勝手に転がり、震える「ベッツ家の謎の球体」とは? 50年を経ても続くミステリー
1974年に米フロリダ州の家族が発見した金属球は、その後「ベッツ家の謎の球体」と呼ばれ、さまざまな憶測と“陰謀論”を引き起こしてメディアの注目を集めた。勝手に転がりはじめたり振動を発生したりもするとい
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地球外由来を疑わせる謎の金属球が世界各地で発見されているが、南アフリカでは30億年前の地層からピンポン玉ほどの大きさの謎の金属球が発掘されている。これはオーパーツなのか――!?
米ハーバード大学のアヴィ・ローブ博士が率いる調査チームが2023年6月に太平洋で回収した謎の金属球は、地球外文明由来の“エイリアンメタル”である可能性が浮上しているが、これまでにも数々の謎の金属球が世界各地で発見されている。
それらの多くは空から落ちてきたと思われる物体なのだが、南アフリカではなんと30億年前の地層から謎の金属球が複数発掘されている。30億年前といえば、地球上で原始的な生命が誕生した頃である。
南アフリカ北西州の発掘場所にちなんで「クラークスドルプ球体」と名づけられたそれは、直径3~4センチほどの金属球で、きわめて硬く、模様のような線がついたものだ。これはエイリアンメタルなのか、それとも“オーパーツ”なのか?
科学系メディア「IFL Science」によると、1982年の「Scope Magazine」においてすでに「高度な文明、我々が事実上何も知らない(聖書の)洪水前の文明」によって作られた球体だと言及されている。また「クラークスドルプ博物館」の学芸員は、防振性のショーケース内で球体が自ずから回転したと主張している。また、この球体は30億年前の岩石から発見されたにもかかわらず、意図的に製造されたものであるとの主張や、地球外文明由来の物体であるとの説明まである。
地質学者のブルース・ケアーンクロス氏は、とあるテレビ番組が超能力者に球体を検査させ「古代の宇宙船の残骸だろう」との発言を引き出したことが興味深いと言及している。
多様な立場の面々が様々なニュアンスでクラークスドルプ球体の謎を語っているのだ。
このケアーンクロス氏は、ドミニオン群(Dominion Group)として知られる地層で発見されたクラークスドルプ球体について次のような説明をしている。
ドミニオン群は礫岩(れきがん、conglomerate)からできており、その上には火山溶岩の層が堆積している。多くの圧力と熱が加わった後、火山岩の層はパイロフィライト(葉ろう石)となり、ドミニオン群の辺縁に堆積し、それが長い年月をかけて凝固したものがクラークスドルプ球体であるというのだ。
球体は”天然のセメント”であるコンクリーションであり、実はかなり一般的であり、世界中で同様の球形、楕円形、または扁円形の物体が何千個も発見されているというのだ。
「これらは母岩で結晶化した鉱物で構成されています」とケアーンクロス氏は説明する。
鉱物の小さな粒の周りに鉄やカルシウム、その他の元素がもとになって形成されるため、球体状になるらしい。
「母岩は全体的に均一な質感であることから、360度の三次元の球体として、あらゆる方向に制限なく結石の成長が起こります」と、ケアーンクロス氏は解説。ただし、周囲の岩石が動いている場合にはすべての方向で同じ一貫性が保たれず、形状が歪む可能性があるという。
また球体を飾る模様のような線は、きわめて長い時間をかけて層状に構築された母岩の痕跡であるということだ。
このクラークスドルプ球体が気の遠くなるような長い時間をかけて形成された自然物である可能性が高そうだが、一方で球体が「自ら回転した」という謎はどうなるのか。
この現象を報告した学芸員のR・マルクス氏は、球体が転がるようにして多少回転するのはごく自然な話であり、近くにある金鉱でのダイナマイトの爆破で、この一帯に頻繁に発生している微震の影響もあることを指摘しているようだ。
これでクラークスドルプ球体の謎は一件落着ということになるのだろうか。それでも、手の込んだ工芸品や機械部品のようにも見えるその外観は“疑惑”を引き起こさずにはいられそうもない。
【参考】
https://www.iflscience.com/the-strange-klerksdorp-spheres-found-in-3-billion-year-old-rock-72987
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
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