石神山ピラミッドでは、縦10メートル、横8メートルの鏡岩と、正確に東西の方角を示す切れ目が入れられた方位石が確認されているが、全体が大きな山になっているというわけではない。
興味深いことに同時代、キリストの生涯に疑問を抱いていたひとりの女性がいた。
山根キク子(あるいはキク)というこの女性は、『竹内文書』に出会ったことでキリストに対する長年の疑問が解けたと感激し、昭和12(1937)年5月に戸来村を訪れる。
彼女はキリストの墓や村に残るユダヤ的風習、大石神山ピラミッドなどを調査し、その結果を『光りは東方より』として出版。キリストの墓が戸来村にあると、世界で初めて世間に公表した(なお、同書は発禁処分となり、キク子も逮捕されてしまう)。
彼女の情熱は戦後になっても衰えず、昭和30(1955)年には現地を再調査。キリストが上陸した八戸から戸来村、住処としたという戸来岳、十和利山、十和田湖、迷平(エデンの園)と、その足跡をくまなく訪ねまわっている。
(2024年 月刊ムー5月号)
中村友紀
「ムー」制作に35年以上かかわるベテラン編集記者。「地球の歩き方ムー」にもムー側のメインライターとして参加。
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